9月頃からStravaのFlyby機能についてやや心配なツイートが流れ、海外で物議を醸していました。ちなみにこのFlybyとは、サイクリングやランの途中、他のどんなStravaユーザーとすれ違ったか、相手がどんなパフォーマンスだったかなどを確認できるもので、悪用されなければとても楽しい便利機能です。
デフォルトでONだったFlyby
問題のツイートはAndrew Sewardという方によるこちらのもの。ツイートがスレッドになっているので、下に大まかな要約を書いておきます。
(1/2) Out running this morning on a new route and a lady runs past me.
Despite only passing, when I get home @Strava automatically tags her in my run. If I click on her face it shows her full name, picture and a map of her running route (which effectively shows where she lives) pic.twitter.com/flnHpSvA79
— Andrew Seward (@MrAndrew) September 14, 2020
今朝、新しい道を走っていたらある女性が私を抜いて行きました。
すれ違っただけなのですが、私が帰宅すると @Strava は私のランに、彼女を自動的にタグ付けしていました。彼女の顔をクリックするとフルネームと写真、彼女のランニングルートの地図が表示されました(彼女がどこに住んでいるか効率的に示されています)。
私は彼女に付きまとっていたわけでも、彼女がアクティビティを公開していたわけでもないのに、こうだったのです。
つまり基本的には、1人で走っている女性を見かけたらその人の名前や写真や住所がわかるアプリが存在するということです。
上の方のツイートでは「彼女がアクティビティを公開していたわけでもないのに」とありますが、アクティビティが非公開であればFlybyには表示されない仕様ではあったようです。
しかしアクティビティとFlybyの公開設定は別々なので、アクティビティを公開設定にしていたユーザーはこれまでプライバシー上のリスクがあったことは間違いないでしょう。
全ユーザーのFlyby設定が「非公開」に戻される
これを受けてStravaは今週13日の火曜日に対策を講じました。全ユーザーのFlyby設定が強制的に「非公開」に変更されたので、上で書いたようなプライバシー上の懸念やストーキングのリスクなどは現在はなくなっているので、心配になった方も特に何かする必要はありません。
逆にこれまでFlyby機能を積極的に楽しんできた方にとっては、Flyby地図にほぼ誰もいなくなっていることにガッカリしているかもしれません。Flybyに参加してもいい、という方はStravaの「設定 > プライバシーコントロール > Flybys」で公開設定を「全員」に再変更することができます。
女性は歓喜、ストーカーは憤怒
一連のこの騒動を受けて海外の人気サイクリングミームアカウント、Feedzonenewsはこんなネタ投稿を披露。題して「女性歓喜、ストーカーはこんなの反則だと主張」。
冗談はさておき、海外の反応を見ているとStravaでプライバシー情報が意図しないかたちで漏れてしまっていたことについて、かなり多くの不安の声が挙がっていました。
私の日本人的な感覚ではやや過剰反応に思えるような意見もあったのですが、考えてみれば欧米、特に北米では一軒家に住んでいる人が多いので、アクティビティのエリアから住所をピンポイントで特定することは日本よりも断然簡単なはずです。誘拐などのリスクに不安を持つ方は非常に多いのだと思います。
とはいえ日本でも用心するに越したことはないので、心配になった方はアクティビティの公開設定全般について見直してみましょう。アクティビティを公開設定する場合は、「設定 > プライバシーコントロール > プライバシーゾーン」から、自宅の半径200m〜1kmの範囲で軌跡を非表示にすることができるので、それも活用してみましょう。