バッグ製品レビュー

Topeak TetraRack R2を試してみた 積載量を除けば完全に合格点の良きラックだった!

4.5

キャリア用ダボ穴(アイレット)がないフレーム・フォークにも装着できる夢のキャリア・ラックとして注目を浴びたTopeak TetraRack(テトララック)。今年の春に下の記事で紹介したところ大反響。これ、気になった方かなり多かったみたいですね。

TOPEAK TetraRack もうダボ穴の有無でバイクを選ぶ必要はない?
TOPEAK(トピーク)の2020年新製品にTetraRack(テトララック)というものがあります。まずは下の画像をご覧下さい。ダボ穴のないCervélo ÁSPERO(サーベロ・アスペロ)の前後にラックが装着されています。これがTOPEA...

私のグラベルロードはどれもキャリア用のアイレットがあるのですが、ちょっと特殊な用途(後述)で活躍するのではないかと思い、「ロードバイクのリア用」である「TetraRack R2」手に入れて試してみました。

TetraRackにはロード用とMTB用、フロントとリア用があります。詳細は上の記事で説明してあるので読んでみてね!

最初に結論を書きます。ちょっと高かったけど合格!良き!おすすめ!

インストール前に仕組みを理解しよう

まずこれがTetraRack R2の全体像です。本体とライト(またはリフレクター)マウントと取扱説明書が入っています。ライトマウントは、実は普通なら入っているようなボルトが2本入っていなかったので本記事では紹介しません。取扱説明書にも誤記があったので(オンライン版の取説では修正済み)、私が買ったものは初期ロットなのかもしれません。

Topeak TetraRack R2

Topeak TetraRack R2 :Rはロード用 2はリア用

シートステーにインストールする前に、まず全てのボルトを緩めます。これは一般的なリアキャリアのボルトを最初は仮止めにしておくのと同じです。最後に全部本締めします。

Topeak TetraRack R2

まず全てのボルトを緩めます(ナメやすいネジなので注意)

シートステーにはベルクロストラップで巻きつけます。なかなか立派で丈夫なストラップです。この片側がフックになっているので便利です。

Topeak TetraRack R2

片側はフックになっていて便利

このストラップを巻きつける前に、下の画像の2.5mボルトを限界まで緩めておきます。その上でストラップを締め上げて、その後に2.5mmボルトを少し締めていくと、接続されているプレートが上に引っ張られていって、ダメ押しの固定力が得られるという仕組みです。ガタ、というか余分な緩みを取ることができます。

Topeak TetraRack R2

2.5mmボルトでダメ押しの固定ができる

ただし取説ではこのボルトは締めすぎないようにとの注意書きがあります。プレートの外側の樹脂ケージが凹んでしまうから、らしいですが、下のサーベロ・アスペロのように本来はサポートされていないカーボンフレームでR2を使われてしまった場合用のディスクレイマー、という気もします。

取説によると、TetraRack R2はカーボンフレームでの使用を推奨しないそうです。フロントフォークに取り付けるR1については特に記載はなかったので問題ないでしょう(最近のスチールバイクはカーボンフォークが普通だったりしますし、太いですからね)。

そしてこの2.5mmボルトですが、私の取説には3mmと書かれているのです。現行の取説では修正されているようですがご注意下さい。

さらにちょっと書いておきたいのですが、このラックで使われている2.5mmボルトのネジ穴が微妙な寸法で、私が愛用しているホーザンの2.5mmだとなかなか入りません。このラックに付属するトピークの2.5mmレンチならなんとか入りますが、ちょっとキツめなので、丁寧に作業しないとネジ穴がナメてしまうと思います。

個人的にこの2.5mmボルトは作業性が非常に悪く印象が悪いのですが、もしかすると「締めすぎないように」というトピークからのメッセージ…だったりして?

閑話休題。天板は固定ボルトを緩めると前後にスライドします。水平が取れていない場合はこのボルトを緩めて調整します。

Topeak TetraRack R2

天板はスライドできる仕組み

なお後述しますが、これらのボルトを緩めたり締め直したり…という作業は、同じバイクで運用するのであれば最初の一回だけで済む場合もあると思います。手で締め上げたストラップから緩みを取る場合に2.5mmヘックスレンチが「あったほうが良い」場合もあると思いますが、なくてもなんとかなる、という印象です。

実際にバイクにインストールしてみました。見た目、カッコよくて気に入りました! トピークのラックの中ではいちばんカッコいいのではないでしょうか。後方に伸びているパーツは樹脂製でそれほど重くはありません。ここにライト類を付けることができるわけです。

Topeak TetraRack R2

見た目はカッコいい!(※調整前の写真のためかなり高い位置になっています。現在はかなり下げています)

なおTetraRack R2の重量は、実測で879gでした(ボルト込み、ライトマウントを除く)。公称重量は870gでしたが、まぁ許容範囲でしょうか。TOPEAKスーパーツーリストDXの実測重量が856gなので、14gほど重くなる感じです。

