クリス・フルーム氏がInstagramに投稿したFACTOR OSTRO VAMの写真に中華ブランド・Rhinowalk(ライノウォーク)のサドルバッグが付いていたことが先日話題になりました。
読者の方からは、フルームのシンボルである「サイ」(英語でrhino=ライノと発音)との連想からシャレで選んだのではあるまいか、とのご指摘がありました。さておき、筆者も興味を惹かれて同じ製品と思われるもの(Standardサイズ)を手に入れたので、第一印象をシェアします。
こいつ…軽いぞ!
最初に手に取った時の第一印象は「あれ…ちょっと質感が安っぽいか? や、安いしなぁ…」というのが正直なところでした。しかし、じっくり観察すると高級感こそ皆無ではあるものの、素材が悪いとか造作が適当という感じはしません。メーカー公称的には防水設計でもあります。
次に感じたのが「ん? こいつ…軽いぞ!」。それもそのはず、実測重量70g。Ortliebの最小サドルバッグ「Micro Two」(非常に良いもの)がアタッチメント込みで112g(バッグのみで76g)。サイズからすると、最軽量ではないと思いますが非常に軽い部類に入るのは間違いありません。
前方・後方から眺めると、投影面積の少ないエアロ形状。個人的にはなかなか好みのルックスです。ゆるポタやグラベルアドベンチャーライドより、ロードバイクでのガチ走りに適する雰囲気。
ジッパーは奥まで差し込むとツマミがボディに当たって音が鳴らないよう配慮されています。「俺は最低限の仕事しかしないが、最低限の仕事はキッチリこなす。その点について文句は言わせない」と語っているかのようです。1秒たりとも残業しない、寡黙かつ優秀な会社員という感じでしょうか。名前は来野歩(らいの・あゆむ)。27歳係長・年収500万円(見なし残業代込み)。
緊急時専用バッグとして考えると魅力がある
モノの出し入れは不便です。底面に伸縮性のあるメッシュの渡しがあるせいで、両サイドをガバッと開き切れないからです。この点はAmazonレビューでも不評ですが「パンクした時にしか開かない緊急時グッズだけを入れるサドルバッグ」として運用すれば気にならないと思います。逆に、頻繁に小物を出し入れしたい人には全く向かないタイプ。
というわけでパンク対応グッズを中心に入れてみました。内訳は700x40mm前後のタイヤに対応する太いチューブ、タイヤレバー3本、CO2ボンベ(MTB用)とヘッド、Stan’s Dart Tool、ミニヘックスレンチ3本、ロータースペーサー、ミッシングリンク、タイヤブートとパンクパッチ。これでピッタリという感じ。携帯ポンプは入りません。
他のアイテムが少なければ、全長18cmまでのポンプなら斜めに入ります。軽量コンパクトなロードチューブを携帯する方なら、パンク修理道具一式は問題なく入るでしょう。16cm x 8cmの私の旧型iPhoneは無理(斜めにすれば入りますが、他に入れられるものが限られるのと、スマホを入れるような用途には向いていない)。
注意点としては、下の写真でわかるようにシートポスト垂直方向に長く這うデザインになっているため、ポストの伸び代が少ないバイクでは不向き。脚長さんでもシートポスト用ライトが使えない場合があるので、その際はシートステー装着型のライトを使うなど工夫する必要はあるでしょう。
ミニマルで印象は非常に良い
頻繁に使用するモノを入れるのでなく、パンクした時にのみ使うツール類を入れておくのであれば、軽量・エアロ・防水・シンプルさに振ったミニマルなこのバッグ、個人的には「あり」だと思います。プロサイクリストのフルーム氏がこれを普段から愛用しているのか、「サイ」繋がりでネタ的に使ってみたのかは不明ですが、ある意味「プロ仕様」を感じさせるところはあります。
両サイドはペコペコしていますが型崩れもせず、私は気に入りました。実勢価格は約1500円。