TOPEAK(トピーク)の「MTXトランクバッグDX」という製品を手に入れました。トピークのリアバッグ・パニアバッグはシステムや型番がぱっと見た感じわかりにくいので、下の記事で詳しく観察してみました。
その結果いま自分が使いたいものが「MTXトランクバッグDX」だったので、早速入手。本記事では簡単な使用感を紹介します。
外観・特徴・収納力
MTXという簡単着脱システムに対応したリアバッグです。メインコンパートメントを上方に拡張できるタイプ(DX)で、やや大きめのサイドポケットがあるタイプ。サイドポケットがパニアバッグのように展開できるタイプではありません(※amazonのレビューでこの製品をDXPと間違っている方がいますが、本製品はサイドバッグ内蔵ではありません)。
サイドには巨大なTOPEAKロゴがあります。めっちゃインパクトのあるエンボス加工ですw 「MTX」の黄色い文字がアクセントに。非常に主張の強いデザインなので好みは分かれるでしょう。個人的にはもう少しおとなしめが好みなのですが、使いやすい製品なら仲良くできると思います。
上から見たところ。ハンドルがあるので輪行時などに助かります。ゴムバンドもありがたい。旅先でもらった旅行ガイドなどをとりあえず突っ込んでおけますね(※ヘルメットはさすがに入りません)。
背面にはボトル用のポケットがあります。エクストラボトルを入れても良し、ツールボトルを入れても良し。ウィンドブレーカーやinバー的なおやつを入れておいても良いですね。宿泊を伴う輪行では衣類やお土産を入れることもできるでしょう。
DXシリーズのサイドポケットはEXシリーズよりも容量が大きいと言われています(というかEXのサイドポケットはほぼオマケのようなものらしい。紙のようなものしか入らないという声も)。
DXPやEXPになると中にパニアバッグとして展開できる袋が入っているのですが、このバッグのサイドはただのポケットです。容量は期待していたほどではなかったのですが、写真のように500mlペットボトルを入れてジッパーを閉じることはできます。衣類のような柔軟なものならわりと詰め込むことができそうです。
内部は仕切りで2つに分割できます。試しに右側にパンケーキレンズ付きのマイクロフォーサーズカメラ(OLYMPUS OM-D E-M10 III、紹介記事)を、左側に横型軽量輪行袋TIOGA H-ポッド(紹介記事)と輪行小物一式(ローターカバー・スプロケットカバー・バンド類)の入った袋を詰め込んでみました。
まだまだ余裕でモノが入ります。というわけで輪行時によく携帯するABUSチェーンロック1500(60cmモデル)と、財布、スマホを入れてみました。スマホは上フタ裏の小物入れがちょうどよく収まる感じです。
↓ ABUSチェーンロック1500(60cmモデル)は非都市部への輪行時の私の標準ロックです。Cropsスパイダーよりは見た目の抑止力があり、30分程度のランチなら安心して使えています。
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まだまだ入ります。このDXというタイプはサイドのジッパーを開くと上の部分がアコーディオンみたいに拡張できるのです。というわけで、カステリのウィンドブレーカーを投入。山岳サイクリングでのダウンヒルでは必須です。
さらにお泊りセットを追加。この記事で紹介した愛用中のLe Coq Sportifの7分丈パンツと、今後の運用も想定して秋用長袖ジャージも入れてみました。
おお、閉じた閉じたwww これはサイドポケットに何も入っていない状態で、なおかつメインコンパートメントは上手に収納すればさらにパンツや靴下、歯磨きセットも入ります。
さすがに11インチノートパソコンは無理なのですが、Fire HD 8くらいなら入ります。1泊サイクリングなら余裕。私のようにカメラを入れないのなら2泊分の荷物も全く問題ないでしょう。思ったよりモノが入ります。
自転車への取り付け
amazonの本製品レビューでは「MTXシステムの黄色い爪が外れる」という書き込みがあったので少し心配だったのですが、私の自転車では今のところ問題は発生していません。ちなみに使用リアキャリアはTOPEAKスーパーツーリストDXという製品です(記事あり)が、しっかりハマっていて外れそうな気配はありません。取り外す時は黄色いパーツを上から押すだけです。
