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バイクパッキングとバイクツーリングって何か違うの? スタイルと言葉の変遷

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バイクパッキング(Bikepacking)とツーリング(Touring)という言葉がありますが、両者にはどんな違いあるのだろうか、という議論を海外掲示板で見かけたのでご紹介します。

bike packing

Photo by Marek Piwnicki

スレ主さんは「舗装路に留まっていてもバイクパッキングはうまくやれるでしょうか? (Can you successfully bikepack while staying to pavement?)」という、意図が少しわかりにくい質問をされているのですが、スレッドでは「舗装路だけ走っていても『バイクパッキング』をしたと言えるのだろうか?」という論点から多くのコメントが寄せられています。

出典 Can you successfully bikepack while staying to pavement?

バイクパッキングという呼称が一般化しつつある?

以下、目立ったコメントの抜粋・抄訳です。

  • それはツーリングって呼ばれると思う。呼び方のことはあまり気にせず、自分がやっていることをもっと楽しむといいよ(112いいね)
  • バイクパッキングのスピリットは、自力でやる自転車ツーリング、キャンプあり、ということだと感じる(2いいね)
  • 好きなふうに呼んでいいよ。私ならそれはバイクツーリングになるかな。バイクパッキングとは、自転車に乗っていなかったならハイキングしているであろうような場所を走ることだ。でも、言葉はあまり意味がない。バイクパッキングとツーリングの区別について、はっきりした合意はないと思うから、好きなふうに呼べばいい(20いいね)
  • バイクパッキングの語源はバックパッキング(backpacking)にあるから、バイクパッキングならオフロードでツーリングはそのオンロード型、と人は考えがちなのだと思う。でもその考え方は衒学的(=pedantic, 学術的な厳密さにこだわり知ったかぶりをする態度のこと)すぎると思う。舗装路で複数日を探検するのは超楽しいよ。特にアメリカ合衆国以外の国でのスポーツの歴史は、舗装路での活動に根ざしていることがかなりある(18いいね)
  • 「バイクパッキング」は、あらゆる種類のバイクツーリングを指す一般的な言葉になってきていると思う。いつかこれが基本用語になって「ツーリング」という言葉は使われなくなってくるんじゃないかな。オンロード vs. オフロードという区分は便利だけど(ロングトリップやショートトリップという区分も便利だと思う。パニア vs. フレームバッグなどの違いはそれほどでもないかな)、20年後のインターネット掲示板では「トレイルでのバイクパッキング」ではなく「舗装路でのバイクパッキング」をやっていると言う人がいっぱいいると思う(13いいね)
  • (※ネタコメント)それは実際完全にダメダメ。基本的に、バイクパッキングすると言うなら始終ダート・グラベル・砂を走ってないといけない。そうでなければ自転車拘置所直行だ。当局はこれについてかなり厳格だ、どこに行くかにもよるけど。私が住んでいる地域なら、まだ舗装路ができていないところだけ行くかな。南極大陸やサハラ以南のアフリカを考えてみるといい。舗装路で違法なバイクパッキングをやっていて職務質問されたら、国際資格を持つ自転車弁護士が来るまで何も喋るな。頑張れよ!(77いいね)

基本的に呼び方はどうでも良いものの、現在はかつて「ツーリング」と呼ばれていたタイプの自転車旅行を「パイクパッキング」と呼ぶ人も増えてきてはいるようです。

大きくゆる〜いコンセンサスがあるとすれば、

  • ツーリング:平坦な(滑らかな)オンロード中心で、装備はバニアバッグ等が主流
  • バイクパッキング:オフロード中心で、起伏の激しい道を走ることが多いため装備は上下振動に比較的強く、木や岩にひっかかりにくく空力的にも有利なフレームバッグ・シートパックなどが主流。キャンプを伴うことが多い

という受け止められ方をしている印象は受けます(北米では)。

▼ どちらかというと「バイクパッキング」という呼称で人が想像する(ことが多いと思われる)例

▼ オフロードを走っているものの装備的には「ツーリング」に近いタイプと思われる例

グラベルバイクとの関係

そもそもなぜこういう議論が発生するのかというと、やはりグラベルバイクの普及・一般化と関係があるのでしょう。

かつてのツーリング車(パスハンターやランドナー等)もオフロードは走っていたと思いますが、低圧運用のチューブレス大径タイヤのおかげでグラベルバイクはより状態の悪い道も走れるようになった。しかもオンロードでもそれなりに楽しめる。かつて「ツーリング」と呼ばれていた活動よりも、フィールドが広がった。

その「活動範囲の広がり」を示す意味でも「バイクパッキング」という呼称が一般化しつつあるのかなと思いました。

言葉の違いはどうでもいいとして、より悪路を、よりアクティブに、より速く走って居住装備も持ちたい、という方は「バイクパッキング」というキーワードで調べると自分に合った装備を見つける役には立つかもしれません。旅館やモーテルにも泊まりながら舗装路中心で「○○一周」をやりたいという人は「バイクツーリング」で調べると情報が多いかもしれません。最終的には自分に合った装備をミックスして、それで良し。

著者
マスター

2007年開設の自転車レビューサイトCBNのウェブマスターとして累計22,000件のユーザー投稿に目を通す。CBN Blogの企画立案・編集・校正を担当するかたわら日々のニュース・製品レビュー・エディトリアル記事を執筆。シングルスピード・グラベルロード・ブロンプトン・エアロロード・クロモリロードに乗る雑食系自転車乗り。

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