ライト関連製品レビュー

NEXTORCH B20というモバイルバッテリー駆動800ルーメンのライトを使ってみた【BYOB】

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NEXTORCH B20という、バッテリーが付属しないライトの紹介記事です。英語圏では「BYOB(Bring Your Own Battery=自分でバッテリーを用意する)ライト」などとも呼ばれているタイプで、手持ちのモバイルバッテリーで駆動させます。ランタイムはそのバッテリー次第。

NEXTORCH B20

BYO/BYOB(Bring Your Own, Bring Your Own Bottle)といった言葉は、お酒は各自好きなもの持ってきてねー、という飲み会などでもよく使われる略語で、日本でもお酒持ち込みOKの飲食店で見かけたりすることもありますね。

特徴と基本仕様

早速NEXTORCH B20の特徴と基本的な仕様を観察していきましょう。まず出力は最大800ルーメン。先述のようにバッテリーは付属せず、USB-A端子で好きなパワーソースから給電します。ハンドルバーマウントはライト本体の一部となっており、取り外せません(残念)。また、リモコンが付属します。マウント用ラバーバンドは予備が1つ同梱されています。

NEXTORCH B20

LEDはCREE XM-L2 U3というもの。筺体は6061-T6アルミ。本体重量(ラバーバンド込み)は公称117g。実測116g。付属のリモコンも含めると実測133g。ライト本体の防水性能はIPX4。

発光モードは点灯がTurbo, High, Medium, Lowの4つ、加えて点滅が1つの計5モード。電源投入時はLowモードで点灯します。付属のリモコン(後述)でも本体ボタンと同じ操作ができるほか、「MAX」というボタンを押している間だけTurboモードにできます(状況確認時にかなり便利)。

発光モード・出力・ランタイム・照射距離の関係は次のようになっています。これは、10000mAhのモバイルバッテリーを22℃±3℃で使用した場合のメーカー公称値です。

Turbo High Medium Low Flash
出力 800lm 380lm 200lm 100lm 380lm
ランタイム 9h 12h 20h 40h n/a
照射距離 100m 62m 45m 30m n/a

つまり10000mAhのモバイルバッテリーがあれば、800lmのターボモードで9時間駆動。5000mAhなら4.5時間駆動する計算です。筆者の小型軽量モバイルバッテリーTNTOR PowerPod 5000mAhでは、実際にターボモードで4時間35分の駆動を確認(22℃環境にて)。Ankerの10000mAhでLowを連続点灯させたところほぼ40時間駆動。公称値はかなり正確に思えます。

ハードウェアまわりを観察しよう

ハードウェア面を少し見ていきましょう。まず付属のラバーマウントは、オーバーサイズハンドルにも22.2mmのような細いハンドルにも対応します。かなり硬めの立派なバンドで、OSハンドルでは超タイト。自前のバンドを使うことも可能といえば可能。しかし設置時はライト本体を90度回転させないといけないのが少しだけ面倒。

NEXTORCH B20

好みですが、個人的にマウント基部は別体式であってほしかったところ。さらにGarminやGoProマウント対応だったら使い方の可能性が拡がるのでもっと良かったのですが…

電源ケーブルも本体からは外せません。これは防水面で仕方ないのかなとも思います。左側に見えているのはリモコン用端子。ケーブルは想像していたよりも短く(リールを伸ばさない状態で約20cm、一杯に伸ばして35cm)、ステム付近に設置したライトからステムバッグ、もしくはトップチューブバッグに入れたバッテリーとの接続が想定されているようです。

NEXTORCH B20

▼ こういうバッグにバッテリーを入れます。ケーブルが長かったら今度は長すぎて邪魔という声が出てきそうなので、どのくらいがちょうど良いのか難しいですね

リモコンのコードは、縮んだ状態で25cm、伸ばして35〜40cm。MAXボタンによるInstant Turbo自体は便利(本体側にはない機能)。MTBでオフロードライド中にグリップから手を離さずにライトを操作したい人を想定したものと考えられます。それ以外ではあまり使いみちがなさそう(ドロハンでは設置場所に困る)。

NEXTORCH B20

マウントが別体式でGarmin/GoPro/CAT EYEにも変換できたら、また電源コードとリモコンのコードがもっと長かったら、使い方の可能性がぐっと広がるのですが、設置箇所は基本的にハンドルバーのみ。キャリパーブレーキの上に設置してリモコンで操作したりできないのが残念(ブロンプトンやリムブレーキのロードバイクでそれができたら素晴らしい)。