Topeakのトランクバッグを付けてみた

まずはTopeakのMTXトランクバッグDXを付けてみました。これはTOPEAK「MTXトランクバッグDX」が便利すぎて感動した話という記事でも紹介したのですが、正直あんまりカッコ良くはないのですがメッチャ便利なバッグです。TetraRack R2は当然、MTXという合体システムに対応しています。問題なく装着できました。

Topeak TetraRack R2

当然TopeakのMTXシステムに対応する

ただ気を付けたいのが、上の写真でもわかると思いますが黄色いツメの「かかり」がトピークの他のラックよりも甘いところ。上の写真だときちんとハマっていないので外れる可能性があります。

下の写真のようにツメがきっちりパイプを噛むまで上げる必要があります。同じTOPEAKのスーパーツーリストDXやエクスプローラー・チューブラーラックであれば、ここは神経質になる必要はなくて、わりと適当にカチッとはめておいても問題ないのですが、テトララックの場合はちゃんとハマっているか目視確認したほうが良いです。

Topeak TetraRack R2

ツメがかかりにくい感じなので注意

MTXトランクバッグDXにカメラや鍵や財布やスマホやドリンクを積んで走り回りましたが、固定力的には全く違和感も問題もありませんでした。

Ortliebのパニアバッグを付けてみた

次にトピーク製でない一般的なパニアバッグが付けられるかどうか。これ気になりますよね。というわけでオルトリーブのバックローラー・シティをひっかけてみたところ… 大丈夫でした! 問題なく使えます。

Topeak TetraRack R2

伝統的なパニアバッグも使用可能。オルトリーブのバックローラーは装着できた

ただ、片側のフックをかけられるスペースが限られています。下の写真でわかりますが、前方側は狭いです。後方側はかなり可動域があります。いずれにしても、少なくともオルトリーブ製品は使えるような設計になっていると思いました。

Topeak TetraRack R2

パニアバッグ用フックの片側のスペースは限られている

バックローラーの下にあるこのフックも、きっちりTetraRack R2のパイプにはまります。

Topeak TetraRack R2

下側でもバッチリ固定できる

このパニアバッグをひっかけて走ってみても固定力は全く問題ありませんでした。どうも使いにくい、という感じは皆無です!

最大積載量9kgがネックか

基本的には合格点を与えられる、良いラックです。最初は「えっ取り付けのたびにヘックスレンチが要るの… それ面倒臭い…」と思ったのですが、全部のボルトを緩めて締める、というのは初回だけで、あとはラックを付け外しする時にストラップの増し締めで2.5mmが必要になるくらい。そしてこの増し締め作業は、私のような用途では特にやらなくてもOKかもしれません(あくまで私の場合)。

最大積載量が9kgと少なめなのがネックでしょうか。たとえば同じトピークのスーパーツーリストDXであれば26kgまで積載できるので、その半分以下です。たくさん荷物が入ったパニアバッグを両サイドに… という用途には向かないでしょう。

しかし個人的には

普段はキャリアを付けっぱなしにしているけれど、今日は車体を軽量化してスポーティーな走りを楽しみたい!

という時にベルクロをベリベリッと外すだけで一瞬で荷台のない自転車にできる、というのは大きい魅力。

さらに、これはこれから試す予定なのですが、TetraRack R2があればキャリア付き自転車の輪行がとってもラクになるんじゃないかと思います。取り外したテトララックをトップチューブの上にカパッとハメれば容積が増えません。勿論トップチューブが傷付かないように保護する必要はあると思いますが、キャリアなしのグラベルロードをパッキングした時と同じ容積に収めることができるはずなんですね。

それは普通のリアキャリアでも、やろうと思えばできることではあるのですが、金属のボルト4本を外して付け直して… というのに比べると作業性は段違いです。何泊かする自転車旅行ならそういう儀式は厭わないのですが、せいぜい1泊2日程度だとそこまでするのはなぁ、という感じです。

私の場合はいまのところパニアバッグを2つ積んで何泊もツーリング… という予定はないので、当分このTetraRack R2をメインのラックとして使っていくことになりそうです。

使いやすい。不安定なところもない。というか耐荷重9kgを超えない範囲なら不安定になりようがないリアキャリアだと思います。

あとカッコいい。ボルトがやや使いにくいし、あまり重いものは積めないし、値段も1万円オーバーでちょっと高めではあるのですが、私の場合ではいつでも簡単に着脱できる点、輪行でも便利に使えそうな点が大きい魅力です。

著者
マスター

2007年開設の自転車レビューサイトCBNのウェブマスターとして累計22,000件のユーザー投稿に目を通す。CBN Blogの企画立案・編集・校正を担当するかたわら日々のニュース・製品レビュー・エディトリアル記事を執筆。シングルスピード・グラベルロード・ブロンプトン・エアロロード・クロモリロードに乗る雑食系自転車乗り。

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