骨伝導イヤホンで人気のAftershokz。2022年3月時点での最新モデルは「OpenRun Pro」ですが、同社製品のうち最もサイクリスト向きの製品はどれでしょうか? モデルが複数あってややわかりにくいので、ラインナップを観察して理解してみましょう。
ブランド名変更・ラインナップも整理
サイクリスト向きの製品を考える前に、まず同社のブランド名が変更され、ラインナップも整理されつつある点に触れます。ブランド名は「Aftershokz」から「Shokz」に変更されました。また製品名は「OPEN…」というものが多く、これまでの「Aeropex」から徐々に統合されていきそうに見えます。これまでよりもわかりやすくなってきましたね。
本記事時点でShokz公式サイトにラインナップされている全ての製品を以下の表にまとめてみました。主要な属性として、それぞれの用途・防塵防水性能・重量・バッテリー駆動時間も入れてみました。まずはこれをじっくり眺めてみましょう。
モデル | グレード・用途 | 耐候性能 | 重量 | 駆動時間 |
---|---|---|---|---|
OPENRUN PRO |
ハイエンドモデル (最新製品) |
IP55 | 29g | 10時間 |
OPENRUN |
スタンダードモデル (旧AEROPEXに急速充電機能を付加) |
IP67 | 26g |
8時間 |
OPENMOVE | エントリーモデル | IP55 | 29g | 6時間 |
OPENCOMM | ビジネスモデル | IP55 |
33g |
16時間 |
XTRAINERZ | 完全防水型(水泳向き) | IP68 |
30g |
8時間 |
AS801-ABT01 | テレビ用モデル | IP67 | 26g | 8時間 |
AEROPEX PLAY | 子供用モデル(頭が小さい方向け) | IP67 | 25.2g | 8時間 |
サイクリスト向きの製品はどれ?
サイクリスト及びアウトドア活動的な視点からすると、選択肢はまず 1.OPENRUN PRO 2.OPENRUN 3.OPENMOVE 4.XTRAINERZの4モデルに絞られます。
この中で水泳での使用にも対応しているのがXTRAINERZで、トライアスリートでもあるサイクリストにとってはこれ一択になるでしょう(※この製品のみ4GBストレージ内蔵のmp3プレイヤーでBluetoothなし)。
一方、自転車オンリーで考えると「OPENRUN PRO, OPENRUN, OPENMOVE」が「松・竹・梅」の3グレードとして浮上してきます。
では最新モデルの「OPENRUN PRO」が最も性能が良いのか? というと、一概にそうとも言えず、ユーザーレビューを読むと「低音は良いが高音域はあまり良い音ではなく、音が籠もる」という評価も見られます。聴く音楽のタイプによっては、OPENRUNのほうが抜けが良いケースもあるようです。CBNに参考になるレビューが投稿されているので、是非チェックしてみて下さい。
(OPENRUN PROは)AEROPEXとは異なるバランスを取ったであろう製品、AEROPEXほどクリアでなく解像度も低い。高音域はこもるようにマスキングされている。だが低音域の量は明確に増えており耳栓なしでも低音域を楽しめ、全体的に厚みのある音になった。耳栓が付属されなくなったのもうなずける。空間の広がりもAEROPEXより優れている。でも好き嫌いで分かれるくらい両者は違う個性がある。筆者は透明感のあるAEROPEXの方が好き。
人に勧めるならロック・ポップス方面で守備範囲の広くサイクリング用途に適しているOPENRUN PROではある。まあ値段を考えなければだが。
またOPENRUN PROの耐候性能はIP55。IP規格(防塵・防水性能の保護等級規格)の最初の「X」は防塵性能を意味し、「6」が最大等級。2つめの「X」は防水性能を意味し、最大等級は「8」です。
つまり防塵・防水性能では「IP55」のOPENRUN PROよりも、「IP67」のミドルグレード・OPENRUNのほうが優れていることになります。急激な天候変化に見舞われた時にはOPENRUNのほうが若干安心できる数字である、と言えるわけです。
OPENRUN PROはOPENRUNより3g重いですが、これを重要視するかどうか。駆動時間はOPENRUN PROが2時間長くなっています。ランタイム重視ならOPENRUN PROですね。
こうやって見ると、最新製品のOPENRUN PROが登場したからと言って、OPENRUN(旧AEROPEXに急速充電機能を付加したもの)が「グレードが低い製品」であるとは必ずしも言えないことがわかります。
▼ OPENRUNは急速充電非対応の旧AEROPEXよりも定価が下がっていることもあり、現状ではサイクリストにとってバランスの取れた選択肢になっていると言えるでしょう。
▼ 中〜低音とランタイム重視ならOPENRUN Pro、という選択肢になりそうです。