製品レビュー

Topeak VersaCage:何でも運べるぞ系ケージでいちばん有名なやつを実際に使ってみた

Topeak VersaCage(ヴァーサケージ)という製品のミニレビュー記事です。VersaはVersatile(ヴァーサタイル=「融通が効く・多用途な」の意)から来ており、文字どおり「普通は自転車では運びにくいものをなんとかして運ぶ」ためのケージです。

Topeak VersaCage

このコンセプトの製品は英語圏では「Any cage, Anything cage(=なんでもケージ)」等と総称されており、各社から数十種類も出ています。中でもTopeak VersaCageの特徴は、多くの車体に取り付けしやすいことと、入手性も良いところだと思います。この記事では実際の使い勝手をご紹介します。

何のために使うもの?

冒頭の「普通は自転車では運びにくいもの」とは具体的に何かというと、たとえば下の写真のような、大きすぎたり長すぎたりしてパニアバッグにも入らないようなもの、ややこしい形状をしているもの。寝袋やテント、タープ、ポール類、ロールテーブルや椅子などが考えられます。主にそうしたキャンプ用品の運搬で活躍します。

Topeak VersaCage

あとは巨大なペットボトル(水のタンク)や燃料缶など。円筒形のものとは特に相性が良いです。大きいスタッフバッグにあれこれと雑に詰め込んでからここに括り付ける、という運用ももちろん行けます。

底面は半月状になっており、荷物の一部がここに引っかかってくれれば、あとは付属の2本のストラップで締め上げるだけ。形状不安定な大きいものも、良い意味で雑に運べます。

Topeak VersaCage

VersaCage自体の耐荷重は3kg。白菜ひと玉の標準的な重さが2kg前後なので、まさにスーパーで白菜を買って帰りたい時にも便利。こういう大きすぎたり、形状が厄介なものを運べる場所は、他にはリアキャリアの天板かフロントのカゴくらいしかないでしょう。

取り付け方法もヴァーサタイル

VersaCageは取り付け方法自体もヴァーサタイル(融通が効く)。類似製品の多くはフォークの3連アイレットまたはボトルケージ用の2つ穴に装着するタイプですが、本製品は標準で「VersaMount(ヴァーサマウント)」という、いわば「どこでもマウント」が3個付属します。これを使えばアイレットのないフォークやダウンチューブにもVersaCageを取り付けられます。

下の自転車は、スチールフォークにキャリア用アイレットは2個あるのですが、VersaCageの3連アイレット(ボトルケージ用の64mm間隔)では利用できないため、ヴァーサマウントで取り付けてみました。これで全く問題なくガッチリ固定できて、悪路でも使えています。

Topeak VersaCage

この場合、装着位置はなるべく上のほうが安定するようでした。というのもヴァーサマウントはあまり細いパイプには向かないようで、フォークエンド近くで固定すると少しぐらつきました。パイプがなるべく太い箇所でマウントしたほうが安定します。その結果、私のこのバイクでは上のような位置に落ち着いたのでした。

ところでヴァーサマウントは機構も秀逸です。バンドを留める黒いネジは樹脂製なのですが、これをヘックスレンチで締めていくとバンドがスルスル…と送り込まれ、戻らなくなります。簡単かつ確実に高い固定力を得られます。ネジ山をなめることもありません。

Topeak VersaCage

内側には「スリップ防止バンド」が巻かれており、これとパイプとの摩擦で固定できるわけです。私の場合は鉄のフォークが細いパイプだったので、このバンドは長さを観察しながらカットする必要がありました(余るとマウントの内側で潰れてしまい、固定力が落ちます)。サスペンションフォークなどに付ける場合はカット不要かもしれません。

Topeak VersaCage

裏側から見た様子です。当然ながら、最近の3つ穴のあるカーボンフォークなどにはヴァーサマウントは不要で、手持ちのボルトで締めるだけです。

Topeak VersaCage

ちなみにフォークにもともとあるアイレットの1つは利用し、残りはヴァーサマウント(またはタイラップ)を使うというパターンもあるようですが、私が試してみた感じでは全部ヴァーサマウントで固定したほうが見た目も安定感も上、という印象でした。

使い勝手が良かったところ

VersaCageの長所をあと2点ご紹介。ケージ側のボルト固定穴は下の写真のように「段」が付いています。そのためボルトがマウント側・フォーク側につけっぱなしの状態でも、ボルトを少しだけゆるめて首の下にスペースができれば、ケージをスライドさせてカチャっと外せます。ちょっとだけクイックリリース的な仕様で、複数の自転車での運用時も便利。

Topeak VersaCage

あと荷物の大きさによってはストラップが余ってしまうことも多いですが、ちゃんと引っ掛けておけるループがあって助かります。下の写真で、上は余ったストラップがだらんとしている状態。下側のストラップはループに留めた状態。

Topeak VersaCage

荷物を外す時は、バックルを外に向けてザッと引っ張れば簡単に緩みます。

どんなバイクでも使いやすい

Topeak VersaCageは付属のヴァーサマウントが最大の魅力と言って良いでしょう。ちなみにヴァーサマウントは2個セットで別売りもされており、それを使って各所にボトルケージを増設されている方も多いと思います。マウントは少し大きさがあるので気になる方もいるかもしれませんが、機能面ではバッチリですね。

Topeak VersaCage

ケージ本体は実測重量130g、ストラップ2本込みだと174gと十分に軽量。他に入手性が良い競合製品としてはBlackburn Outpost Cargo Cageも人気があり、そちらは公称重量がストラップ込みで164gなので、若干軽いかもしれません。ヴァーサマウントが必要でない場合は他社製品を探してみても良いでしょう。樹脂製でない金属製のものも多数あります。

あとTopeak VersaCageは安さも魅力。ヴァーサマウントが3つ付いて3200円前後はお買い得感があります。

著者
マスター

2007年開設の自転車レビューサイトCBNのウェブマスターとして累計22,000件のユーザー投稿に目を通す。CBN Blogの企画立案・編集・校正を担当するかたわら日々のニュース・製品レビュー・エディトリアル記事を執筆。シングルスピード・グラベルロード・ブロンプトン・エアロロード・クロモリロードに乗る雑食系自転車乗り。

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