はじめてのスマートトレーナーとしてWahoo KICKRを購入しました。鉄板人気のTacx Neoとずいぶん悩んだのですが、熟考の結果KICKRを選択。ただ、これを選んだのは状況的な理由もありました。
Tacx NeoかWahoo KICKRか? 最近の値段は大体同じ
状況的な理由というのは、スマートトレーナーの購入検討時、Tacx Neoは2018年の海外通販ショップでの「お祭り価格」では買えなくなっていたことです。送料込み12万円ほどでNeoを買った方、ラッキーだったと思います。
現在、後継モデルのTacx Neo 2は海外通販で本体価格が12万円台(送料・消費税抜き)。諸経費込みで14万円台。かつ在庫切れのことも多い。国内価格は17万円台と、決して安くはありません。去年初代Neoを買っておけば良かったのかもしれない(笑)。そのあたりは下の記事で詳しく書いています。
Wahoo KICKRの国内価格も16〜17万円です。というわけで、同程度の価格ならより自分に適したほうを選ぼうと考えた結果、KICKRを選択するに至りました。最終的に決め手となった点は最後に書きますが、まず本体の様子をご紹介していきます。
Wahoo KICKR (2018モデル)
購入したのは「KICKR ’18」と呼ばれる、2019年8月時点では最新のモデルです。KICKRは’14, ’16, ’17, ’18とバージョンアップを重ねてきました。購入時は最新モデルかどうかチェックしたほうが良いでしょう。
「KICKR ’18」の特徴はプーリーが金属製で、裏側が大きく凹んだデザインになっている点です。これだけで’18モデルかそうでないかを区別できます。旧モデルはプーリーがプラスティック製であまり凹んでいません。
“Crank it up”のロゴがある重いフライホイール。これ、いいですよ。実走感は申し分なし。Zwiftでの斜度の変化が超リニアで感動します。
ただモーターを直接回すTacx Neoのほうが音はきっと静かだと思います。KICKRもこれまでのフライホイール式トレーナーに比べるとだいぶ静かだとは思いますが、防振対策は必須です。
KICKRの大きいアドバンテージのひとつに様々なホイールサイズに対応している点があります。これはなどかずさんによる紹介記事でも書かれていますが、20インチ(406)小径車でも使えるそうです。
しかしこの青い支柱の軸がやたらと固く、そこは苦労しました(初期設定はなぜか700Cではなかった)。良く言えば頑丈ですが、悪く言えば金属部分の動きは渋めです。これは脚の開閉パーツについても言えます。
防振対策としてグロータックのブルカット2を使っています(この記事で詳しく紹介しています)。これは最初、設置に戸惑ったのですがKICKRの脚をひとつひとつ持ち上げるとさほど苦労せずに入れられることがわかりました。
KICKRを移動させる時は、自転車を装着したままALINCOのエクササイズマットをズズズズッ、と引きずる、という横着な運用をしているのですが、その際はブルカット2を外しておくとうまくひきずれることもわかりました(笑)。
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次にACアダプターを見てみましょう。私は国内ショップで購入しましたが、各国のコンセントに対応する様々なアダプタが付属していました。が、このようにアース付きの3穴タイプなので写真右側のような変換プラグが必要です(amazonで数百円で買えます)。
ACアダプター自体は特にWahooブランド名は書かれていない中華製ですが、KICKR ’18は出始めの頃に静電気で基盤が焼けるというトラブルがあったらしく、ACアダプターは対策品になったと言われています。他社製のアダプターは使わないほうがいいです。
電源面でひとつ残念なのが、本体にON/OFFスイッチがないところ。プラグを差すか抜くかという原始的な方法しかありません。不都合ではないですが、スマートではありません。ただ考えてみると本体をなるべく簡素化したほうが電気的なトラブルを避けられるという発想もあるのかもしれません。
Tacx Neo/ Neo2は電源アダプターがなくとも自家発電で使えるそうですが、KICKRは電源必須です。電源ON時、赤いLEDが点灯します(そしてANT+で通信中は点滅します)。
青色LEDは電源投入後、Bluetoothのペアリング待機中に点滅します。接続が開始されると速く点滅し、接続が確立すると点灯状態へと移行します。
これはWahoo KICKRに限ったことではないですが、Bluetoothは1対1の通信なのでZwiftやWahooアプリと接続する前に他の何らかのアプリに掴まれてしまったら、接続できません。そこは要注意。
