ORTLIEBの「アクセサリーパック」という製品について、以前この記事で紹介しました。その後使い続けるうちに、カメラバッグとして最も便利であると思うようになりました。本記事ではその点について解説しますが、カメラ以外の小物へのアクセス性向上にも応用が効くかもしれません。
先に紹介した記事では、筆者は「頻繁にモノを取り出すのにはあまり向いていない・コンデジやスマホをこまめに取り出したい場合などは手間に感じることもあるかもしれない・通常はあまり使わないものを入れておく用途に向いている」などと書いています。しかし、最近印象が少し変わって来たのです。
秘訣はインナーボックスの併用
そのきっかけとなったのはカメラ用のインナーボックス(クッションケース)でした。銘柄は何でも良いのですが、下の写真のものは横幅21.5cmのボックスです。複数のボックスを試しましたが、少なくともこの横幅以上のものを使うのがベストです。
最大では横幅25cm・高さ19cmのボックスが入りました(写真下)。現在筆者はこのボックスでの運用に落ち着いています。誂えたようにピッタリです。
これらを使うことで、中に入れてあるアイテムの視認性・アクセス性が俄然高くなり、バッグ自体も形崩れせず(このアクセサリーパックは補強板が一切なくペラペラです)美しいシルエットを保てます(美観は大事)。旅行時にあれこれ突っ込んでおきたい場合は別ですが、日常的な使用ではこうしたインナーボックスがあると便利です。
カメラを取り出す動作
このインナーバッグを使うようになってから、カメラをかなり素早く取り出せるようになってきました。ライド中に何か撮りたいものを見つけたとします。停車すると、バッグは下のように見えています。まずは銀色のバックルに手を伸ばします。
3つのアクションでカメラを手にできます。
- バックルをサッと右にスライドさせる
- そのままフタを開く
- カメラを取り出す
1と2の動作はほぼ同時に行えます。このバックルがかなり秀逸で、フックのかかり具合、着脱時の滑りがすごく良いんですね。2は「フタを開く」とありますがむしろ「フタは勝手に開く」という感じです。そして取り出したいアイテム(ここではカメラ)は場所が明確になっているので、ゴソゴソ探さずストレートに手を伸ばせます。
カメラをしまう動作
次はカメラをしまう動作です(カメラに限らないですけれども)。これは手数が1つ増えます。
- カメラをバッグに入れる
- トップをクルクル巻く(最低2巻き)
- バックルをかける
- バックルのストラップを引っ張る(荷姿の安定とタイヤへの接触を避けるため)
ジッパーで開閉するタイプのバッグに比べると、ロールトップなのでクルクル巻く動作とストラップを締め上げる動作が必要ですが、これも慣れてくるとあまり手間に感じなくなります。ORTLIEB アクセサリーパックはストラップの滑り具合・摩擦具合も絶妙で、この部分はバックルと併せてこの製品の最大の長所と思えるほどです。使っていて気持ち良さがあります。
カメラ以外にも応用可
しかもこのアクセサリーパックは完全防水なので、カメラのような精密機器も安心です。先日たまたまゲリラ豪雨に見舞われた時もこのバッグを使っていたのですが、当然浸水は皆無でした。
使いはじめは立ち位置が微妙なバッグかなと思っていたのですが、カメラに限らず、ハマればかなり便利に思えてくるバッグのような気がします。たとえば大きめのインナーボックスには中仕切りが付属することが多いので、2〜3の部屋を作っておけば、小物入れとして使ってもどこに何があるかすぐわかり、素早く取り出せるでしょう。
利用者はあまり多くない製品という印象ですが、容量さえ自分の用途とマッチすればツボる方も多いと思います。フロントバッグ選びの際に、選択肢のひとつとして検討してみてはどうでしょうか。
▼ 筆者が実際に組み合わせて使っているインナーボックスの例。Kenko Luce(Sサイズ)は横幅21.5cm、左右は若干余ります(横24cmのMサイズも販売されています)。ETSUMIのボックスは25cmで、アクセサリーパックとピッタリのサイズ。ただし高さがあるので、ロールトップは2巻きが限界です(雨はギリ大丈夫だと思います)。