株式会社あさひから出ている「20型用ポリカーボネート製フルフェンダー(型番AW 20フルフェンダー 816FRUステー BK)」をTern Crest(関連記事一覧)という小径車にインストールしたので、その模様をお伝えします。Tern CrestはETRTO 451の20インチホイール小径車で、結論から言うとこのフェンダー、無加工でバッチリ取り付けられて相性は非常に良いと感じました。
AKI WORLDからも出ている?
さて、これがそのあさひのフェンダーです。前後フェンダー・前後の支柱アーム・ボルトやナット等のセットで構成されています。これはAKI WORLDから出ている「FULL FENDER 20 U-STAY BLACK FD-SW-051」もAmazonでの商品写真及びカスタマーレビューでの写真を見る限り、全く同じモノかもしれません。筆者が購入したのは「あさひ」のほうです(若干安かったため)。
▼ どちらも同じ製品かなという気がします(保証はできません)
取り付けは自分で工夫しなさい、というタイプの商品
取り付け前にフィッティング用のボルト類を下の写真のように分類しておくと作業が捗ると思いました。左のグループはアルミの支柱(アーム)をフォークやフレームのリアエンドに取り付けるための金具とボルト。中央上はフェンダーの中央付近を固定する金具。右のグループはアームをフェンダーに取り付けるための金具類です。4種類の異なる長さのボルト(3グループ)が同梱されていることになります。最初に仕分けしておきましょう。
アーム(支柱・ステー・ストラット等々とも呼ばれる)は下のようにフェンダーに取り付けます。縦長のプレートでフェンダーを前後から挟み込み、ネジで締結(プラスドライバー)。ここはナットは要りません。フェンダーの裏側で使うプレートは、凹凸のない平らな面がフェンダーに接する向きで取り付けました(それが正解かどうかは知りません。ただ凸のあるほうはフェンダーの穴にはまりにそうに見えてうまくはまらなかったため、多分それが正解だろうと思います)。
フロントフェンダーはフォーク上部にもボルトで留めます。同梱の長いボルトは長すぎてここでは使いたくなかったので、手持ちのちょうど良い長さのボルトとナットを探してきて流用しました。つまり、そういうボルトやナットが手元にいくらでもある人がターゲットユーザーであると言えるかもしれません。高さ位置はタイヤとのクリアランスを見ながら調整します。
フォークエンドとリアエンドは下のこのパーツ(名称不明)にアームの先端を差し込み、外からネジを締めて固定するようでした。アームを奥まで差し込むとクリアランスが狭くなり、あまり入れなければ広くなります。どのくらい入れるのが適当かは車体によって変わってくるでしょう。「いい加減」を自分で模索する必要があるタイプのパーツです。
リアフェンダーの中央部にはプラスチック製のブリッジのようなパーツをカポッとはめて(好きな位置にスライドさせられる)、それをシートステイ上部のアーチにある穴にボルトで固定します。このボルトも同梱のものは長さが合わなかったので、自前で適当な長さのものを用意しました(ワッシャーは同梱のものを使用)。
リアフェンダーの前側はキックスタンド取り付け用プレート付近で固定します。ここで使えそうなボルトやナットは、同梱されていません(そんなん知るか、という感じがジワジワしていておもろい)。これまた工具箱から適当な長さのものを探してきて流用したのですが、こういういろんなサイズのボルト・ナット類を持っていない人は困るかもしれません。それにしてもギリで収まったなぁ…
ナットが空転しないようにレンチで留めてボルト側を回しました。この作業はホイールは外さないと無理でしたが、キックスタンド(MASSLOAD CL-KA56(関連記事一覧)に換装済み)は外さずに済みました。
リアのアームは上下2つあるダボ穴のうち、このTern Crestという自転車では下側が正解でした。上側はTopeak Explorer(関連記事一覧)というラックで使用。お互いがギリギリ干渉しない絶妙な位置関係で装着できました。最初、上のダボ穴を試したところフェンダーがタイヤに接触してしまい「しまった、合わないか!?」と焦りました。かなり「ジャスト」な設計かもしれません。
クリアランスはどのくらい?
このあさひの20インチフルフェンダー、Tern Crestでは本当にジャストサイズという感じで、アームは切断する必要もなく、先端をわずかに入れる感じでクリアランスがちょうど良くなる感じに収束しました。無加工で取り付けられたので大変ありがたかったです。
写真のタイヤはこの完成車に付属してたCST(チェンシンタイヤ)の無印20×1-3/8サイズで、このストックタイヤでは全く問題ないクリアランスを確保できています(実走確認済み)。クリアランスには余裕があるように見え、特にフロントでは他社のより太めのタイヤも問題なく使えそうに見えます。
リアフェンダーも前方側はクリアランスに余裕があります。より太いタイヤを履かせたい場合、仮に問題が出るとしても最後尾になるはずで、その場合はアームを何らかの方法で少しだけ延長すれば(例えばダボ穴とのあいだをプレート状の金具で中継するなど)対応できそうに見えます。
というわけで、ボルトやナット類は一部自前で用意する必要があったものの、インストールには大きく困惑させられるところもなく、金具の向き・どのダボ穴を選ぶか・アームはどのくらい入れるべきか等の点で試行錯誤はあったものの、このTern Crestというミニベロでは比較的簡単に装着できました。このバイクに限ってはほとんど純正品ではないかと思えるほどの相性の良さでした。
トリセツのないある意味「プロ仕様」の製品という雰囲気がありますが、700C用のSKS Bluemels Basicよりは断然作業性は良かったです。SKS Bluemelsは20インチ用も出ていますが、あえてそちらを選ぶ理由はないような気がします。値段もSKS Bluemelsの半額くらいで、しかも品質も劣らず良いと思いますし。
このあさひのフェンダー、個人的には大変おすすめです。カラーは筆者が購入したブラック以外にシルバーも出ているようです。あと製品のパッケージには「最大タイヤ幅:45mm」と書いてありました。ご参考まで。


















