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ポンプ製品レビュー

LANDCASTゲージ付き携帯ポンプをレビュー【例のポンプ最新版】

4.5
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軽い力で高圧まで空気を入れられることで人気のLANDCASTの携帯ポンプですが、今年の夏に空気圧ゲージ付きの新モデルが出ました。

個人的には、ゲージまでは要らないかな、と思っていたのですが、最近2泊3日の自転車旅行をした時の最終日、チューブレスタイヤの前輪が少し空気が減っていて、いま何気圧かな? と思ったのでした。

その時は結局手でタイヤを押して、まぁ大丈夫だろう、と済ませたのですが、考えてみればその時この記事でレビューする空気圧ゲージ付きポンプを持っていたら、現地でもう少し安心できたかもしれません。というわけで、次の旅に備えて帰ってきてから購入しました。

外観と仕様

早速、外観とスペックを見ていきましょう。バルブヘッドの裏側に小さい空気圧ゲージが付いています。ポンプの全長は実測198mmほど。20cmよりほんの少し短い程度です。これは「初代例のポンプ」とほぼ同じ長さです。PWTやR250などの一般的なツールボトルの片側にギリで入ります。

LANDCAST 300psi ゲージ付き 携帯ポンプ

バルブヘッドからゲージ裏までの長さは実測で6cmちょうどです(米式モード時)。空気圧ゲージの部分は1.1cmで、初代例のポンプよりもこの部分のサイズが増えることになります。

LANDCAST 300psi ゲージ付き 携帯ポンプ

バルブヘッドは、黒い部分を押さえた状態で銀色のヘッド部分(※この製品はフルブラックのモデルもあるので、その場合はここも黒)を回して引き伸ばすことで仏式バルブ対応になります。デフォルトでは米式です。

LANDCAST 300psi ゲージ付き 携帯ポンプ

引き伸ばした時の全長は32.3cmでした(写真下)。初代例のポンプと同じ構造なので、押しても引いても空気が入る仕組みです。

LANDCAST 300psi ゲージ付き 携帯ポンプ

空気圧ゲージはPSI表記のみです。いちばん左の50 PSIはバールで言うと約3.4 barです。1 barはほぼほぼ1気圧と考えて良いです。

LANDCAST 300psi ゲージ付き 携帯ポンプ

低圧のタイヤをチェックするにはやはりデジタルゲージか、パナレーサーの低圧用のアナログゲージを持っておいたほうが良いでしょう。下の記事で紹介してあります(このポンプのゲージが低圧で使えるかどうかは後で詳しく書きます)。

パナレーサーのタイヤゲージ、アナログ式とデジタル式のどっちがいい?
Panaracerのタイヤゲージはアナログ式をながらく愛用してきたのですが、最近デジタル式も手に入れました。どちらも一長一短あると思うので、これから買おうとされている方の参考になりそうな情報を書いてみたいと思います。 Panaracer タ...

このポンプを使う人の大部分はロードバイク乗りだと思うので、数値の刻みをもっと小さくしてもらえたらありがたいかなと思いました(でもエアサスで使う人には必要でしょうから、メーカーとしては悩ましいところでしょうか)。

お助けチューブとの組みあわせ

性能を見ていく前に、個人的にこのポンプとの併用を猛烈におすすめしたい小物があるので紹介します。トライスポーツから出ている「お助けチューブ」という製品です。

お助けチューブ

これがあるとハンドポンプでも空気入れが圧倒的にラクになります。実測重量が12gと非常に軽量なので、これは一緒に携帯したほうが絶対に良いです。「例のポンプ」の使い勝手を2倍良いものにしてくれます。

この「お助けチューブ」は片側が米式、片側が仏式になっています。そのため、仏式バルブに空気を入れるためには、LANDCASTポンプ側をデフォルトの米式のままにしておいて、そこにお助けチューブの米式側をねじ込みます。反対側で仏式バルブに空気を入れられます。

