ボトル関連製品レビュー

CAMELBAKポディウムチルとELITE FLY:全く性格が異なる人気のサイクルボトル2製品を比較する

スポーツサイクリング向けのボトルとして人気の高い「CAMELBAKポディウムチル」と「ELITE FLY」の比較レビュー的な記事です。実際に使ってみると、どちらも大きい特徴・長所のある優れたボトルだと感じます。どちらを選ぶかはサイクリングスタイルによって好みが大きく分かれそうです。

CAMELBAKポディウムチルとELITE FLY

CAMELBAKポディウムチル

まずはCAMELBAKポディウムチルから。優れた断熱性により、保冷・保温性能が売りになっている製品です。保冷性能については、気温30度以上では何をどうやっても大差ない感じはするのですが、後で紹介するELITE FLYに比べると断熱性は確かに高い印象は受けます。ボディは厚めにできています。

CAMELBAKポディウムチル

しかしそれ以外の長所として、飲み口部分が挙げられます。飲む時にバルブを引き上げる必要がなく、傾けて吸うだけで飲料が出てきてくれます。あるいはボトルを強めに握ると液体が出てきます。移動中にバッグの中などに入れておく時は、ボトルが変形しても中身が出てこないようにロックする機構もあります。このフタ部分は分解洗浄が可能で、全部で4つのパーツに分かれます。

CAMELBAKポディウムチル

普通にライドしているあいだは、いわゆる「オープン」のポジションにしていても中身が不用意に漏れるということはない印象です(なおロックレバーは固いので片手での操作には不向き。でもライド中に閉じる必要もない感じです)。飲む時にバルブをいちいち引き上げる必要がないのはかなりのアドバンテージです。

使いはじめてまだまもないので耐久性については語れませんが、後述するELITE FLYと比べるとソリッドで剛性のある造りで、比較的長持ちするんじゃないかという気はします。

しかし、明確な短所(?)かもしれない点があります。私の感覚ですが、初回使用時、真水を入れて飲んでいるとややプラスチック臭を強く感じました(使う前に洗っていましたけれども)。幸い数回使ううちに臭いは感じなくなっていきました。最初だけ特に臭いがきついのかもしれません。

私が使っているのは620ml版で、実測重量は113gです。

ELITE FLY

次にELITE FLYの印象です。これは使った瞬間に「うぉ、すげっ!」と思いました。CAMELBAKポディウムチルよりも「優れている」というのではなく、用途が全然違うな、と思ったのでした。少ない力で大きい流量を得ることができて、こりゃあレーサー向きだな、とレースを一切やらない私でもわかりました。プラスチック臭は初回使用時から全くなかったところも長所です。

ELITE FLY

ボディはCAMELBAKポディウムチルよりもずっと柔らかく、ペラペラな感じがします。しかしそれが良いほうに働いていて、ちょっと握るだけで大量のドリンクが出てきてくれるのです。こりゃすごい。どのくらいもつのか知らないけど…(海外サイクリストの評価によると、水漏れはいずれしてくるらしい)。使っていて気持ち良さがあります。

ELITE FLY

もちろん断熱性はCAMELBAKポディウムチルには及びません。また、飲む時にバルブを引き上げるという手間があります。この飲み口は、歯だけで引き上げることもできそうですがやや固めで、私の場合だと指でつまんで引き上げたほうが(歯のために)安心ではあります。フタは2つのパーツから出来ていて、分解洗浄できます。

ELITE FLY

重量は私が使っている550ml版で実測50g。持った感じも軽く、柔らかさも手伝ってボトルというよりウォーターパックに近い印象を受けるほどです。もし耐久性の面で劣るとしても、使いやすさとのトレードオフとして受け入れられると私は感じました。

どちらも違ってどちらも優秀

何も考えずに吸うだけでドリンクが出てきてくれて、断熱性も良く、漏れ防止のロックもあるCAMELBAKポディウムチル。バルブを引き上げるひと手間こそあるものの、最小限の握力でドクドクとドリンクを吸収できるシンプルで超軽量なELITE FLY。どちらが優れているというより、性格が全く違う製品だなという印象を受けました。

一般的には競技・レース志向の方ならELITE FLY、ツーリング・ポタリング志向の方ならCAMELBAKポディウムチルという選択になるのかなぁ、と思いました。どちらも良い製品で、どちらかひとつだけ選べ、と言われたら私はちょっと悩みます(旅に持っていくならCAMELBAKポディウムチルにしますけれども。ヒルクラやイベントならELITE FLYかな)。

ちなみにCAMELBAKポディウムチルには水浴び向きのシャワー・アクセサリーも出ています。またELITE FLY(新型)は、ボトル本体がケージへの出し入れによる傷を目立たなくするためのデザイン(縦縞がある)になっています。

著者
マスター

2007年開設の自転車レビューサイトCBNのウェブマスターとして累計22,000件のユーザー投稿に目を通す。CBN Blogの企画立案・編集・校正を担当するかたわら日々のニュース・製品レビュー・エディトリアル記事を執筆。シングルスピード・グラベルロード・ブロンプトン・エアロロード・クロモリロードに乗る雑食系自転車乗り。

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