Lezyne Gauge Drive HVという携帯ポンプを入手しました。最近グラベルロードで700c x 40や650B x 47といった太いタイヤを使っているのですが、エアボリュームが大きいので、もしパンクした時に「ロード用の普通の携帯ポンプ」だと空気を入れるのが大変だったりしないかな? と、前からちょっと心配だったのでした(幸いまだパンクしていませんが)。
こんなタイヤや…
こんなタイヤ! これはロードプラスというサイズなのでもっとぶっといです。
Lezyneの携帯ポンプで「HV」とあるものはハイボリューム(=High Volume)タイプで、大量の空気を入れるのに向いています。MTBの人も普通はこちらを持っておくのが良いでしょう。
Lezyne Gauge Drive HVの外観と特徴
下の1分半くらいの動画でこの携帯ポンプを簡単に紹介してみたので、とりあえず是非ご覧いただけると嬉しいです。
思ったより大きかったです。収納時の全長が23.5cmくらいです。これだとツールケースはさすがに厳しいので、ボトルケージと一緒にマウントすることになりそう。
同じLezyneのHP Drive(私が持っているのは旧製品)が全長18cmで、LANDCASTの300psi対応ゲージ付き携帯ポンプがちょうど20cmくらい。この中でいちばん大きいです。
カラーはポリッシュシルバーとブラックがあります。シルバーはいずれ傷が付きますが、眺めていて気持ち良いのでシルバーにしました。
空気圧ゲージが付いています。これが20-120 psiまで、2 barから8 barまで測れることになっているのですが、この携帯ポンプで120 psiなんか絶対に無理です(それどころか60 psiさえ無理かも)。このゲージ、HPタイプのGauge Driveと共用なのだと思います。低圧が測りやすいものだともっと良かったのですが…
実際、目視で5psiくらいは多めに表示される感じでした。LEZYNEはフロアポンプも盛った数字が出ると言われています(私が使っているものもそうですし、Twitterで何人かの方からも同じご意見をいただいたことがあります。慣れちゃえばどうということはないのですが)。
下の写真、真ん中の黒いまるいボタンはABS(エアブリードシステム)というもので、空気を入れ終わったあとにこれを押すとポンプ内部の残留エアがリリースされてバルブから外しやすくなるというものです。確かにこれがあったほうが外しやすかったです。
ホース先端はネジ込み式で、空気を入れている時にもれないので良いですが、外す時はやや慎重にやる必要があります。あと当然ですがプレスタ(仏式)・シュレーダー(米式)の両方に対応しています。先端のヘッド部分を取り外して付け替えるタイプです。
ポンピング回数の比較
さて、今回はWTB Byway 700c x 40のタイヤを使ってLezyne Gauge Drive HVの実力を試してみました。40mmともなると空気量が結構多くなりますね。
比較対象はハイプレッシャータイプのLezyne HP Driveと、高圧まで入れやすいことで有名なLANDCASTの300psi対応ゲージ付き携帯ポンプ。
この3つの携帯ポンプで、30回、60回、90回…とポンピングした時の空気圧をパナレーサーのデュアルヘッド・デジタルゲージで測定した結果がこちら。単位はpsiです。
Lezyne Gauge Drive HV | Lezyne HP Drive | LANDCAST 300psi ゲージ付き | |
---|---|---|---|
30回 | 13.6 psi | 6.2 psi | 3.6 psi |
60回 | 26.9 psi | 12.8 psi | 8.3 psi |
90回 | 38.8 psi | 19.4 psi | 12.1 psi |
120回 | – | 25.6 psi | – |
150回 | – | 31.3 psi | – |
160回 | – | 33.0 psi | – |
とりあえず出先では最大3 bar(≒43.5 psi)くらいまで入ればいいので、ほどほどのところで止めておきました。結果、Gauge Drive HVでは90回ポンピングすると38.8 psi(=2.67 bar)まで入りました。また、60回を超えると抵抗がぐっと大きくなります。ラクに入れられるのは2 barまでという印象でした。
一方ハイプレッシャータイプのHP Driveの場合、同じ90回のポンピングでは19.4 psiしか入りません! そして奇遇にもこの数値はGauge Drive HVの90回のちょうど半分。そして160回ポンピングしても38.8 psiには到達しません。あとHP Driveはポンピング120回目くらいから熱を持ちはじめ抵抗も大きくなりました。
LANDCASTのゲージ付きはどうかというと、これは同じ空気圧を得るためにはさらにポンピング回数が必要で、90回ポンピング時の空気圧はGauge Drive HVの3分の1以下の12.1 psiという結果になりました。
ハイボリュームタイプの携帯ポンプ、実際ラク?
というわけでポンピング回数的には今回手に入れたGauge Drive HVの圧勝です。
しかしGauge Drive HVはポンピング回数は少なくとも、HPタイプよりも断然大きい力でポンプを押す必要があります。HPタイプは反対にポンピング回数はやたら多くなりますが、押す力は少なくて済みます。
結局、キツい上り坂をハイギア・ローケイデンスで登るのか、それともローギア・ハイケイデンスで登るのか、みたいな話によく似ていて、最終的に必要となるワットは同じだろう、みたいな感じかもしれません。
が、結論からすると個人的には太いタイヤにはハイボリュームタイプのほうがやはり便利。これはあったほうがいい、と思いました。
た・だ・し!! このLezyne Gauge Drive HV、値段がちょっと高すぎます。amazonで¥ 7,128もしました。ちょっといいフロアポンプが買える値段じゃないですか…
ゲージ付きなので高いのですが、そのゲージの精度がいまいちなので、これなら個人的にはゲージレスのノーマルタイプ、HV Driveを買って、空気圧は勘で適当に入れてもいいんじゃないか、思いました。
ゲージなしのHV Driveは¥4,048なのでずっとお得です。全長が216mmとなっていてGauge Drive HVより少し短いので、ポンピング回数はちょっとだけ増えるかもしれませんが、価格と性能のバランスが取れているのはこちらかも。
正確な空気圧を測定したい場合は、やはり下のこれにはかないません。パナのデュアルヘッドデジタルゲージ。今回の検証でも大活躍してくれました。モノとしての質感は同社のアナログタイプのほうが断然良いのですが、このデジタル版はめちゃくちゃ便利です。