装着するとこんな感じです。なにか生き物みたいで、カワイイですね(笑)。

LANDCAST 300psi ゲージ付き 携帯ポンプ

これを使うことにより、よりラクな姿勢で、より安定的にポンプを持つことができますし、作業中にポンプが斜めになって仏式バルブの先端からプシューと空気が漏れる、ということがなくなります。非常に便利です。

LANDCAST 300psi ゲージ付き 携帯ポンプ

そしてこの空気圧ゲージ付きポンプにとっては、数値を見やすくしてくれる神アイテムです。

LANDCAST 300psi ゲージ付き 携帯ポンプ

お助けチューブがない場合は、ポンピング中にゲージ窓が手で隠れます。たまに手を止めてチェックすれば良いのですが、お助けチューブがあると窓が見えるだけでなく、ホールド感が格段に増し、作業が圧倒的にラクになるので併用をオススメします。

なお、このポンプ本体もお助けチューブも、ねじ切りバルブでの使用を前提にしています。愛用しているチューブがねじ切り式でない方は、残念ながらこの先は読む必要はありません(使えません)。

本体の実測重量は110gジャストでした。これはLANDCASTによる公称重量と同じです。ちゃんとしてますね。

LANDCAST 300psi ゲージ付き 携帯ポンプ

ポンピング回数と空気圧

それではポンピング性能を見ていきましょう。

まずLANDCASTによるポンピング回数と、それによって得られる空気圧の公称値は次のようになっています。使用タイヤはBRIDGESTONE EXTENZA (25C)となっています(情報はamazonの販売ページより)。多くのロードバイカーにとって基準となる7 bar(最近はそんなに多く入れない人も多いですが)を入れるためには300回のポンピングが必要となっています。これは「初代例のポンプ」と同じ性能です。

ポンピング回数 メーカー公称値
100回 40 psi (3 bar)
200回 70 psi (5 bar)
300回 100 psi (7bar)

つまりこの通りであれば「初代例のポンプの性能はそのままに、空気圧ゲージが付いてバルブヘッドがねじ切り式になった」のが本品であると言えますね。

というわけで実際に試してみました。私はこのポンプ+お助けチューブでMavic Yksion Pro UST 700 x 25C(チューブレス)に空気を入れてみることにしました。その結果を下の表にしてみました。表を読むのが面倒な方は、黄色いのハイライト部分だけ見比べてみてください。

ポンピング回数 本体ゲージ読み Panaracer デジタルゲージ読み メーカー公称値
100回 40 psi 35.5 psi / 2.44 bar 40 psi (3 bar)
200回 70 psi 66.9psi / 4.61 bar 70psi (5 bar)

すると驚いたことに、BRIDGESTONE EXTENZA (25C)に空気を入れた時のメーカー公称値と全く同じ結果が出ました。というか、ポンプの空気圧ゲージは100回のポンピングでほぼ40 psi(ゲージの「50」という数字の1つ下あたり), 200回で70 psiが出ました。

本体重量やポンピング回数と空気圧の関係など、メーカー公称値に偽りなし、という感じで感心しました。

ただ、今度はポンプの空気圧ゲージがどれだけ正確なのかも見る必要がありますよね。というわけで、この記事でも紹介したパナレーサーのアナログとデジタルの両方の空気圧ゲージでも結果を測定してみました。そのうち、数字がより細かいデジタルによる結果を上の表に入れてあります。

ここで注意したいのは、LANDCASTによる説明では40 psi (3 bar)となっていますが、40 psiは正確には約2.75 barであり、70 psiは約4.82 barです。ここは若干大きめに丸められています。

とはいえ、psiの数字だけみて比較すると、ポンピング100回 = 35.5 psi(パナ) / 40 psi(ポンプのゲージ)、200回 = 66.9psi(パナ) / 70psi(ポンプのゲージ) ですから、「パナのゲージに比べると気持ち高めの数字が出る、barで言うと0.2〜0.3ほど高い数字になっている」と覚えておくと実用上は支障がないと思います。

