自転車用バッグ専業の中華ブランドRhinowalk(ライノウォーク。日本語にすると「サイの歩み・サイ散歩」でしょうか)。これまでノーマークだったのですが、最近いくつかの製品を入手し使い始めました。先日はクリス・フルームも使用しているサドルバッグをレビューしましたが、本記事では20Lの「比較的小型のパニアバッグ」をご紹介します。
結論を最初に書くと、個人的には期待以上の使いやすさで大いに気に入りました。
日帰りツーリングや通勤に便利なサイズ感
まずサイズ感が絶妙。筆者はオルトリーブのバックローラー・シリーズも愛用しているのですが(公称容量20L)、Rhinowalkのこの製品は同じ20Lとしながらも実際は一回り小さめ。外寸も収納量もバックローラーの3分の2という印象です。連泊ツーリングならバックローラーが活躍しますが、大きいパニアバッグは荷物が少ないと型崩れする場合もあります(特に横方向)。
「スーパーで食材を買って帰ろう」という場合、大容量のバックローラーは大変便利なのですが、これは日帰り小旅行や通勤通学といったシナリオで非常に取り回しが良いサイズ感だと思います。筆者が購入したブラック以外にイエローも選べますが、質感もなかなか良いです。
この日はミラーレスカメラと交換レンズを入れたソフトボックス、簡易なアウトドアクッカーセット、水筒、ウィンドブレーカー、自然観察用の大型双眼鏡を入れていました。感覚的には20〜25Lのバックパックに詰められるものがすべて入る感じです(展開時の公称容量は23L)。コーヒーライド・野外ラーメンライドを楽しむのにちょうど良いサイズ。
中はただの筒で、オルトリーブのバックローラー・クラッシックのようなメッシュポケットは残念ながらありません。
調整はツール不要もやや固い
キャリアへの取り付けフックの調整はツール不要です。上部は樹脂製の凹凸をパチッとハメこむだけ。これは便利…ではあるのですが、露出している穴の位置が少しでもズレるとなかなか嵌合せず、かつ外れやすいのは短所。オルトリーブのQL2.1と同じ仕組みですが、QL2.1より穴がピンポイントすぎ。あとオルトリーブほどではないですが、固いです。
しかし外れても走行中にバッグが落ちることはないと思うので良しとします。また樹脂パーツはやや摩耗が早いかもしれません(これも機能に影響はなさそう)。
爪もオルトリーブ同様、ハンドルを持ち上げるとアンロックする仕組み。しかしスプリングが固めで、オルトリーブのような軽快で快適な動作ではありません。このあたりは一流ブランドとの差を感じるところです。この日はTubus Flyというラックで使ってみました(軽量でシンプルなドイツブランド製品)。調整幅を一番内側にしたところ綺麗に入りました。
下側のフックもオルトリーブ方式で、ダイヤルを回して角度を変えられます。ここは特に使いにくいところもなく、OKです。
持ち運びも便利
どう使っても良いと思うのですが、基本的にはライド時はロールアップして左右のバックルをてっぺんで締める。前後のバックルを締める。サイドのベルトでたるみを取るように締める。という3点締結方式。ショルダー部の張り出しが少ないのが良く、ハンドバッグのように手持ちでも歩きやすい。
ショルダーベルトも付属で(外観が気にならなければ付けっぱなしでも良い)、本体左右のバックルを上下のペアと組んだ上で肩掛けする使い方が想定されています。まぁどんな使い方をしても良いでしょう。バックパックのようには背負えませんが、それはこのバッグにとってスコープ外。ショルダーで運ぶ時も大きすぎずちょうど良いサイズ感です。
オルトリーブのバックローラーは系は好きだけれど、普段使い用に少しだけ小型のものが欲しい…という方には特におすすめしたいバッグですね(フロントローラーを使えば良い、という声も聞こえてきそうですが、機能的にはこのバッグのほうが使いやすそう)。
ペアではなく単体販売で買えるのもありがたいところ。フックの操作感や調整パーツの質感など明らかにオルトリーブに見劣りするところもありますが、全体的に非常に使いやすく、満足度の高いバッグ。継続使用、決定です!