ライト関連製品レビュー

Fizik LUMO L5 詰めの甘さを圧倒的なカッコ良さで隠蔽するニクいテールライト

4.0
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フィジークサドルユーザーなら1度は使ってみたいICS(Integrated Clip System)対応ライト、LUMOシリーズ。現在LUMO L1とL5の2モデルが存在しますが、L5のほうを入手したので紹介します。

Fizik LUMO L5

とりあえずカッコいい… しかし実際のところ、使用感や性能は果たしてどうなのか… 実はあまり良い評判を聞かないライトなのです。

LUMO L5の外観と付属品

まずは外観から行きましょう。こんな箱に入ってきました。フィジークの外箱はどれも品があっていいですね。

Fizik LUMO L5

同梱品は下の写真の通り、USB充電ケーブルとICSマウント、そしてゴムバンド(サイズ違い2本)。ICS(詳しくは後述)非対応サドルの場合はこのゴムバンドでシートポストに縦にひっかければ使えます。が、フィジークサドルユーザーでなければあえてこのライトを選ぶ理由は皆無、と断言します。

Fizik LUMO L5

まずは内蔵のリチウムポリマーバッテリーに充電します。amazonのレビューには「充電中に何も光らない」という書き込みがあったのですが、私のLUMO L5はこんなふうに赤く点灯しました。ちなみにAnker PowerPort 4という急速充電器を使用しています。

Fizik LUMO L5

フル充電に必要な時間の情報を調べたのですが、フィジーク公式サイト・日本代理店サイトともに記載がありません。もうこの一点だけからも伝わってきます。

細けぇこと気にすんな! そんなことよりカッコいいだろこのライト?

というメーカーの姿勢が…(※ただの推測です)。

あとUSB充電口のゴムカバーがめっちゃ入れにくいです。このライト、防水性能に関する記載が公式サイトに一切ないので恐らく非防水でしょう。USB端子にゴムをねじこむような感じになっているのはそのせいかと思われます。

Fizik LUMO L5

端子にこの柔らかいゴムを入れるのは難易度高し

もう絶対に水が入ってほしくない感じですw 手抜きしてちゃんと入れないと壊れそうで怖い。

ICSでのサドルへの装着

さて、ICS(Integrated Clip System)の話です。日本語にすると「統合クリップシステム」という意味のISCですが、何に何を統合するかというと、フィジーク製のサドルにICS対応ライトやサドルバッグを統合できるんですね。サドル下にICSマウントを差し込めるスロットがあって、見た目スマートにそれらを取り付けられるわけです。

下は付属のICSクリップをLUMO L5に装着した様子。これは上下があり、スイッチと反対側(写真下)をまずはめます。

Fizik LUMO L5

その後、パチン! と思い切ってスイッチ側を押し込みます。最初上下の向きを間違ったり、向きが正しくてもなかなか入らず、無理に入れたら壊れないか心配でしたが、この手順でうまくいくことがわかりました。付属の写真による説明書はあまりわかりやすくありません。

Fizik LUMO L5

あとはフィジークのサドルにはめるだけです。水平に押し込むだけです。これも感覚をつかむまでは若干入りにくい感じでした。

Fizik LUMO L5

ブラケットごとライトを取り外す時はサドル下に手を入れて、大きいツメを上に押し上げるだけです。

ライトだけを外したい時は、ライトを上方向に持ち上げると「パキッ」という音がして外れます。

人によってライトだけ取り外す派、ブラケットごと外す派にわかれるようですが、個人的にはブラケットごと外したほうがラクなので充電時はそのようにしています。

明るさ・視認性・配光の傾向

明るさを見ていきます。下の写真はHighモードの点灯ですが、結構明るいように見えますよね。でも実際の印象は、これよりちょっと暗いです。街中では必要十分な性能はあると思いますが、強烈なアピール度を誇るCATEYEのテールライト群に慣れている我々日本人には物足りなさはあるでしょう。

Fizik LUMO L5

そして少し残念なのが横方向の配光がやや少ないこと。とはいっても、それもCATEYEのOMNIシリーズなどとの比較での話。使えないライトかというとそんなこともないと思います。横配光、ゼロではありません。

