スエズ運河で日本の正栄汽船が所有するコンテナ船「エバーギブン(Even Given)」が座礁したことが大きい話題になっています。この船はマレーシアのタンジュンペラパス港から、ヨーロッパの海の玄関口であるオランダのロッテルダム港を目指していました。
日本時間の昨夜には離礁作業が成功したとのことで、エバーギブンは数日内にふたたび航行できるようになる模様ですが、この事故は自転車業界、そしてサイクリストの私達にも影響を与えるかもしれません。
自転車業界にも打撃 Canyonの荷物も
Pinkbikeによると、少なくともCanyonの完成車の組み立てに必要なパーツがエバーギブンで運ばれていたそうです。シマノやスラム、FOXといったパーツで、このためドイツでのバイクの組立て作業に遅延が発生しそうです。
しかし問題はそれだけに留まらず、エバーギブンで塞がれたスエズ運河を回避して、アフリカの下からヨーロッパへ向かう遠回りルートを取ったコンテナ船もあり、またエバーギブンが動きはじめてもその後ろでは数十のコンテナ船が交通渋滞を起こしています。
エバーギブンにCanyon以外のバイクブランドの荷物が積まれているかどうかは不明ですが、後続の船の中には間違いなくデュラエースやアルテグラやSRAM eTapなどを運んでいるものがあるでしょう。このためヨーロッパで組み立てられる特定メーカーの完成車、アジアからヨーロッパに送られる完成車にとどまらず、自転車パーツ単体の供給にも影響が出てくることが考えられます。
Caynonはハンドルバーのリコール問題など災難続きで気の毒ですが、今後じわじわと多くのバイクブランド、バイクショップ、エンドユーザーの私達サイクリストも被害を受ける可能性があります。
Zwiftでもエバーギブンが座礁
そんな中Zwiftのとあるレースでもエバーギブンが座礁したそうです。自転車ミーム界の権威、Feedzone Newsが伝えています。
なんでも選手たちはエバーギブンにRide on!を送りまくって「早くどけ」と励ましたのだとか。
そもそもコロナ禍で渋滞していたサプライチェーン。さらに混乱することにならないか心配です。