配光特性をVOLT800と比較してみよう

今度は配光特性がどんな感じか見ていきましょう。同じ800ルーメンの傑作ライト・CAT EYE VOLT800と比較してみます。ハンドルバー上部の左右にそれぞれのライトを設置。本体が水平状態での照射状態を写真に収めてみます(※どちらのライトも水平照射は超強力で幻惑効果が高いため、実際の使用時はご注意下さい。あくまでテスト環境です)。

NEXTORCH B20とCAT EYE VOLT800の配光特性比較

まずは漆黒の路面を見てみましょう。左がNEXTORCH B20、右がCAT EYE VOLT800。B20のTurboはVOLT800のHighに相当します。B20のHighはVOLT800のMid相当。配光特性の違いは一目瞭然で、VOLT800は遠くまで光が伸びます。NEXTORCH B20は左右をよく照らします。

NEXTORCH B20とCAT EYE VOLT800の配光特性比較

今度はクジラの絵がペイントされた白い路面を見てみます。こちらのほうがわかりやすいと思います。やはり左がNEXTORCH B20、右がCAT EYE VOLT800で、今度は全モードの比較です(撮影時のカメラの露出設定はすべて揃えています)。

NEXTORCH B20とCAT EYE VOLT800の配光特性比較

前方への照射距離だけを見るとVOLT800のほうが優秀ですね。遠くの障害物をより早く認識できるのですから、夜間でもスピードを出して走る人にとってこれはありがたいでしょう。一方でNEXTORCH B20は配光を広角側に振っており、低速で山道を走る時などはこのほうが使いやすいという状況も多いでしょう。特にオフロードでは便利そうです。

なぜこのライトを買ったか

ところでなぜ私がこのライトを買ったかというと、自転車キャンプツーリングで便利に使えるのではと思ったからです。私は自転車キャンツーでは夜間、走りません。そのため、例えば自転車に装着したVOLT800のようなライトを全く使わずに帰ってくることもあります。

NEXTORCH B20

さらにスマホの予備電源としてモバイルバッテリーも携帯するのですが、旅先でスマホを使うことは緊急時以外はまったくありません。そのためモバイルバッテリーも一度も使わずに持ち帰ることが多いのです。なんだかもったいない。

一方で、夜にテントの中で文庫本を読んだり地図を眺めたり、トイレに行く時にヘッデン(頭にも巻けるヘッドランプ)は使います。しかし私のヘッデンは登山での緊急用モデルで、光量もランタイムもやや物足りない。そこでBYOBタイプのライト1個、モバイルバッテリー1個があれば、それだけで全てをまかなえる合理的な運用ができるのではないかと考えたのでした。

このNEXTORCH B20はパワー・ランタイム・配光特性ともに私にとっては使いやすいもので、その点では合格。サイドからの配光があるので、ランタンシェードや白いビニール袋をかぶせた時には拡がりがあり、Lowで良いテント内ランプになることもわかりました。自転車用ライトとしてもLowが長時間使えれば問題ないですし、配光特性も自然の中での使用により適しています。

水平照射でのTurboモード。直視できないので要注意

キャンプ地ではこのライトを自転車から外して、歩く時は手持ちで使う。それで別に困らないのですが、自転車へのマウント方法がもう少しフレキシブルだったら良いのになぁ、と思います。ハンドルバー以外の箇所(例えばフォーク)に設置したくとも、コードが届かずマウントも簡単でないのは残念。見た目も悪くないので惜しい。

しかし、それは私がこの製品に勝手に期待していたものと若干違ったというだけの話であり、メーカーが想定していると思われる使用法に限って考えると、大きい欠点はないと思います(普通に使うだけであればむしろ満足度は高い)。

というわけで今後また別のBYOBライトも物色していくつもりですが、このNEXTORCH B20、ライトとしての性能自体は決して悪くないと思うので、これはこれで使い方がハマれば気に入る方もいると思います。ロングライドでVOLT800と併用しても、左右がより良く見えて面白いのではないでしょうか。私も運用を工夫しつつ良い感じに使えないか探っていきたいと思います。

私が購入した時は¥3,032、性能を考えると安いと思いました。Amazonでの取り扱い開始日は今年の8月30日で、まだユーザー数も少ない製品だと思います。あ、あと災害時にも便利かもと思いました。

著者
マスター

2007年開設の自転車レビューサイトCBNのウェブマスターとして累計22,000件のユーザー投稿に目を通す。CBN Blogの企画立案・編集・校正を担当するかたわら日々のニュース・製品レビュー・エディトリアル記事を執筆。シングルスピード・グラベルロード・ブロンプトン・エアロロード・クロモリロードに乗る雑食系自転車乗り。

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