ちょっとわけありの自転車のBB(ボトムブラケット)を外そうとしたのですが、とっても固くて手元にある簡易なBB工具では外れません。原因はサビで固着してしまっているか、BBがバカ力で締められたか、ネジ山が整っていないシェル(フレームの塗料が残っていたり)にBBを無理やりネジこんだか、などが考えられます。
原因はさておき、なんとかして外さなければいけません。というわけで以前から気になっていた2つの工具を入手して使い勝手を試してみることにしました。
Park Tool BBT-59.2
現行のシマノのBBには2種類の外径があります。下の記事でも詳しく紹介しましたが、現行Dura-AceとXTRのBBが外径39mm。現行Ultegra/105/SLXグレードのBBが外径41mmです。
今回私は外径41mmのシマノ互換BBを外す必要があったので、それに対応するPark Tool BBT-59.2というツールを購入しました。下の写真がそれ。なにか丼とかお茶碗みたいなかたちで可愛いですよねw ちなみにこう見えて非常に軽量です。
しかし可愛いだけでなく、この形状には意味があるように感じていました。まず深いのでBBワンをガッチリとホールドできて簡単にはずれないように見えますし、工具自体に幅があるのでハンドルを自転車本体から離して作業がしやすそうに思えました。
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BB工具は何もパークツールの製品でなくとも、シマノ純正のTL-FC37でもOKでしょう。ただ、Park Tool BBT-59.2はとにかく深くて「かかり」が良いのが素晴らしいです。
私はこれまでカンパニョーロのUT-BB13にTL-FC25のような樹脂製アダプターを挟んでBBの脱着をしてきたのですが、これが結構浅くて外れやすいのです。今回、固着したBBを外す作業では使えないだろうと思っていました。
SK11 ロングスピンナーハンドル
Park Tool BBT-59.2に合わせるハンドルとして、SK11のロングスピンナーハンドルを併せて購入しました。差込角9.5・全長380mmのロングモデルです。
ペダルでもBBでも何でも、固くて外れないパーツについて言えることですが、ツールが長ければ長いほど少ない力で強大な力を発生させることができます。てこの原理です。外れにくい精度の高いヘッドと長いハンドルを組み合わせれば確実にパーツを外せるだろう、と踏んだのでした。
SK11のロングスピンナーハンドルはこんなふうにヘッドに角度を付けられます。このため自転車から身体がちょっと離れていてもハンドルを回せます。
Shimano TL-FC36もオフセットしていますがさらに自由度が上がります。それにTL-FC36は樹脂製アダプターTL-FC25と合わせるのが前提。固すぎるBBには対抗できない恐れがあります。
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簡単に外れた!
さて、結果はバッチリ。BBT-59.2をしっかりとワンに押し付けて、ロングスピンナーハンドルの端っこを持ってグ〜ッと力をかけたところ、他のツールでは外れなかったBBをすんなり外すことができました。BBT-59.2、ぜんっぜんズレません。素晴らしい。
深さのない外れやすいツール、柄が短いツールで固着したパーツを外そうとすると、工具が滑って外れた時に工具もパーツもダメにしてしまうことがあります。そういう場合は無理せずに、こういう作業性の良い工具を使ったほうがストレスがなくて良いと思います。
必ずしも高級な工具を買う必要はないと思いますが、やろうとしている作業に対してスペックの低い工具で無理に作業すると結局高く付くことになります(実際にいろいろ壊さないと身に沁みない内容かもしれませんw)。
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