携帯ポンプもフロアポンプも、メーカーによって出てくる数字が違うのはよくあることです。

そのあたりは是非下の記事も読んでいただけると幸いです。

自分のフロアポンプの数字は信用できるのか。専用空気圧ゲージの結果と比較してみました
先日、ラテックスチューブって1日にどのくらい空気が抜けるんだろう、みたいな実験をやったのですが、その時に気付いたことがあります。 家にあるLEZYNEのフロアポンプで7 BAR入れても、パナレーサーのアナログ式タイヤゲージではそれより少し低...

このポンプはおすすめか

さて、このポンプはおすすめできるかというと…

ロードバイクやクロスバイク、そして小径車に乗っている人には間違いなくおすすめできる!!

というのが私の感想です。正直、少し驚きました。

まず空気の入れやすさが圧倒的です。これは「初代例のポンプ」の性能をそのまま受け継いでいる感じです。細いタイヤに5気圧や7気圧を入れるのであれば現在市場に出回っているあらゆる携帯ポンプの中で最も少ない労力で空気を入れられる優れものです。

というか、初代例のポンプよりもポンピングしやすいくらいです。というのも空気圧ゲージを包み込むようにするとホールドが安定するからです。

そして空気の抜けやすいラテックスチューブを愛用している方が数泊の自転車旅行に行く場合なども、この空気圧ゲージはめっちゃ便利だと思います。

あとはパンク時にどれくらい空気を入れたらいいのかわからない、という方にも勿論お役立ちです。

一方これが必要ないパターンとしては、大エアボリュームのタイヤを低圧で運用している人…と一瞬思ったのですが、40 psiまで入っているかどうかは目視できるので(特に「お助けチューブ」があるとラク)、出先で2.5 bar以下に落としたくない(LANDCASTの40 psi = パナの35.5 psi / 2.44 barだから)、という場合の確認には使えます(逆にそれ以下の空気圧管理は難しい)。

私は650b x 47のロードプラスタイヤを3気圧前後で運用することが多いのですが、このLANDCASTのゲージ読みで40 psi(パナのゲージによる2.44 barに相当)以下にすることはいまのところないので、このゲージは十分「使える」ことになります。

太いタイヤの場合、ゼロから入れるとポンピング回数が半端ないのでハイボリュームタイプの携帯ポンプのほうが良いかもしれませんが、継ぎ足しには全然OKです。フルパンクした時はCO2カートリッジでバシューと空気入れてから必要なら継ぎ足し。大丈夫だ問題ない。

3ヶ月に1度の注油が推奨されていたり、横にしておくと油が滲んでくることもありますが、使いやすさと便利さを考えるとやはり優れた製品と言わざるをえません。初代例のポンプと違い、レバーによる固定ではなくヘッドがねじ込み式になったので故障リスクも減りました。ねじ切りでないバルブでは使えないという弱点はありますが、そうでない場合は圧倒的な改良です。

特に「お助けチューブ」と組みあわせた時の使用感は素晴らしいものがあります。これ、使ったことのない方には是非とも試していただきたいものです。無理な姿勢でポンピングする必要がなくなります。

お助けチューブ、長さがいくつかありますが、私が使用しているのは200mmのタイプ。LANDCASTのこのポンプとほぼ同じ全長なので、一緒に束ねておくと便利ですよ。

どちらも非常に良いものです。すぐ壊れなかったら★★★★★をあげたいポンプです。

また旅に行きたくなってきた! 次はこれ持って行こう。

伊豆大島

著者
マスター

2007年開設の自転車レビューサイトCBNのウェブマスターとして累計22,000件のユーザー投稿に目を通す。CBN Blogの企画立案・編集・校正を担当するかたわら日々のニュース・製品レビュー・エディトリアル記事を執筆。シングルスピード・グラベルロード・ブロンプトン・エアロロード・クロモリロードに乗る雑食系自転車乗り。

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