キャノンデールがコンフォート系ロードバイク「Synapse」の2022年モデルを発表しました。新Synapseは「SmartSense」という新しいシステムを搭載。レーダーやライトをインテリジェントにコントロールし、電源も1箇所から供給する独自のセーフティー・システムです。そして興味深いのは、これがGarminとLEZYNEとのコラボにより成り立っているシステムであることです。
シナプスの新モデル? SmartSense? GarminとLEZYNEが絡んでいる? と情報量が多すぎて当惑する内容ですが、早速全容を見て行きましょう。
公式 Synapse | エンデュランスレース | ロードバイク | Cannondale
参考 Cannondale SmartSense gives all-new 2022 Synapse integrated lights & radar on single battery! – Bikerumor
SmartSenseとは
以下、キャノンデール公式サイト及びBikerumorの紹介からSmartSenseの概要についてまとめてみました。
- SmartSenseとはCannondale, Garmin, Lezyneのコラボによる独自のセーフティーシステムである
- ダウンチューブ下部に装着するバッテリーがライトシステムとレーダーに有線で接続
- 専用ライトはLEZYNEが供給
- 専用レーダーはGarminが供給(Garmin Varia)
- SmartSenseシステムはとりあえず最新のSynapse完成車に搭載される
- 電源はGarmin Varia Core(3450mAh)が供給し、取り外して充電可能。取り外してスマホ等の他のデバイスへの給電も可能
- バッテリーパックは178g。USB-Cで3時間でフル充電する
- Garmin Varia Coreバッテリーパックはライド中に電動コンポやヘッドユニット(サイクルコンピュータ)には給電しない(Di2のシートチューブバッテリーの代用にはならない)
- Synapse RLE (Radar, Lights, Electronic drivetrainの略)モデルではLezyneの前後カスタムライトが搭載され、リアライトはGarmin Varia Radarと統合されている
- Varia RadarはRDU(レーダー・ディスプレイ・ユニット)またはキャノンデールのアプリRide Screen、または対応するANT+のヘッドユニット(Garmin, Wahoo, Hammerhead)と通信する
- RDUの表示(背後からのクルマの接近状況によるグリーン・イエロー・レッド等)に応じてリアライトの動作をプログラムできる(プリセットでは高視認性・トワイライト・パワーセーバー・パルスという4つのモードがある)
- 専用のホイールセンサー(フロントハブ付近に設置)が動作を検知するとシステムが起動する
- 6分間無動作だと電源がオフになり、2週間無動作の場合にシステムがディープ・スリープモードに入る
- システムがトンネルや陽の当たらない林道といった低照度条件を感知するとライトの明るさを自動調整するモードもある(アプリでON/OFFやカスタマイズ可能)
- 新しいSynapseにはRLEモデル以外にメカニカルシフトの「RL」や、GarminのレーダーはないがLEZYNEのライトは搭載する「L」モデルもラインナップされている
- 最もハイエンドのモデルにはHollowGram SAVEシステムバーが搭載されており、RDUとヘッドユニットのための一体型マウントがある(下部にライト設置可。それ以外はRDUとフロントライト用マウントが別)
- 最もエントリーレベルのモデルにはSmartSenseシステムは含まれないが、フレームが対応しているため後でパッケージを購入して追加できる
- 新しいSynapseはしなり(compliance)が最大8%向上。35mmタイヤに対応。前モデルより11%の空気抵抗を低減。サイズに応じた剛性チューニングが施され、BB30ではなくネジ切り式のBSAが搭載され、12x142mm・12x100mmの一般的なハブスペーシングとなり、ワイヤリングはインターナルだがヘッドチューブ裏とダウンチューブ上を通過する
キャノンデールがGarminとLEZYNEと手を組んで新しいシステムを構築した(しつつある)ことが個人的には驚きです。考えてみればGarminとLEZYNEにとっては自社製品ユーザーの拡大に繋がるのでメリットが大きいですね。SmartSenseシステムが普及すればキャノンデールにとってもユーザーの囲い込みに繋がりそうです。
バッテリーマネジメントについてはShimano Di2等への給電ができないのが目下のところ残念ですが、システムを考えると技術的には統合が可能であるような気もします。将来的にはDi2対応のSmartSenseへとアップデートされる可能性もあるのではないでしょうか。Di2との親和性は高そうです。
この動きに他の米国ビッグブランドのTREKとSpecializedがどのように反応するのか、あるいはしないのかも気になるところです。