ある日の自転車旅での一コマ、的なミニ読み物です。写真にあるのはNalgene(ナルゲン)の1.5Lボトル、SOTOアミカス・ストーブとOD缶、スノーピークの300mlチタンマグ。そしてAGFのフリーズドライコーヒー。ベテラン自転車ツーリストの方には「お前何やってんねん」と突っ込まれそうなセットかもしれません。
ナルゲンのボトルって自転車で使って便利なものじゃないだろう。それにそのコーヒー、そんなもんコーヒーとは呼ばん。コーヒーってのはなぁ、淹れる直前に豆を挽いたものでないと香りが… はい、反論の余地はございません。
ナルゲンのボトルは派手に落としても割れる気がしないほど堅牢で、私は登山・キャンプでは「たまに」持っていくことがあります。バック内で容積を取られるのと、超軽量でもないので、常用することはあまりないです。自転車旅となると、道中での水の調達が容易であることが多いため、これを持っていくのはかなり稀です。
しかしこの旅では、出発前に地図を眺めていてこのボトルが必要になりそうな予感がしました。なので持っていきました。旅の経験はまだ豊富とは言えませんが、回数を重ねるごとにある種の「直感(またはイヤな予感)」が働くことがあり、それは大体当たる・現実になることが多い。虫の知らせ・いわゆるガットフィーリングは旅・自然の中では信じたほうが良いと思います。
案の定、この日のライドでは飲料の自販機をほとんど見かけず。サイクルボトルに別途水を入れていましたが、補充のタイミングを逃す。そこであらかじめ満タンにしておいたナルゲン1.5Lボトルをパニアバッグから取り出し、モルモットが食べ物を持つようにボトルを両手で持ってそのままガブカブ飲んだり、東屋や山奥の林道そばの駐車場で何度かコーヒーを沸かしました。
冒頭のコーヒーセットの写真を撮った時は、何度か道に迷って登り返したり、調子に乗って活動しすぎてしまったりして、ハンガーノックになりかけていました。私としては珍しくアミノバイタルのジェルを定期的に摂取するようなライドだったのですが、疲労で判断力に影響が出てきそうだったので、inバーをおやつに再度コーヒー休憩。豆挽きから淹れる体力も気力もありません。
AGFのスティックコーヒーを2本入れ、250mlほどで濃い目につくります(カフェインが弱めに感じられるので、そのくらいで私にはちょうど良し)。コーヒー一杯分くらいのお湯ならバーナーですぐに沸きます。停車してから5分もあればコーヒー出来。そんなもんコーヒーじゃない! と言われそうなスティックコーヒーも、こういう状況ではご馳走に大化けです。
自販機自体がひとつもなかったわけではないのですが、飲みたい時に飲みたい量の温かいコーヒーをどこでも飲めるのは良いな、と思いました。こうしたコーヒーセットはフロントバッグやフォークパックのような小さいバッグにも入るので、興味のある方はやってみてはどうでしょうか。コーンポタージュのようなスープも温まります。すぐ取り出せるところに収納しておくのがポイント。