今日はなぞなぞのような話題です。突然ですが、お暇な方はとりあえず下の10個の文章をお読みいただけると幸いです。これは一体、何についての話でしょうか?
あなたと彼ら
- 彼らが普通なのであり、あなたは普通ではないバリエーションである
- あなたは模範的でなければならない
- 彼らがルールを知っているものとあなたは期待してはいけないが、あなたがルールについて説明すると、彼らは間違いなく怒り出すと考えておいて良い
- あなたが安全でいるための努力は、彼らではなくあなたが進んでしなければならない
- あなたに何か悪いことが起こったとしても、誰も起訴されないことがよくある
- あなたは彼らのただなかに存在しているだけで、自分の生命を危機に晒している
- 彼らのうちの何人かは、特に理由もなくあなたを嫌うことがあり、あなたは彼ら全員がそのようにあなたを嫌っていると推定しておかなければならない
- あなたの同族が、あなたのために立ち上がり、あなたに味方してくれるとは限らない
- あなたがヨーロッパにいるなら、とりわけ北欧にいるのなら、物事はもっとマシである
- あなたは彼らよりも健康的であり、彼らよりも長生きする(彼らのうちの誰かに殺されない限り)
読み替えA
次に、上の文章における「彼ら」と「あなた」を、次の単語に変換してもう一度読んでみましょう。
- 彼ら=クルマのドライバー、クルマ社会
- あなた=サイクリスト
- クルマのドライバーが普通なのであり、サイクリストは普通ではないバリエーションである
- サイクリストは模範的でなければならない(クルマのドライバーは模範的でなくとも許される)
- クルマのドライバーがルールを知っているものとサイクリストは期待してはいけないが、サイクリストがルールについて説明すると、クルマのドライバーは間違いなく怒り出すと考えておいて良い
- サイクリストが安全でいるための努力は、クルマのドライバーではなくサイクリストが進んでしなければならない
- サイクリストに何か悪いことが起こったとしても、誰も起訴されないことがよくある
- サイクリストはクルマ社会のただなかに存在しているだけで、自分の生命を危機に晒している
- クルマのドライバーのうちの何人かは、特に理由もなくサイクリストを嫌うことがあり、サイクリストはクルマのドライバー全員がそのようにサイクリストを嫌っていると推定しておかなければならない
- サイクリストの同族が、サイクリストのために立ち上がり、サイクリストに味方してくれるとは限らない(ひどい運転をするサイクリストもたくさんいる)
- サイクリストがヨーロッパにいるなら、とりわけ北欧にいるのなら、物事はもっとマシである(生命の危険を覚えることなく自転車通勤できる)
- サイクリストはクルマのドライバーよりも健康的であり、クルマのドライバーよりも長生きする(クルマのドライバーのうちの誰かに殺されない限り)
読み替えB
さらに、「彼ら」と「あなた」を、今度は次のように変換して読んでみましょう。
- 彼ら=男性
- あなた=女性
- 男性が普通なのであり、女性は普通ではないバリエーションである
- 女性は模範的でなければならない(男性は模範的でなくとも凡庸であっても許されるが、女性が模範的でなかったり凡庸だったりすることは許されない)
- 男性がルールを知っているものと女性は期待してはいけないが、女性がルールについて説明すると、男性は間違いなく怒り出すと考えておいて良い
- 女性が安全でいるための努力は、男性ではなく女性が進んでしなければならない
- 女性に何か悪いことが起こったとしても、誰も起訴されないことがよくある
- 女性は男性のただなかに存在しているだけで、自分の生命を危機に晒している
- 男性のうちの何人かは、特に理由もなく女性を嫌うことがあり、女性は男性全員がそのように女性を嫌っていると推定しておかなければならない
- 女性の同族が、女性のために立ち上がり、女性に味方してくれるとは限らない
- 女性がヨーロッパにいるなら、とりわけ北欧にいるのなら、物事はもっとマシである(スウェーデンでは女性も男性も有給育児休暇をもらえる)
- 女性は男性よりも健康的であり、男性よりも長生きする(男性のうちの誰かに殺されない限り)
執筆者について
これらの文章は、Katherine Coxという方による”How being a cyclist is like being a woman(サイクリストであることと女性であることはどのように似ているか”という2015年の記事に、本記事筆者の解釈を加え抄訳・再構成したものです。英語に抵抗がない方は是非原文もお読みいただければ幸いです(もっと深い内容が書かれています)。