COOSPO BC26の紹介記事です。スピード・ケイデンス等のセンサー類は不要で(対応していない)、走行時の基本的なデータ表示と記録のみに対応する、GPSサイコンのエントリーモデルです。読者のために「長所も短所も公平に紹介できるのであれば…」といういつものお約束のもと、COOSPO社にレビューサンプルを提供していただきました。
超エントリータイプのGPSサイコンが欲しい、または通勤や通学でスピードやおおまかな走行距離・時間、GPS軌跡がわかれば良い、という方向けの、シンプルな製品です。
設定が必要なのはタイムゾーンのみ
このCOOSPO BC26、走り出す前に必要な設定項目は基本的に「時間」(タイムゾーン)のみ。出荷時はGMT+8になっているため、日本で使う場合は本体(左下ボタン長押し)またはCOOSPOアプリにてGMT+9に変更します(詳細 > サイクルコンピューター > サイクルコンピューター設定にて)。
変更しない場合は、GPSの時刻が1時間ずれ、自動バックライトの点灯タイミングに影響します。逆にそれを気にしなければ、スイッチオンでそのまま乗ってしまっても構わないでしょう。
画面表示のカスタマイズ機能はなく、データフィールドは上下2段のみ。COOSPOアプリではユーザーの身体情報、アラーム設定(設定したスピードを超えるとアラームを出せる。出荷時はOFF設定)、本体ビープ音のON/OFF(「トーン設定」。出荷時はON)、単位表示の切り替え、のみです。なお本体左下ボタンの長押しでもタイムゾーンと単位表示の設定が可能です。
GPSデータに関しては、COOSPOアプリにStravaのログイン情報を登録しておけば、アプリとの同期時にStravaにも同期される仕組み。本体言語は日本語・英語・韓国語・簡体字中国語・ポルトガル語・ロシア語・スペイン語に対応(いずれも記事作成時点の最新ファームウェア・アプリでの動作)。
外部センサー類には対応していないので、屋内では使えません。対応衛星は昨年秋に紹介したCOOSPO BC107同様、GPS+BEIDOUのみとなっています。Garmin Edgeシリーズの10分の1以下の価格なので、精度を期待する方向けではありません。
インターフェース
本体は3つのボタンで操作します。右上ボタンは電源ONとライドの記録(衛星補足後にカウントダウンで記録開始)。短押しで記録停止、長押しで電源OFF。左上ボタンは画面の上部エリアに表示されるスピードの現在値・最大値・平均値を切り替えます。左下ボタンは画面の下部エリアの切り替えで、現在の経過時間・走行距離・高度と、オドメーターと総走行時間をトグルします。
バイクが一定時間停止すると、データ記録は自動的に一時停止します(停止させないモードはありません)。
走行時、画面下エリアには「走行距離と経過時間」を一定間隔(数秒おき)で交互に表示させられる「TIMEDST」というモードもあります。
バックライトは日没時間にあわせて自動点灯するようです(Amazonレビューでは常時点灯を思わせる情報があるのですが、私の個体では違う動作)。液晶画面の視認性は、2.3インチの大画面なだけあって良いです。デジタルカメラのファインダー越しに眺めると、リフレッシュレートが低いことがわかります。そのあたりで長時間駆動(公称20時間)を実現しているのでしょうか。
使ってみた感想
バッテリーの持ち
2週間ほど実際に使ってみた感想です。駆動時間に関しては、公称の20時間よりは若干短いかなという感じはしましたが、距離25km程度の散歩付きポタリング(昼間)で4日程度持ちました。日中にずっと乗るなら2回に1回の充電、通勤通学で週5で使うなら、走行距離にもよりますが週1の充電で行けそうな感じではあります。
GPS
起動時の衛星の補足時間ですが、都市部ではやや遅さを感じます。同じCOOSPOのBC107とXOSS G+とで同時スタートチェックしてみましたが、四隅にビルが建つ交差点ではこのBC26がいちばん遅い。BC107とXOSS G+は互角。開けた場所であればどれも同じタイミングで補足するのですが、気になる場合はあるかもしれません。
あと高度表示はこのクラスのGPSサイコンはどれもそうですが、ほとんど当てになりません。GPSの軌跡はBC107同等で、走行ルートの大まかな記録としては十分使えるでしょう。走行距離が実際より短くなるということもないようです。
サイズ・視認性
やや気になる点としては、本体がちょっと大きめかな? という点。私が試用したホワイトカラーは、最近のサイコンとしては珍しい色でかわいらしいのですが、ブラックのほうがスリムな印象を与えるかもしれません。そこはお好みでどうぞ。
サイズ感的には筆者所有のXOSS G+と厚みはほぼ同じですが、縦横の幅が一回り大きいです。しかし大画面なのでそこは当然でしょう。ちなみに画面サイズはBC107同様、2.3インチとされていますが、BC26のほうが縦は少し狭いように見えます。
しかしBC26はBC107よりもデータフィールドが少ないので、数字の視認性はこちらが有利です。左上にクロックが常時表示されているのは便利。
COOSPO BC26の基本スペック
以下、COOSPO BC26の基本スペックです。
- 重量:55g(実測値)
- 付属品:USBケーブルと簡易マウントベース、ラバーバンド
- 公称駆動時間:20時間
- ディスプレイ:2.3インチ
- サイズ(実測):L73 x W49 x H12(マウント面から上)
- マウント形状:Garmin互換
- 充電:USB Micro-B
- 防水等級:IPX7
- Strava同期:可(Strava以外の設定はなし)
実売価格は3000〜3500円。価格帯・性能的にはXOSS Gが直接の競合製品と言って良いでしょう。以下、COOSPO BC26とXOSS Gの仕様を表にしてみました。黄色でハイライトした部分が優れていると思われているほうです。
COOSPO BC26 | XOSS G | |
ディスプレイ | 2.3インチ | 1.8インチ |
表示項目 | 現在速度・平均速度・最大速度 走行距離・走行時間・総走行距離・総走行時間 標高 クロック | 現在速度・平均速度・最大速度 走行距離・走行時間・総走行距離・総走行時間 標高 勾配 クロック |
公称駆動時間 | 20時間 | 1日1時間で最大25日(25時間?) |
防水等級 | IPX7 | IPX7 |
バックライト | あり | あり |
衛星 | GPS・BEIDOU | GPS・GLONASS・Galileo |
XOSS Gは1.8インチディスプレイなので、視認性ではCOOSPO BC26が上。しかしXOSS GはGPS / Glonass/ Galileoの3衛星対応であるところが上で衛星の補足もより早い。実際の駆動時間でどちらが優位かは不明。重さはXOSS G+(Gではないほう)が実測49gなので、XOSS GよりBC26が6gほど重いでしょう。XOSS Gにある勾配(斜度)表示はBC26にはなし。
画面の大きさ・視認性の良さが自分には何より重要である、という方には選択肢になると思います。視力が弱い方にとっても非常に良いでしょう。
▼ 同じCOOSPO社のよりハイエンドな製品、BC26の紹介記事もあわせて是非どうぞ