先日、伊豆大島にサイクリング旅行に行きました。島でのサイクリングの詳細についてはいくつか記事を書いていますので、本記事の最後にリンクしておきます。是非あわせてお読みいただければ幸いです。
伊豆大島への往復には東海汽船のジェット船を利用し、自分の自転車(グラベルロード)を持っていきました。本記事ではその際に学んだ知識やジェット船での輪行を検討している方のために留意点などを共有したいと思います。
ジェット船では輪行袋必須。ロードなら追加料金1,000円
私は東京の竹芝から出発しました。下は竹芝ターミナルの様子。時期によりますが、静岡県の熱海や千葉県から出るジェット船もあります。
まず切符の買い方ですが、東海汽船のホームページでクレジットカード決済による予約が可能です。予約なしでも当日に空き席があれば切符は買えますが、発券可能なのは当日の船の切符のみであることに注意(帰りの切符の予約などは窓口でも受付けてもらえます)。
東京・竹芝から大島までの料金は7,210円でした(※料金は時期によって変動します)。窓口で切符を受け取ったら、切符の右側に名前・住所・電話番号などを記入します。乗船時にこの部分を渡す必要があるので、すぐに記入を済ませておきましょう。
ジェット船には自転車を持ち込むことができます。ただし輪行袋に入っていることが条件です。大型船のように裸のままコンテナに預ける、というオプションはありません。
なお次のサイズ・重量に収まる手荷物は、無料になります。
- 三辺の和が120cm以下かつ、総重量20kg以下のもの(2個の場合は合算した総計)
しかし次に該当する場合、片道1,000円の追加料金が必要です。
- 三辺の和が120cm超または、総重量20kg超のもの(2個の場合は合算した総計。但し三辺の和が200cm以下で、総重量30kgが上限)
自転車はどうなるでしょうか? これについて東京・竹芝客船ターミナルの係員の方に現地でお聞きしたところ、ロードバイクの場合は120cm以下に収まることはまずないので1,000円が必要。小径車の場合は無料になることがある、との回答をいただきました。
ブロンプトンなら恐らく無料にできるでしょう。しかしロードバイクやクロスバイク、MTBなどを持ち込む場合、まず追加料金1,000円がかかるものと考えたほうが良いです。
この追加料金は、切符を受け取る時に窓口で支払うことができます。また繁忙時には稀に乗せられないこともあるらしいので、切符をインターネットで予約する前に電話で「自転車を持ち込みたいが、大丈夫でしょうか」と聞いてみるのが良いようです(その流れで予約もしてもらえます)。
下の写真のような手荷物券をもらえるので、これを「輪行袋の見えるところに」針金で留めておきます。ちなみに東海汽船の職員の方々は自転車に関する知識が豊富で、ロードバイク・小径車・輪行袋、といった単語がスラスラと飛び出してきます。これは安心して利用できそうだ、と大変好印象でした。
なるべく最初に船に乗りこむ
ジェット船の出港10分前くらいになると館内アナウンスが流れますが、可能であればこのお知らせがある前にジェット船乗り場の待機列先頭にいたほうが良いです。
その理由ですが、ジェット船は1Fと2Fに席があるのですが、乗船は2Fからです。そして2Fの奥に自転車を置くよう誘導されるのですが、そこはご覧のようなスペースです。自転車をいちばん奥に置かせてもらえるなら、それに越したことはありません。この後、他の乗客のトランクが次々とここに寄せられてきます。
さらに、席と席とのあいだの通路が狭いので、輪行袋を運ぶのがやや困難です。他の方々の迷惑にならないよう、なるべく真っ先に乗船して2Fの奥に自転車を置かせてもらい、あとは自分の席に行くようにするのがベストです。下は、私が座った1Fの席。1Fには階段で下っていきます。
