ハンドル製品レビュー

NITTOのグラベル向けドロップハンドル・M137AA-SSBのレビュー

4.5

NITTOから出ているグラベルロード用ドロップハンドルを試しています。型番はM137AA-SSB。サイズは480~540mmまで2cm刻みで4種類あります(表記はエンド部のセンター・センター)。

最小サイズで上420mm・下480mm

私が購入したのはいちばん小さい480mm。いちばん小さいのでも480mm!

トップのブラケット部の幅はセンターセンターで420mmありました。片側に3cmづつ開きがあることになりますね。

NITTO M137AA-SSB

ハンドルの様子が伝わりやすいように、バーテープを巻く前に軽く近所を走って写真を撮りました。このバイクはいまシングルスピードにしてあるので、レバーはTRPのブレーキオンリーのもの(RRL ALLOY BLACK BR-TRP-060)を合わせてあります(マッチングはバッチリ。ブレーキ付属のスペーサーを入れ忘れないように…)。

TRP(ティーアールピー) RRL ALLOY BLACK BR-TRP-060
TRP(ティーアールピー)
売り上げランキング: 68,315

普段、普通のロードバイクでは40cmを使っている私にはこの最小サイズでも相当幅広ですが、オフロードでは40cmの普通のドロハンだとさすがにコントロールが難しいです。

ハンドルは広い(長い)ほど安定的にステアリングできます(バランスが取りやすい)。MTBのフラットバーが長いのはそういう理由です(ついでに書くとステムも短いほうがコントロール性に優れます)。

このNITTO M137、 形状はいわゆるアナトミック・シャロー。ドロップ(上ハンと下ハンの落差)は128mmで、リーチ(上ハンから握りの部分のいちばん突き出たところまでの長さ)は78mmです(いずれもセンター・センターの数値)。いわゆる「浅曲がり」で「ショートリーチ」のハンドルなのですが、めっちゃ使いやすい。

NITTO M137AA-SSB

グラベルロードでの下ハンは上体が下がることによる空気抵抗の軽減ではなく、より良いコントロール性やポジションを得ることが主眼なので、ドロップは深くなくても良いんですよね(グラインデューロとかだと事情は違うのかもしれない。サーベロ・アスペロでかっ飛ばすような人とか)。

このハンドル、普通のロードバイクで使っても面白いのではないかと思います。

NITTO M137にはシルバーとブラックの両方があって、ニットーならシルバー一択だろう、という感じではあるのですが、この車体が全部黒系パーツなので今回はブラックにしてみました。マットではなくグロス、艶のある黒です。チネリ風の刻印もあって、カッコいいですね。高級感あります。

NITTO M137AA-SSB

ちなみにNITTOという国産メーカーの魅力については、DINGLESPEEDさんが素晴らしい記事を寄稿して下さっているのでこちらも是非お読みいただければ幸いです。

NITTOにしとけば間違いない 究極の国産ハイエンドパーツの世界
バイクパーツの一部としてフィニッシング・キットと言うものがあるそうで、ステムやハンドル、シートポストなどの自転車を乗り手に合わせる場合に必要な仕上げのパーツの事をそう呼ぶみたいです。 完成車を購入した場合などでまず一先に交換するのはス...

自然な微フレア

このハンドルで特筆すべきはこのフレア角。ほどほどで、いい感じです。微フレアという感じ。

NITTO M137AA-SSB

ここでいきなり質問です。座った状態でも、立った状態でもいいのですが、両腕を素直に前に持ち上げてみてください。そして胸のあたりで止めます。

その時、親指はどこを向いているでしょうか。真上でしょうか、それともちょっと内側でしょうか。それとも外側? (たぶんこれはないだろうw イェ〜!なポジションw)

私の場合、親指はちょっと内側を向くことがわかりました。一般的に、かつ解剖学的にどれが普通なのかは不明ですが、私の場合、フレアハンドルは合理的な形状をしているように思えました。

普通のロード用ハンドルだと、「前へならえ」的な、親指がややまっすぐ上を向くような手首の角度になりますよね。フレアハンドルだと、もう少し親指が内側に入る、リラックスした感じになり、すると上ハンポジションでも、ハンドルが暴れた時に抑えやすいんですね。

なるほどグラベルでこの形状のハンドルが人気なのはこういうわけか、と感心しました。

実際に使ってみるまでは、シフターやブレーキレバーがこんな感じに斜めになっていると手首に負担がかかるんじゃないのかな、と思っていたのですが、実際は逆でした。

NITTO M137AA-SSB

逆、というか、手の角度をあらためて観察してみると、自然にしている時はちょっと内側を向いているものなのかな、と思います(人によって違ったりするのかな?)。いずれにしても私にはなかなか良いハンドルです。

握る部分は固くて細い

いま、仮で薄手のコットンバーテープを巻いているのですが、固めのハンドルであり、しかも握る部分は細めなので、クッション性の高い厚手のバーテープのほうが相性が良さそうです。Supacazなんか合うんじゃないかな。

NITTO M137AA-SSB

もう少し慣らし運転をしたら山に行きたいところです。が、2つ問題があります。

1つはそろそろ冬になってしまうことですが、もう1つは、下ハン部が48cmと超ワイドになってしまったので、いつもの横置き輪行袋には、そのままではまず入らないだろうということ。ステムのボルトを緩めてハンドルをずらさないときっと入りません。

グラベルロードの輪行は、MTBなみに苦労します。近くにオフロードがある方、クルマを持っている方、羨ましいです。

クルマでも買うか。でも東京都心の駐車場は高いので、なかなか厳しいです。

今回紹介したNITTO M137、amazonで売ってます。実勢価格は8〜9,000円のあいだといったところ。グラベルロード用ハンドル、フレアハンドルの入門品として良いものではないかと思いました。

俺も使ってるよ〜、という方がいらっしゃいましたら、Twitterなどでご感想お待ちしています。

追記:このハンドル、その後グラベルバイクでずっと愛用しています。適度なフレア角が使いやすい、良いハンドルだと思います。ただし硬めではあるので、本文で書いたように厚手のバーテープを合わせてあります
著者
マスター

2007年開設の自転車レビューサイトCBNのウェブマスターとして累計22,000件のユーザー投稿に目を通す。CBN Blogの企画立案・編集・校正を担当するかたわら日々のニュース・製品レビュー・エディトリアル記事を執筆。シングルスピード・グラベルロード・ブロンプトン・エアロロード・クロモリロードに乗る雑食系自転車乗り。

マスターをフォローする
CBN Blog
タイトルとURLをコピーしました