ただ、この爪が嵌合する部分がサドルの直下にあるような場合は要注意です。私は購入前に製品画像をじっくり眺めて、自分のバイクであれば恐らくサドル後端の真下あたりに爪がきてしまうだろうと予測していました。胴長短足なのでシートポストをあまり上げられないのです。
ですがこのバッグは前方が前下がりになっています。なおかつ、ハードシェル構造ではないので若干サドルと干渉しても上面がうまく潰れてサドルの下に入ってくれるのではないかと踏んでいました。結果的には思惑通り。下の写真のように問題なかったです。ペダリングにも影響はありません。
どうしても干渉してうまく行かない場合は、ポジションを犠牲にしてサドルを少し前に出すか、Astuteのような薄いサドルを使うといった工夫が必要になるかもしれません。
参考 Astute STARLINE VT 「薄さ」と「狭さ」が際立つ唯一無二のサドル
キャリアに載せると想像以上にデカかった
ところで御覧ください。このデカさを。デカい… 存在感ありすぎww
キャリアに取り付けてみると想像以上のデカさでした。このあたりは完全に意見が分かれると思いますが、バイクの美観は損なわれることのほうが多いでしょう。スポーツバイクというより実用車に近い雰囲気になります。
カーボンフレームよりもアルミ、アルミよりもスチールバイクのほうが似合います。
モノが取り出しやすい・運びやすい
このバッグを運用しはじめてすぐに感心したのはモノの取り出しがとにかく簡単であるということ。カメラを取り出す時もそうですし、スマホや財布、鍵を取り出す時も、オルトリーブ・バックローラーのようなパニアバッグよりも早く、簡単です。
サドルにまたがったまま後ろを向いてジッパーを開き、小銭入れやカメラを取る、ということが可能です。サドルバッグではこうは行かないし、リュックの場合は一度おろして…ということになりますが、その手間がありません。メッチャ快適です。
バイクから離れる時はワンタッチで爪を解除して取り外し。荷物一式を運べます。
輪行時も上のハンドルを持ったり、付属のショルダーストラップで肩掛けできます。膝の上にのせて困らないくらいの幅で、バッグの上でスマホを見たりできるので電車での移動時でも便利でしょう。
使いやすさ、という意味では抜群。★★★★★です。
短所
短所らしいところがあるとすれば、このバッグ自体の短所ではないのですが、高い位置で重い荷物を運ぶことになるのでやはりライドの軽快さはスポイルされます。これはもう諦めるしかないかな、と思います。
同じ重さの荷物を運ぶにしても、より低い位置で運べるパニアバッグのほうが走行感はいいです。バッグに荷物を付けず、バックパックやヒップバッグで運べばもっと良いのは当然ですが、この夏の暑さではバックパックはやはり厳しいものがあります。
というわけでスポーツバイクの軽快な走行感はある程度スポイルされてしまいますが、背中の蒸れる夏場はこのシステムでロングライドを楽しむというのは十分ありではないかと思いました。
もうひとつの短所は、これは私の脚の短さに起因することですが、フィジークのサドル下にLUMOのようなICSライトを装着できないこと。リアキャリアやこのトランクバッグ自体にもリアライトは取り付けられるので困りはしないのですが、一応そこは注意。
総括
総括するとこの「MTXトランクバッグDX」、使い勝手は抜群です。収納力も十分。そして何と言ってもモノが取り出しやすい。この荷物へのアクセスの良さはバックパックにもサドルバッグにもパニアバッグにもない大きいアドバンテージ。これは正直感動しました。
一方で高い位置に重心が来るので走りの軽快さはやや失われます。あとは存在感ありまくりなのでバイクの美観にこだわる方には向いていないかもしれません。
通勤通学には間違いなく便利でしょう(ただしレインカバーは別売りです)。輪行でも大活躍すると思います。1泊のサイクリング旅行でもバッチリ。このバッグがどストライク、という方は結構いるんじゃないでしょうか。万人にはおすすめできませんが、私はかなり気に入りました。
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