リフレクティブ(反射材)ウェアで有名な英国Proviz社がSNS上で行った問いかけが炎上してしまい、同社は投稿を削除し謝罪することになってしまいました。何が起こったのでしょうか?
排他的にしかならない問いかけ
Provizは11月20日、Facebookで次のような問いかけをしていました(現在は削除済み)。
Fill in the blank – Cycling in black in the dark is…….?
空白を埋めてみましょう。暗闇の中で黒ずくめのウェアでサイクリングするのは…….?
この空白を満たそうとすると「好ましくない・危険である・愚かである…」といったネガティブな内容が多数を占めそうなことは想像に難くありません。すると黒系のウェアを愛用しているサイクリストが、サイクリング・コミュニティーから自動的に排除される懸念があるわけです。ヘイトの扇動になる、という批判です。
このFacebook投稿はTwitterでも話題に。下の方は「Provizは愚かな人々を煽っている。じゃあ黒いクルマを禁止しよう」と反応しています。
Meanwhile over on Bookface @ProvizSports are stoking the fires of the stupid. Let’s ban black cars. pic.twitter.com/9f2iMIROTb
— 🚴🏻♂️Ralpha (aka Phil)🚴🏻♂️ (@2wheelsnot4) November 20, 2021
議論を開始したかった、と同社は謝罪
Provizはこの件について英国road.ccの取材に次のように応じています。
私達の投稿と、それが引き起こした不快な体験について謝罪します。誰かを怒らせるというのは私達の意図ではありませんでした。(…)この問いかけは(ランやサイクリングの)コミュニティ内で議論を始めることが目的でした。私達は常に、ポジティブでお互いをサポートするような活動の促進を目的としていますが、今回は的外れなことをしてしまい、大変申し訳なく思っています。
結果的にSNS上では「夜に黒いウェアを着用していてもライトがあればProvizのウェアより効果的だ」や「そもそも反射材ウェアはそれほど効果的なのか」といった議論がProvizのSNSアカウント以外の場所で発生しています。
同社の投稿は「様々な価値観を理解し、異なる意見の人々も受け入れよう」という昨今の「ソーシャル・インクルージョン」とは異なり、「黒はダメだ」という結論の誘導にしか見えないので、マーケティングとしては適切でなかったかもしれませんね(なおProvizは黒・グレー系のウェアも出しています。黒系ウェアでも反射材があれば視認性は維持できるという意見も多く見られます)。
▼ ウェアの視認性については下の「クルマから目立つサイクルウェアの色は何色? リフレクターも効果的」という記事で触れています。夜間の話ではないのですが、反響の大きかったCBN投稿をご紹介しています。未読の方は是非お読み下さい。