SRAM製品の販売価格について、米国で少し不思議な動きがあるようです。Cyclingtipsの掲示板に、自転車業界で20年以上働いているという方が情報提供しています。
2ヶ月間はいくら安く表示しても良い
この方はSRAMから小売店(SRAM認定ディーラー)へのメールと思われるスクリーンショットを共有しています。そこには次のような内容が書かれています。
- SRAMは特定の製品群について、小売販売ガイドラインから1度だけ外れることを許可する
- この結果、お客様はホリデーシーズンで節約でき、ショップも在庫を放出できる
- このプロモーション期間は11月1日〜12月31日
- 割引金額についてのガイドラインは設けない。小売店に一任する
- MAP(後述)ガイドラインから外れるのは特定の製品のみで、添付するリストにない製品は対象外である
- このプロモーションは既存のセールスチャネル限定で、eBayやAmazonのようなサードパーティーサイトでの割引販売は許可しない
上にある「MAP」とはMinimum Advertised Priceの略で、日本語にすると「最低広告価格」となります。米国ではメーカー・ブランドがショップに対し「販売価格」を強制することは独禁法違反になるのですが、広告での「表示価格」は事前に設定することができるのだそうです。
つまりこれまでは、ネット上で例えば「この製品は1,000ドル以下で売るという表示をしてはならない」と決められていたら、「1,000ドルで売ります」と表示して、お店では実際は950ドルで売るということは可能でした。しかし今回SRAMは、特定製品群ついて(特定とはいえ膨大な数になるらしい)、いくらでも安い価格を宣伝して良いですよ、という例外を設けたことになります。
値下げ競争の予兆なのか
一体なぜSRAMはこのような「セール広告の許可」を出したのでしょうか。この投稿へのコメントには
- 業界全体が在庫過剰という噂は本当なのではないか
- シマノの新型105 Di2ではなくRival/Force AXSを買ってもらう作戦ではないか
- パンデミックが落ち着いた後、ハイエンドバイクこそ供給は追いついていないものの、エントリーレベルの完成車は売れなくなっており、在庫がだぶついている。そのため、ショップはキャッシュがない。お金がなければ2023年分の商品(SRAMのパーツやSRAM搭載完成車など)を発注しにくくなるから、それに配慮したものではないか
といった憶測が見られます。真相は不明ですが、スレ主さんによるとSRAMがこうしたことをするのは過去20年間で初めて見たとのことです。SRAM製品の在庫が過剰気味なのかどうか気になりますが、不足気味であれば普通こんな措置はしないと思うので、製品グレードにもよるとは思いますが、余り気味なのでしょうか。
いずれにしても、少なくともアメリカでは2ヶ月間、SRAMパーツが安く手に入ること自体は間違いなさそうです。
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