とても…とてもツラい思いをしました…! 以上!!!
で、終わらせるわけにもいかないので、毎度毎度まことに申し訳ございませんが冗長な駄文にお付き合いくださいませませ。
無駄に長い導入。
英国製小径折り畳み自転車であるところのブロンプトンは、とてもよく走る自転車です。しかしながら、それはあくまでも「シティサイクルと比較して」という前置きがセットになった条件下に限られます。
ロードバイク 極限までに研ぎ澄まされた人類の叡智
スピードに関係する以外のもの全てを排除した乗り物 それが自転車の頂点、ロードレーサー
ロードレーサー それは風と自由! そして健康!!!
そんなロードを比較対象にしてしまうと、ブロンプトンは「スポーティな自転車」ではあるものの、やはりシティサイクルの範疇に収まってしまう走行性能しか持って…いないのか?本当に!?
ブロンプトンで峠を越えられることは、先日のヤビツ峠登坂実験でかろうじて証明できました。じゃあ、つぎは「長距離を走れるのか?」という点を確認しなければいけません…よね?
そんなわけで「ブロンプトンで100km走ったら、どれだけツラい思いをするのか」を、自分の身体を実験台にテストしてみることにしました。
今日の格言:後悔先に立たず。
朝餃子を食べに行こう!
「美味しいものを食べること」それは自転車でツラい思いをした、最大の見返りにほかなりません。
というか「美味しいもの」をエサに自分自身のモチベーションを最大化しておかないと、こんな激しくツラい思いをすることがわかりきってるライドになんて、出かけようと思いませんよね!?
そこで横浜から100kmプラスαの距離で、美味しいものが食べられて、そのあとは輪行でサクッと帰れる場所。という条件で「宇都宮で朝餃子を食べて帰る」を選択しました。
宇都宮駅前にある「宇都宮餃子館」は、朝6時30分に店が開きます。そのうえ、宇都宮餃子と半ラーメンorご飯のセットが、税込500円(!)で食べられてしまうのです。
夜間のクルマが少ない時間帯に走って、朝に餃子を食べて輪行で帰宅する。これなら家を開ける時間が多くても家人が就寝中なので、翌日の予定に大きな影響を与えることはありません。…徹夜になりますけど。
横浜から宇都宮までは、国道15号線を経て国道4号線を延々トレースするだけで迷う心配は皆無。さらにこのルートのいいところは、「坂っぽい坂がまったく出てこない」という点。稀に橋梁やオーバーパスで上りが出現するものの、あとはフラット過ぎるほどフラットです。いやー、坂が無いって最高ですわ〜。
「コース設定が甘々すぎる!」というご指摘が、多分にあろうかと思います。デモデモダッテ、たとえば「箱根を超えて、さわやかにハンバーグを食べに行く」とかにしてしまうと、わたくし間違いなく天に召されます。これで勘弁してください!!! いくらRTされても、そんなチャレンジはしませんからね!?
ピッタシいくギアがない!
50km走っても100km走っても、走行時に感じた残念ポイントは同じ感じでした。ロードだと「ペダルを最小の脚力で回してさえいれば、速度はともかく前には進んでくれる」というギア比があります。
しかしブロンプトンには、そんな「適度な負荷で、ラクに回せるギア」がありません。「軽い」か、それとも「重い」か。6段あっても、この2択です。
いかに平坦主体コースとはいえ、ブロンプトンは小径折り畳み自転車。常にペダルにトルクをかけて、グイグイ回していないと瞬く間に失速してしまいます。ロードのように「走っていて気持ちよさを感じる」というシーンが、下り坂以外では正直なところ皆無でした。
22段あるギアが、どれだけありがたい装備なのか。そして脚力と路面状況に合わせて最適なギアが選べることの幸せを、必要以上に思い知らされました。
路面変化の影響を受けまくる!
さらにブロンプトンは、路面状況の変化にすこぶる弱いです。いや、知ってましたけど。
国道4号線の上野近辺から宇都宮まで走ってみると、総じて路面は割とイイ感じな部分が多い印象。ですが、それだけに路面が荒れている部分で受けるダメージは、ロードで走っているときを大幅に上回ります。路面がちょっと荒れるだけで、いちいち余計な脚力を吸い取られてしまう。ツラいです…。
700Cのホイールサイズとカーボンフォークのありがたみを、徹底的に実感しました。
0.5%の違いが、果てしなく大きな違いになる!
それだけではありません!なにより強烈に思い知らされるのは、ブロンプトンが「とてつもなく坂に弱い」ということ。まぁ、知ってましたけど。
横浜から宇都宮までの、国道4号線ルート。それは130km走っても獲得標高が160mにも満たない、旧海軍の軽空母を擬人化したキャラクターすら裸足で逃げ出すであろう超弩級の平坦コースです。それなのに「坂はツラい!」と、普段以上に感じました。
サイクルコンピュータが反応しないレベルの斜度でも「脚の負荷が…上がった!! 坂だ!!」ということがハッキリわかります。そして常に枯渇状態にある脚力が、ここぞとばかりに吸い取られていく。ツラいです…。
自転車生活の宿敵であり、ツラい思いしかしない場所「登り坂」。そんな坂への憎しみは、ブロンプトンで走ると増していく一方です。(「それブロンプトンのせいじゃなくて、乗り手の脚力のせいでは?」という真実を抉るツッコミ不可)
ブロンプトンで100km走って、結局どうだった?
冒頭に記載したとおりです。わかってはいましたが、ツラかった…本当にツラかったです。
平坦コースなので、脚への負荷は一定レベル。とはいえペダルの踏み込みを緩めると、途端に失速してしまうのでラクができるポイントが一切ありません。まるでZWIFTしている時のように、ずっと頑張り続ける必要があります。
ZWIFTのライドであれば、キツくても1時間もあれば終われます。だがしかし!ブロンプトンでの実走行は、これが目的地まで永続するのですよ!何時間も、何時間も!!
自分のへっぽこ脚には、もはや拷問。個人的にはロードバイクと比較して、ブロンプトンで走るツラみは2倍以上です。「ロードで200km」と「ブロンプトンで100km」なら、間違いなく前者を選びますね、ええ。
ブロンプトンで楽しく走るためには、脚力を鍛えることが必須。あらためて、思い知らされました。とはいえ脚力を鍛えるためだけにペダルを回す行為には、全然魅力を感じません。
待てよ、でもそうなると今回みたいな「キツいとわかっているコースに、無謀に突撃していくライド」を続けるほか…ない…のか!?
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