製品レビュー

SEA TO SUMMITのシリコン食器(X-マグ)は折りたためて便利なのだが… 用途は限定したほうが良い

2.5

サイクリングの大休止に屋外でホカホカのコーヒーやラーメンを楽しんでいる方も多いと思います。今年の冬は特に寒いですから、温かいものを積極的に採って身体を暖めたくなりますね。私も昨年末に寒さから軽いハンガーノックを経験し、その反省から最近のロングライドや山歩きでは早め早めに温かいものを飲食するようにしています。

SEA TO SUMMIT X-マグ

SEA TO SUMMIT X-マグ

筆者はサーモスの「山専用ボトル」という保温性の高い水筒(500ml版)でお湯を携帯し、カップヌードルを作ってボトルのフタでコーヒーやお茶を作るのが定番なのですが、行動時間が長い日だと湯量が足りないケースが出てきました。同750ml版か900ml版を追加購入しようか? とも思ったのですが、せっかくバーナーも持っているので、出先でお湯を沸かすことにしたのでした。

荷物をコンパクト化

すると問題になるのが装備のコンパクト化。バーナー・ODガスボンベ(105g缶)・フォーク・ケトル・マグカップ… これだとかさばるので、ケトルをやめ、代わりにキャプテンスタッグのチタンクッカーを新調。その中にバーナー・ボンベ・フォークを収納しました。このクッカー、Amazonレビューは少ないのですが私には絶妙なサイズで「当たり」でした。とても軽い!

キャプテンスタッグ バーベキュー用 鍋 皿 チタン製マウントクッカー2セット M-9080M-9080

キャプテンスタッグのチタンクッカー。130mm×72mm・フタ込みで105gと軽量

しかし愛用しているスノーピークのマグカップは、かさばります。そこで次に「SEA TO SUMMIT」の「X-マグ」という「折りたためるシリコン製のカップ」を手に入れたのでした。これがコンパクトでなかなか良い。私のクッカーの中には入りませんが、上に載せてネット(※自前のもの)に入れると場所を取らず、スマートです。ふふ…我ながら完璧!と最初は自画自賛。

X-マグはカップヌードル・リフィルで便利なサイズ

SEA TO SUMMITの「X-マグ」はフル容量が480ml。ホルダー式のコーヒードリップバッグはギリギリ乗りますが(写真下)、より小さい「X-カップ」という250mlの製品のほうがドリンク向きかもしれません。

SEA TO SUMMIT X-マグ

「X-マグ」にはドリップバッグも載りますが、より小型の「X-カップ」もあります

では何故480ml版の「X-マグ」を選んだかと言うと、これまた携帯に便利な真空パックの「カップヌードル・リフィル」が入るからです。実際、クッカーでさっと沸かしたお湯を注ぎ、これでおいしく作れました。カップヌードル・リフィルの湯量は330ml推奨ですが、それに麺が加わると下のような姿になります。ちなみに内側に水量表示(mlとoz)があるので便利。

SEA TO SUMMIT X-マグ

カップヌードル・リフィルとの相性は抜群

食品の匂いがなかなか取れない

しかしここで思わぬ問題が発生。ある日、同じ容器で食後にコーヒーを飲もうとして、水を含ませたキッチンタオルで内側を拭ってもカップヌードルの油分が強すぎて匂いが残るため、断念。これは仕方ないとして、帰宅後に洗剤で入念に洗ってみても結局匂いは取れなかったのです。

調べてみるとSEA TO SUMMITのシリコン食器でこの問題を報告している人は海外で多く、朝にシリアルを食べる時に前の晩のチキンスープの匂いがするのは微妙だ、という話がありました。連泊ツーリング中、宿で洗っても匂いが取れない。熱湯に浸す・重曹を使う・紫外線殺菌をすると改善するケースもあるようですが、旅行やアウトドア活動中にそうした手間はかけられません。

以下はX-マグとX-ボウルのセットについて海外の方がAmazonに書いているレビューの抄訳です。批判的なレビューの典型としてまとまっており、私の個体だけの問題ではないことがわかります。

コンセプトは良い。比較的コンパクトなサイズに折りたためるカップとボウルだ。問題は、使用されている素材が食品や飲料の匂いを保持してしまい、取り除けないということだ! 1度のキャンプで毎回洗ってみたが匂いがマグにもボウルにも染み込んでいた。マグは今でもコーヒーの匂いがし、ボウルは野菜炒めの匂いがする。

旅から帰って両方を重曹溶液に一晩漬けてみたが、残念ながら何も変わらなかった。その後さらに食洗機で2回洗ったがほとんど改善は見られない。

筆者の個体は3日間念入りに洗い(折り目が特に匂う感じ)、熱湯にも付けたところだいぶ匂いは弱まりました。が、今でもほんのりとシーフードヌードルの香りが漂ってきますw これは、気になる人と気にならない人、両方いるようです。使用前の状態でもシリコン臭が気になる方もいるようですが、私は逆にそれは気にならなかったですね。

私は特に匂いに敏感なわけでも、神経質な人間でもないと自認していますが、シーフードヌードル風味のコーヒーはちょっと嫌です(笑)。

解決法としては、これはもう「カップヌードル・リフィル専用食器」にすることでしょうか。コーヒー・紅茶用に小さい「X-カップ」も用意しておく。しかし紅茶の匂いもまた強力で、その後にコーヒー用に使ったりすると「アールグレーの香り漂うエチオピア」になったりします。カップヌードル専用・コーヒー専用・紅茶専用、と用途を限定して使うのが良さそうです。

アウトドアグッズもなかなかの沼ですね。こちらを立てるとあちらが立たない、ということがよくあります。しかし自分にとっての最適解を探す過程もまた楽しかったりします。

匂いが残らなかったら4つ星だったんだけどなぁ… 実測重量69gです。

著者
マスター

2007年開設の自転車レビューサイトCBNのウェブマスターとして累計22,000件のユーザー投稿に目を通す。CBN Blogの企画立案・編集・校正を担当するかたわら日々のニュース・製品レビュー・エディトリアル記事を執筆。シングルスピード・グラベルロード・ブロンプトン・エアロロード・クロモリロードに乗る雑食系自転車乗り。

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