買ってすぐにやったのはWahooのスマホアプリでのファームウェアバージョンアップ(最新だったのでやる必要がなかった)と、「スピンダウン」というキャリブレーションでした。
最大の決め手はスッキリな見た目と移動しやすさ
さて、ここまで外観を眺めてきましたが、Tacx Neoと悩んだ挙げ句私がKICKRを選んだのは、「スッキリした見た目」と「移動のしやすさ」です。
KICKRは自転車を付けたままでもコンパクトに脚をたためます。これはTacx Neoでは無理でしょう。
でもそんなにこまめに脚をたたむかというと、そうでもありませんw
脚をたたまないならNeoでもいいじゃないか、という話になりますが、私の場合は基本的に自転車をのせたまま放置しておくスタイルなので、見た目の圧迫感がないことも大事でした。
この点、大いに参考にさせていただいたのはなどかずさんの寄稿記事、Tacx Neoが安く買えるのに、Wahoo KICKRを選ぶ理由ってあるの? のこの画像でした。
以前レビューしたときに図版を作って比較してみたのですが、トレーナー周りのフットプリントについてはそこまで大きな違いは感じません。
とはいえ、パイプ状の脚部が低い位置にあるKICKRに対して、Tacx NEOは板状の脚部が斜め下に展開します。三次元空間的な比較だと、スペースをより多く占有するのは間違いなくTacx NEOです。
KICKRは脚部が広がっていても低い位置で横に広がっているだけなので、ヒョイッと跨げてしまいます。生活導線を思いっきり妨害する位置に設置していても、ギリギリ我慢できる範囲に収まります。
これは買ってみたらなどかずさんの説明通りでした。開放感のあるデザインなので、トレーナーを置いた部屋が狭くなる感じを軽減できます。そしてちょっとずらしたい時に自転車をセットしたまま動かしやすいだろう、というのも期待通りでした。
現在の満足度
圧迫感のないデザインは期待通り
購入してからまだ一ヶ月程度ですが、現時点では非常に満足度が高いです。特にコンパクトさ、圧迫感のないデザインは期待通り。実走感も素晴らしい。Zwiftとの接続も一発で、最初からSHIMANO 105の12-28カセット(11s)が付属していたのもポイントが高かったです(以前はSRAMのカセットだったらしい)。Tacx Neoはカセット別売りです。
静粛性は十分だが最高でもない
逆に、期待していたほどではなかったのは静粛性。フライホイール式のトレーナーとしてはだいぶ静かだと思いますが防振対策は必須。グロータック・ブルカット2を使ったとしても夜9時すぎならZwiftで高速ダウンヒルが発生するようなコースを走るのは心配です(なので夜は登りが多いコースを走るなどしています)。
Wahooアプリは不安定
不満点はWahooのスマホアプリ。ファームウェアが最新バージョンなのに古いバージョンでアップデートしようとしてきたり、たまにスピンダウンがうまく行かなかったりします(これらについてはいずれ別記事で書く予定)。
これから故障しないかやや心配
そして懸念点があります。買う前にいろいろ調べている時に知ったので織り込み済みなのですが、このKICKR ’18はリリース直後、かなりの不良品が出たようです。ひとつはプーリーやフライホイールからの異音。もうひとつはデータ通信が不安定になる、という問題があったようです。
私が購入した個体はいまのところ異音はありませんが、Zwiftをやっていて時々通信エラーを経験しました。これは自分で問題の切り分けをしていった結果、恐らくZwift側の問題だろうと考えています。エラーの回避方法もわかりました。これも詳細についてはいずれ別記事で紹介予定です。
Tacx Neoとどちらがいい?
などかずさんの記事Tacx Neoが安く買えるのに、Wahoo KICKRを選ぶ理由ってあるの?が大いに参考になりますが、Tacx Neoを選んだほうが良い人も多いと思います。
静粛性ならきっとNeoでしょう。そして海外情報を調べまくった結果、Neoのほうがソフトウェア・通信の安定性も高い評価を受けています。全体的に品質が安定していてトラブルが少ないのはNeoのほうだと思います。昨年KICKR ’18やKICKR COREの初期不良に悩まされた人の多くがTacx Neoに流れたようです。
それでもなおWahoo KICKRを選んでみたい、という方は日本国内のショップからの購入をおすすめします。今年になって国内で購入した人でも異音を経験している方が一定数いるらしいからです。
どこで買っても1年間のメーカー保証がありますが、Wahooの場合、万一不具合が発生した場合は購入店に一度送り返す必要があるらしいので、Wahoo直営ショップを含め海外から買うよりも、時間や手間を考えると国内ショップのほうが安心だと思います。