CAT EYE GVOLT70はハンドルバーから吊り下げて使うように設計されているライトで、対向車や人に優しい上カット配光が特徴です。諸事情からこれをハブ軸付近に移動させて使ってみたので、その際の使用感をご紹介します。
取り付けはハブライトホルダーではなく、ハブ軸近くのアイレットに設置したPAULのライトマウントです。GVOLT70は吊り下げ式なので、ハブ軸からライト中心までは3〜4cmほど下がる感じです。クイックリリースで使えるハブライトホルダーでもほぼ同じ位置になるでしょう。
使いやすさに変わりなし
なぜそんな使い方をしているかというと、最近ハンドルバーバッグを導入したバイクがあり、するとライト類をハンドルにマウントするのが難しくなります(不可能ではないが面倒だったり照射角度が思うようにならない問題が出ます)。そこで暫定的にフォーク下側にライトを移動。夜のポタリングで使い勝手を検証してみました。
自転車の前から見た時の配光は下のようになり、タイヤの影がモロに出ています。しかしフォーク右側にマウントしていれば、この影は乗車ポジションからはあまり気になりません。右マウント・左側走行であれば大きい弱点にはならない印象です(ちなみに全ての写真は断りがない限りハイモードでの点灯です)。
ライドポジションから見た配光はこんな感じになります。ハンドルのすぐ下から照射範囲が広がっているのがわかります。それに何らかのメリットがあるかと聞かれたら、特にないと答えてしまうかもしれませんが、なんとなく安心感のある見え方ではあります(個人的には足元が明るいと安心感がある)。
参考までにGVOLT70を普通にハンドルバー位置で吊り下げた時の典型的な配光は下の写真のようなものです(これは別の日に撮影)。直角に近い角度で普通に吊り下げた場合ですが、中心部からバイク手前にかけてはほとんど照射されておらず、暗いですよね(だからと言って実用上困ることもあまりないのですが)。下向きにすると今度は前方に光が届きにくくなります。
もうひとつ参考画像。GVOLT70のミドルモードとVOLT800のローモードを比較すると、VOLT800のほうは足元まで見えて安心という感じではあります(それにしても絶対なパワーが違いすぎる…)。
あらためてGVOLT70のハブ軸(近くの)マウントでの配光を見ると、下から前方まで良い感じに照射されており、個人的にはハンドルバーから吊り下げるよりも好みでした(写真だと光量が足りないように見えますが、ライド中はそれほど暗さを感じません)。
すれ違う人も、ハンドルバーからの吊り下げポジションに比べると迷惑そうな反応を見せることがほとんどない印象を受けました(何度かポジションを交代してテストしました)。
都市部では必要十分な実力
GVOLT70で深夜の東京をポタリングしてみて思ったのは「都会の夜ポタならGVOLT70で十分」というものでした。VOLT800も携行して交互に使ってみたのですが、街灯のある場所でVOLT800が必要になる局面はまずなかったですね。むしろハイパワーすぎて使いづらい時さえあります。
しかし街灯のない道、たとえば荒川河川敷(東京・埼玉)などではVOLT800クラスがないと厳しい時は多いです。夜の峠道などでも、GVOLT70だと不安なところはあります。特にスピードが出ているならそうですね。近くに灯りが漏れてくる建物がなかったり、月明かりがない場合でも暗く感じるかもしれません。地方に輪行する時、私はVOLT800で行くことが多いです。
しかしVOLT800に対するGVOLT70のメリットもあります。まずランタイムが十分に長いこと。GVOLT70がハイで7時間、VOLT800は近い光量のローで8時間ですが、値段は倍違います。6000円と12800円の違いは大きい。本体はプラスチッキーで安っぽい感じもなくはないのですが、その分VOLT800より38g軽い(実測値)というメリットもあります。
街灯の少ない、あるいは全くない郊外も走る。夜のサイクリングロードや山道も走る…… それでいてライトは1本に絞りたいのであれば、やはりVOLT800がおすすめではあります。しかしVOLT800の超強力なハイとミドルが不要なら、GVOLT70はコスパが良く、軽量で、対向車や人の負担が明らかに少なく扱いやすいというメリットがあり、積極的に検討する価値があるでしょう。
夜のサイクリングは、低速でも十分に気持ちの良いスピード感を味わえるので、その意味でも夜ポタならGVOLT70クラスのパワーでちょうど良い感じがします。
▼ 暑い季節は夜ポタリングを楽しんでみてはどうでしょう!?