ライド中、全然知らないクルマのドライバーに対して自分がその人の知り合いかもしれないと思い込ませるような実験をやってみた、というおもしろいスレッドを海外掲示板で見かけたのでご紹介します。
以下、スレ主さんの投稿です。
火曜日にクルマにぶつけられ、そのすぐ後に別のクルマに高速度で後ろから接近されてギリギリで追い抜かれてから、ライド中に新しいことを試してみることにしました。まるで相手を知っているかのように、手を振ってスマイルを見せるのです。
すると興味深い結果が得られました。ほとんど全員が速度を落として、よりスペースを開けてくれるようになったのです! 最初にこれが起こった時は、まぐれかなと思いました。しかしそれが続くのです!
情報を全て出しておくと、私は白人女性で、すれ違う時にニッコリしながら手を振ることが良いマナーであると考えられているアメリカ南東部でCharge CityというeBikeに乗っています。ここに引っ越してきた人の話では、そういう仕草はフランスでは受け入れられるものではないとのことで、いくつかの社会では女性が男性に笑いかけるのはロマンティックな関係への招待と取られてしまうこともあることは、重々承知しています。ですから、似たような実験をする時はその土地の慣習をよく理解しておいてください。
さて、みなさんはこれ、やってみたことありますか? その場合、どこに住んでいて、人口構成はどんな感じですか? 結果はどうでしたか? 効果があると感じたのは私だけなのか、私は頭がおかしい人と思われたのか、伝統的におもてなし精神がある合衆国南部の都市に限った話なのか、それとも多くの社会でこれが通じるのかどうか、興味があります。
出典 Social experiment fooling drivers into seeing me as a person(私を一人の人間として認識するようにドライバーを誘い込む社会実験)
寄せられたコメントを眺めていきましょう(抜粋・抄訳)。
- これだよ。目に付くように乗って、見てもらって、死なないこと(”Ride loud, be seen, don’t die.” 181いいね)
- カーゴバイクの後ろに子供たちを乗せて自分の町を走っていた時、良い結果になりました。うちの子供たちは周囲のクルマによく気付き、近づいてくるクルマがある時はいつも教えてくれて、手を振って笑いかけるのが大好きでした。大部分の人々は、子供がこれをやる時にいつもより道を開けてくれました(90いいね)
- (上の人に)別のスレッドで見かけた話ですが、チャイルドシートを付けてフェイクの子供を乗せたらよりスペースを開けてもらえるようになったそうです。クルマのドライバーが、あいつは俺達の仲間かどうか、自転車に子供を乗せてアイスクリームを買いに行く奴なら仲間だ、自転車で仕事にいく奴は仲間じゃない、といった判断を下すのは、一瞬のあいだのことだと感じています。スレ主さんはそういう瞬間的な判断が起こる時に、手を振ってドライバーの脳をバグらせたのだと思います。「あれ知ってる人だっけ?」=「俺達の仲間」です(40いいね)
- これは別の話になりますが、停まってくれたり、私のことを待ってくれたりしたクルマには手を振ってありがとうと言うことにしています。「停まるのが当たり前」のところであってもです。そうすることで、私を待ったことによって心の中に生まれたかもしれない憤りの感情を和らげ、サイクリストも人間なんだと示せるかもしれないと思うからです(50いいね)
コメント欄では「後ろから近づいてくるクルマにどうやって手を振ってスマイルするの」という質問がありました。スレ主さんによれば、手を振った後に肩のあたりまでクルマが上がってくると、笑顔が見える位置にくるとのことでした。
これ、すごく面白いですね。笑顔で手を振られる→あ、マシンじゃなくて人間だ!→でもなんでそんなジェスチャーをする?→知り合いなのかな?…
サングラスをしていたら本当に知り合いかどうかを瞬時に同定するのは無理でしょうし、それでいてスマイルされていたら「知り合いかどうかを同定する作業」は絶対に発生するので、スピードも緩むでしょうし、万一のことを考えて無意識に車間距離を取ってくれますよね。
日本なら、相手に聞こえなくても少し驚いた顔をして「あーっ、元気元気ィ!?」と言ってみると口の形から「俺に元気と聞いている…?」と思ってくれるかもしれないですね。
安全に追い抜いてもらった後、どこかでまた遭遇した時に「どこかでお会いしましたっけ?」と聞かれたら、あっ人違いでした〜、でもコンビニで道を教えてくれたすごく親切な人にそっくりだったのでその人かと思ったんです、とか、適当なセリフを常に出せるようにしておくと良いのかもしれません。
あと日本では北海道などクルマが速くて道も見通しが良いところで使える技かなと思いましたが、どうでしょうか。
Oakley Sutroをかけていたら、もう誰だか絶対にわかりませんね。大切なのは歯が見えるように大きい笑顔を見せることかなと思います。もともと笑顔は、武器である歯(牙)を相手に見せることによって戦う意思はないことを伝えるために生まれた、という学説を見たことがあります(握手も同じで、手に武器を持っていないことを相手に知らせる目的で生まれたという説がありますね)。