コルナゴが新モデルC64 NFTを発表しました。このバイクは世界のただ1つしかない1点物、ワンオフです。しかしコルナゴはこれをデザインしましたが、製造はしていません。この自転車は実際に乗ることはできません。そして5月11日から、約72万円スタートで競売にかけられます。一体この自転車は何でしょうか?
公式 NFT | Colnago – The Best Bikes in the World
正体は非代替性トークンというデジタルデータ
このC64 NFT、正体はモデル名の「NFT」から察せられるように、最近話題になりつつある”Non-Fungible Token”(非代替性トークン)です。仮想通貨などと同様、ブロックチェーン上に存在するデジタルデータです。誰もがこのバイクの3D映像をいつでも自由に見ることはできますが、「所有者」になれるのはただ1人のみ。
今回オークションにかけられるのはその「所有権」ということになります。
新しい概念なのでなかなか理解しにくいところがありますが、たとえばオンラインゲームなどで「自分しか持っていない武器や限定アイテム」を手に入れるようなもの、と考えるとわかりやすいかもしれません。Zwiftで他の誰も使うことができないデザインのバイクやジャージを着用する感じにも似ています(C64 NFTは乗れないけど)。
別の言い方をするとブロックチェーン上に存在するデジタルのトレーディングカード(遊戯王やポケモンカードやマジック・ザ・ギャザリング等)のようなものでしょうか。誰でも見られる、でも所有者は自分。誰でも所有できるわけではないので、そこに価値が発生し、売買の対象にもなるわけですね。
さてこのC64 NFT、このページから入札できます。最小入札価格は$7,606.85で、現在のレートでは日本円で¥827,591です。
デザイナーは日本人?
ところでC64 NFTを眺めていたら面白いことに気付きました。チェーンステーをご覧下さい。MOTOKI YOSHIOと書かれています。
MOTOKI氏はミラノ在住のデザイナーで、イタリアのデザイン・アワード「コンパッソ・ドーロ」の審査員を務められている有名な方だそうです。
海外サイクリストのC64 NFTについての感想を眺めていると「エイプリルフールはもうとっくに過ぎたぞ」とか「全くもってバカバカしい」といった内容が散見されますが、こういう面白いことを最初にやるのはいかにもコルナゴらしい感じはします(そういえばカンパニョーロとの合同エイプリルフール企画も面白いかったな 笑)。
ちなみにコルナゴの現在の筆頭株主はアブダビの投資会社。UAE Team Emirates絡みで縁があったのかもしれませんが、NFTのロードバイクを発表するとは何ともお金持ちっぽい発想ですよね。