Fizik LUMO L5

暗いトンネルをいくつも通るならもっと明るいライトのほうが良いと思いますが、街中を走るならまずまずの性能と言えるでしょう。高輝度とは決して言えないライトですが、最大の長所はやはりこのカッコ良さ。

Fizik Antares R3 with LUMO L5

Fizik Antares R3にLUMO L5を装着の図

スマートでカッコいい。もうそれだけです。このカッコ良さのためだけに全フィジークサドルユーザーが1度は使ってみなくてはならないライトと言えましょう。

最大の欠点

しかしこのLUMO L5、最大の欠点があります。それは「スイッチがやたら固い」ということです。L1も同様らしいですが、ちょっと強めにボタンを押す必要があります。

ただ、CBNレビューやamazonレビューを読んでいると「ライトを外して両手でしっかり持ってスイッチを押す必要がある」という感想があるのですが、そこまでとは私には感じられません。サドルにつけたままボタンを押して電源ON/OFFが可能です(でも乗りながらは無理)。もしかするとマイナーチェンジで若干改善されたのかもしれません。

押しにくいことに変わりはないです。そして電源ON/OFF時はボタンを押してから反応するまでタイムラグがあるので余計固い印象を持ってしまいます。モード切替時は普通の早さで反応してくれます。

LUMO L5と上位モデルLUMO L1の違い

発光モードですが、LUMO L5の場合は点灯がHi/Lowの2パターン。点滅がCATEYE製品で言うところの「ハイパーコンスタント」的なものと、FAST/SLOW点滅の3パターン。合計で5つのパターンがあります。

フィジーク公式サイトを見るとLUMO L5は点滅と点灯の2パターンと書いてあるので、恐らく仕様変更で5パターンになったのかもしれません(公式サイトの情報アップデートしてくれ…)。L5付属の取説を見てもやはり”2 Modes”とあります。売る気あるのか…

そして上位モデルのLUMO L1は、この5パターンに加えて「白色カーテシーランプ」モードが加わります。緊急時に手元を照らせるようなモードです。さらにL5はLEDが1列ですが、L1は2列でだいぶ明るくなるようです。そのあたりを下の表にしてみました。

LUMO L5 LUMO L1
LED 1列 2列
光束 2ルーメン 17ルーメン
モード 点灯x2, 点滅x3 点灯x2, 点滅x3, 白色カーテシー
バッテリーライフ 240分 (ハイモード) 180分(ハイモード)
重量 36g(ブラケットなし実測) 36g(カタログ値)
実勢価格 ¥2,326 ¥3,081

LEDが1列から2列になると2ルーメンが17ルーメンになるというのも謎。本当なのか…

それはさておき、こうやって見ると、バッテリー持続時間はL5がハイモード点灯で4時間、L1が3時間です。明るい分L1のほうが1時間短いですが、個人的には充電頻度を考えると3時間も4時間も大差ない気がするので、より明るいL1にしておけば良かったかな、と今になって思います。

LUMO L1についてはなどかずさんによるCBNレビューがあるのでそれもあわせてお読みください。

使いやすくも高性能でもない。でもカッコいいだろう?

このライト、もう何年も前から「ボタンが死ぬほど固い」とか「光もボワーっとしている感じでライトとしては普通」と言われているのですが、基本的にそのあたりは何も改善されていないようです(笑)。

でもカッコいいだろう? フフ… (脳内フィジーク開発者談)

く、悔しい… 確かにカッコ良さは否定できない… フィジークサドルにハメた時のデザイン的な一体感・統合感はやっぱりすごくいい。それだけにボタンや配光性能や防水性などの詰めの甘さがなんとも惜しい気はします。このあたりを改善すればもっと爆発的に売れるんじゃないかと思うのですがどうでしょう。

でもやっぱりカッコいいですね。フィジークのサドルがついたバイクはいま2台あるので、もう1台用により明るいL1を買ってあげたくなりました。

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著者
マスター

2007年開設の自転車レビューサイトCBNのウェブマスターとして累計22,000件のユーザー投稿に目を通す。CBN Blogの企画立案・編集・校正を担当するかたわら日々のニュース・製品レビュー・エディトリアル記事を執筆。シングルスピード・グラベルロード・ブロンプトン・エアロロード・クロモリロードに乗る雑食系自転車乗り。

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