ちなみに1Fに荷物置き場はないのかというと、あります。これが1Fの荷物置き場。ただこれを見てわかるように、ロードバイクの輪行袋をここに置かせてもらうのは現実的ではありませんし、船内係員の方も私を見てすぐに2Fの奥に誘導してくれたので、ロードなら2F奥、とまず考えたほうがいいでしょう。
しかしブロンプトンやその他のミニベロはどうでしょうか? コンパクトに畳めるタイプであれば、ここに置かせていただいても特に迷惑にはならないかもしれません。ただ小径車でもコンパクトにならないものであれば、ここはやはり無理でしょう。
ジェット船について
ジェット船について少しだけご紹介。東京・竹芝客船ターミナルからは約1時間40分の行程です。静岡の熱海港からはわずか45分。
この船はボーイング社が設計したもので、高速航行時は船体が海面から浮きあがります。半分飛行機のような感じです。そのため揺れは大型船に比べると圧倒的に少ないので、快適です。新幹線よりは揺れます。大きく揺れる時でも飛行機が軽い乱気流に入った時のような具合で、乗り物酔い体質の私でも気分が悪くなることはありませんでした。
なお走行中はシートベルトの着用が義務付けられていて、特に高速航行モードへの移行中はトイレや自販機に行くことはできません。2016年に、まさに伊豆大島にむかうこの航路でジェット船がクジラと思われる海洋生物と衝突した事故が発生しています。過去には死亡事故も発生しているのでシートベルトはマストです。
船内にはドリンクの自動販売機とWiFiが用意されています(しかしWiFiの繋がりはあまり良くはありませんでした)。私はauのスマホですが、東京湾内では4G回線はおおむね繋がっていました。
港に着いたら
ジェット船に乗る時は真っ先に乗ったほうが良いですが、降りる時はいちばん最後が良いでしょう。急ぐ必要はありません。
下は伊豆大島・元町港の写真ですが、下船してから港船客待合所まではわりと距離があります。頑張って歩きましょう。輪行の準備をする時は、長距離を歩いても荷崩れしないよう、かつストラップの長さもきちんと計算しておきましょう。
そして帰る時ですが、元町港を出港するジェット船に乗る場合、館内アナウンスを待ってからこの乗り場まで歩いてくると真っ先に乗船することはできません。そのため出港の20分ほど前にはこの埠頭まで荷物を持ってやってきておいたほうがスムーズです。どこで待っていればいいかは係員の方が教えてくれます。
発着港について
ところでジェット船が発着する大島の港には、元町港と岡田港(おかたこう)の2つあります。このどちらに着くのか、あるいはどちらから出発するのかは、当日にならないとわかりません。天候によって変わります(※冬は基本的に岡田港になることが多いです)。
朝の7時30分にはどちらの港になるかが決まるそうなので、大島から帰る日は朝に東海汽船のホームページで状況を確認する必要があります。また港にも案内板が表示されているのでその日の朝に立ち寄っておくのが良いでしょう。
こういうわけなので、ジェット船が着くことが多い元町港近くに宿を予約していても、約6kmほど離れた岡田港に入港することもあるので注意が必要です。
まとめ
以下、大島行きにジェット船を利用する場合の注意点やTipsをまとめます。
- 輪行時はネット予約よりも電話で確認したほうが良い(そのまま予約もしてもらえる)
- 切符を受け取ったらすぐに右側の連絡欄に記入すること
- ロードバイクならまず1,000円の手荷物券が必要。ミニベロでも基本的には追加料金が発生すると考えておいたほうが良い
- 乗船時はなるべく先頭にいること
- 元町港からは埠頭を歩く距離が長いので輪行袋はきちんとセッティングすること
- 発着港はその日決まるので、特に帰路は港を間違えないようにしましょう(海が荒れる冬期は概ね岡田港になることが多い)
東海汽船の有益なリンク
東海汽船のジェット船での荷物に関する情報、時刻表、切符の予約方法などのページへのリンクです。
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