先月末からカナダ東部で焚火や落雷を原因とする山火事が相次ぎ(長引いているのは温暖化の影響との声も)、北米の空気質に大きい影響を与えているようです。昨日6月7日、アメリカ・ニューヨーク市の空気質指数(AQI, Air Quality Index)は少なくとも1980年代以降、最悪の数値を記録したそうです(最高500中の353という数値になった)。
北米の空気質の現状
著名Vlogger/YouTuberのCasey Neistat氏が6月8日、4分の動画でニューヨーク・シティの映像を伝えています。昼間でも霧に覆われたようで、空はオレンジ色がかっているのがわかります(時刻や映像の加工のせいでそう見えるところも若干あるかもしれませんが、あまり誇張はしていないと思われます)。
この記事を書いている時点(6月8日)での北米での空気質指数をWorld’s Air Pollution: Real-time Air Quality Indexというサイトで調べてみました。確かに東海岸のカナダ寄りの数字はひどく、498などといういう数字も見えます。カリフォルニアとは大違いですね。
空気質指数と健康との関連
さて、そもそも「空気質指数」が健康に及ぼす影響はどのように定義されているのでしょうか。Wikipediaに説明がありました。以下、表を抜粋します。おおむね「100」を超えたら要注意、という感じでしょうか。NYCは一時「Hazardous(危険)」レベルの空気質になっていたことがわかります。
色 | 指数 | カテゴリ(健康影響) |
緑 | 0 – 50 | Good(良い) |
黄 | 51 – 100 | Moderate(並) |
橙 | 101 – 150 |
Unhealthy for Sensitive Groups (敏感なグループにとっては健康に良くない) |
赤 | 151 – 200 | Unhealthy(健康に良くない) |
紫 | 201 – 300 | Very Unhealthy(極めて健康に良くない) |
栗色 | 301 – 500 | Hazardous(危険) |
同様にこの記事を書いている時点での日本周辺の空気質指数を眺めてみました。日本では瀬戸内海の工業地帯の数字が、現時点ではやや注意が必要な感じでしょうか。しかし、これと比較すると現在の北米の空気は大変なことになっているのが想像できますね。
自転車では空気質指数がいくつ以上の時に注意すべき?
海外掲示板では「空気質指数がいくつになったら外でライドするのをやめますか?」というスレッドが立っていました。
出典 What’s your air quality index threshold for not riding outside?
下は支持率の高いコメントから抜粋。
ある州の保健局で空気質のチームを率いており、趣味として(自転車)レースもしている者です。考えに入れたほうが良い要素としては、喘息のような過敏症があるかどうか、年齢、妊娠しているかどうか。次に考えたほうが良いのは、ライドの長さと強度。しかし運動はめちゃくちゃ身体に良いので、短い期間の火事であれば数回のワークアウトをスキップしたほうが良いかもしれませんが、長期にわたる火事なら何か解決法を考えたほうが良いでしょう。ポータブル空気清浄機と良いインドア・トレーニングのセットアップがあるなら、良い選択肢です、特に室温を適度に保てるのであれば。普通のライドの場合、(大気汚染指数が)150以上、レースなら100以上の場合はおすすめしません。また空気清浄機や空調制御システムのフィルターを定期的に交換するのを忘れないようにしましょう
運動強度が高ければ空気質指数100を超えたら控える、強度が低い場合でも150以上なら控える、呼吸器疾患がある方はそれも考慮して加減する、という対策が必要になりそうです。空気質が良くない日はZwiftなどで運動をキープ。カナダの山火事の早期終息を祈願いたします。