ペダル製品レビュー

最軽量SPDペダル・SHIMANO PD-ES600を試してみた

3.5
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少し前にSHIMANO PD-ED500とPD-ES600についての記事を書きました。両方ともシマノの「EXPLORER」カテゴリーに属するペダルなのですが、その時の結論として「このどちらかなら自分はPD-ED500を選ぶかなぁ」ということを書いています。

ロードバイクでもSPD派がふえている? SHIMANO PD-ED500とPD-ES600
kiyomiさんがCBNにSHIMANO PD-ED500のレビューを投稿してくださいました。ロード用のSPDペダルです。昨年の春頃にリリースされたものらしいです。こういう製品。両面SPD。

SPDはPD-ED500のような両面キャッチタイプが自分は好みなのです。しかしPD-ES600の「ある突出した点」が気になって、グラベルロード用にそちらを買ってしまいました。

最軽量SPDペダル・SHIMANO PD-ES600を試してみた

SPDとしては最軽量

PD-ES600のその突出した点とは、前回の記事でも書いたこれ。

PD-ED500のカタログ重量は442gだそうですが、これの上位バージョンにPD-ES600があり、こちらはペア279g。軽っ! ペア310〜314gのケージレスXTR PD-M9100より軽いじゃないですか。なるほど、完全にロード向きです。

そう、PD-ES600はシマノ謹製のSPDペダルとしては最軽量の製品なのです。サードパーティー製で他に何かキワモノが存在しているのかもしれませんが、少なくともシマノ純正SPDペダルとしてこれ以上軽い製品は他にありません。

つまりこの激軽SPDは人類未踏の領域!(大袈裟かw) いったいどんな乗り味になるんだろう? と考えると、試さずにはいられませんでした。

外観はこんな感じ。片面SPDにロード用のケージがついてるようなデザイン。ケージは樹脂ではなく金属製です。

最軽量SPDペダル・SHIMANO PD-ES600を試してみた

裏側。マレーシア製です。

最軽量SPDペダル・SHIMANO PD-ES600を試してみた

片面SPDにはこれまでにもPD-A520やPD-A600も存在しています。重量だけを比較してみましょう。軽い順に並べてみます。

  • PD-ES600 279g
  • PD-A600 286g
  • PD-A520 315g

ちなみにロード用SPD-SLペダルの重量を眺めてみます。

  • PD-R9100 (Dura-Ace) 228g
  • PD-R8000 (Ultegra) 248g
  • PD-R7000 (105) 265g
  • PD-R550 (Tiagra) 310g

こう見るとPD-ES600の279gという数字は105グレードのPD-R7000よりは重いのですが、MTB用のSPDの世界では最軽量なのです。見てみましょう。

  • PD-M9100 (XTR) 310g (Short) / 314g (Normal)
  • PD-M9120 (XTR, ケージ付きモデル) 398g
  • PD-M8000 (XT) 343g
  • PD-M8020 (XT, ケージ付きモデル) 408g

これらは両面SPDなので重くても当然ではありますが、PD-ES600の279gという重量がいかに軽いかがわかります。ペダル自体軽量であることも魅力なのですが、最近組んだグラベルがどうしても総重量がかさんでしまい、やはりある程度軽量化したいという思惑もありました。

気になる実測重量はというと…

最軽量SPDペダル・SHIMANO PD-ES600を試してみた

281gと公称値より2g重くなりました。量る前にシャフトにグリスを塗ったからかな? まぁ全然平気です。しかしPD-A600の286gというのもほぼ誤差みたいな軽さなので、そもそもPD-A600がSPDペダルとしては異次元に軽量な製品だったということも言えます。

実際に使ってみて

では実走です。うーん、これ…キャッチしづらい。自然とペダルの爪先が上を向いてくれるTIMEのペダルを長年使っている身としては、このキャッチのしづらさはなかなかストレス。しばらく使うと変わってくるかもしれないけど、表と裏のどちらを向きやすいかというのはないみたい。グリスがかなり多く入っている感じなのでそのせいかな。

最軽量SPDペダル・SHIMANO PD-ES600を試してみた

靴底の感触でペダルが上を向いているか下を向いているかも感じにくい。慣れてくるとクリートの金属とペダルの上面が接触した時に「あ、上向いてるな」と少しだけわかるけど、ペダルの裏も金属なので間違える時もある。ほぼ判別がつかない。

最軽量SPDペダル・SHIMANO PD-ES600を試してみた

数kmのライドで裏側にはあっという間に上のように傷が付きます。1日の終わりではボロボロになってました。まあこれは個人的にはどうでも良いことなのですが、気になる人は気になるかも。塗膜が薄いんだろうか。樹脂製のケージのタイプも出てくれると表か裏の違いも感じ取りやすいような気がする。

と、キャッチの難しさはマイナスポイント。やっぱりSPDは両面タイプがいいかな…

しかしです。軽量なだけあって回した感じはメッチャ軽いです。ストップアンドゴーは若干ストレスだけれど、走ってる時の爽快感は素晴らしい。

継続使用するかどうかは、もうしばらく使ってみてクリートキャッチに慣れられるかどうかで決めることになりそうです。バイク全体の軽量化にも一役買っているので、慣れられたらいいな… もし慣れられなかったら、結局XTRということになるかもしれません。

あ。というか、いまメインのロードにXTR PD-M9100をセットしているんだった。これはライド中の散歩を歩きやすくするため。この記事で書きました。

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でもグラベルを本格稼働するようになったらペダルの脱着頻度はそっちのほうが多くなるはず。するとペダルを外さない時間が長いであろうロードにPD-ES600を、グラベルにPD-M9100という組み合わせのほうが自然かもしれない。今度やってみよう。

PD-ES600はどんな人に向いている?

数十kmだけ乗った上での感想ですが、次のように言えると思います。なお、SPDを選ぶという前提。

PD-ES600が向いているのは、

  • バイク全体を軽量化したい人
  • 脚の回転に軽さを求める人
  • 予算が限られている人

両面SPDで最も軽量なXTR PD-M9100は¥12,400。PD-ES600は¥7,480。だいぶ違います。両面SPDのラクラクキャッチを諦めてもいいのなら、全然アリな選択肢だと思います。キャッチの難しさを減点すると個人的には星3.5という感じですが、走行中のペダリングの軽快感に限って言えば星4.5は問題なく行けるペダルです。

著者
マスター

2007年開設の自転車レビューサイトCBNのウェブマスターとして累計22,000件のユーザー投稿に目を通す。CBN Blogの企画立案・編集・校正を担当するかたわら日々のニュース・製品レビュー・エディトリアル記事を執筆。シングルスピード・グラベルロード・ブロンプトン・エアロロード・クロモリロードに乗る雑食系自転車乗り。

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