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Dahonでパキッという異音が出る場合の調整方法

Dahon K3というミニベロに乗っているのですが、坂道や発進時に大きいトルクがかかると、ハンドル回りから「パキッ!」とか「ペキッ!」といった音が聞こえるようになりました。チェーンリングのボルトやペダルの状態などを調べて増し締めしたものの、この異音は解消せず。

Dahon K3

便利すぎるミニベロ・Dahon K3。乗りすぎて何か緩んできた!?

調べてみるとDahonはK3に限らず、ヘッドセットが緩むことでこの異音が発生するようです。

ヘッドセットねじを増し締めする

Dahon K3のハンドルポストを折るとこんな部品が露出します。写真中、矢印で示した10mmの六角穴と6mmの六角穴のボルトをいじることで、この「パキッ!」という異音を解消することができます。

Dahon K3のヘッドセット

この2つのボルトをいじります

まずはこの6mmのボルトを緩めます。これは「ハンドルポスト・クランプ」と呼ばれる部品を締めているもので、最初にこれを緩めなければいけません。かなり緩くしても大丈夫です。

Dahon K3のヘッドセット

6mmのレンチでゆるめます

6mmボルトを緩め終わったら、上にある10mmのボルト(ヘッドセットねじ)を増し締めします。このヘッドセットねじの緩みが「パキッ」という異音の原因です。

とりあえずどのくらいの強さで締められているのかチェックしよう、ということでLIFELINEの安価な10mmアーレンキーを引っ張り出してみました。

Dahon K3のヘッドセット

10mmのレンチで締め直します

しかしなんと、このLIFELINEの10mm、このボルトに入りません。工具側が微妙にでかいのと、Dahon K3側の穴がかなりギリギリなので全く入りません。へぇ、こんなことがあるんだ。

いずれにしても最終的にはトルクレンチで締めるので、そちらを使うことにします。ちゃんと10mmのビットも入っています。

トルクレンチ

この作業はトルクレンチを使ったほうが良いです

このビットはきれいに入ってくれました! ただやはりK3のこのボルト穴、余裕が全くないので、レンチを回す前にしっかりビットが入っているかあらためてチェックしたほうが良いです。ちゃんと入っていないとナメてボルトをダメにしてしまいます。

Dahon K3のヘッドセット

規定トルクは6.8-11.3Nm

規定トルクは、ダホンのオーナーズ・マニュアルによると6.8-11.3Nmとされています。緩んでいるわけですから、上限の11〜12Nmの真ん中あたりで締めました。

Dahon K3のヘッドセット

6mmボルトも11.3Nmが規定トルク

最後にハンドルポスト・クランプの6mmボルトも締めます。これも規定値は11.3Nm。どちらのボルトも11.3Nmと覚えておくと簡単でいいんじゃないでしょうか。ちなみに11.3Nmというのはそこそこ大きめのトルクだと思います。

再発するならロックタイトも併用

さてこの結果、踏み出した時や、段差を乗り越えた時、坂道で踏ん張っている時に鳴るようになったあの「パキッ」という異音がすっかり消えました。やはり原因はヘッドセットの緩みでした。

なおダホンのオーナーズ・マニュアルでは、ボルトを締め直す前にロックタイト222または224を塗ることを推奨しています。私は今回ボルトを増し締めしただけですが、すぐに異音が再発するようであればロックタイトを併用したほうが良いと思います。

振動を拾いやすい小径車なので、ヘッドパーツまわりが衝撃で緩みやすいのは仕方ないと思います。ハブをはじめとする駆動系も寿命が短くなるので、たくさん乗る場合はこまめなメンテナンスが必要になってきます。

いや、ちょっと待てよ。ブロンプトンは何千km乗ってもヘッドパーツが緩んだりしないぞ…? ハブも駆動系も至って健康そのもの。

…まぁ、これはブロンプトンがすごすぎるのかもしれません(ちょっと重いけどね)。

さて、普通こうした自転車だけに乗る方にはトルクレンチのような「専門的な感じがする工具」は不要かもしれないのですが、ダホン乗りの方に限って言えば、持っておいたほうが良さそうです。私が使っているものは下の「CYCLISTS トルクレンチ」という安いものですが、パーツ交換作業でも大活躍するので持っておくことをおすすめします。

著者
マスター

2007年開設の自転車レビューサイトCBNのウェブマスターとして累計22,000件のユーザー投稿に目を通す。CBN Blogの企画立案・編集・校正を担当するかたわら日々のニュース・製品レビュー・エディトリアル記事を執筆。シングルスピード・グラベルロード・ブロンプトン・エアロロード・クロモリロードに乗る雑食系自転車乗り。

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