ツール・メンテナンス製品レビュー

固着して外れないボトムブラケットを外すために買ったツール【PARKTOOL & SK11のロングスピンナーハンドル】

4.5

ちょっとわけありの自転車のBB(ボトムブラケット)を外そうとしたのですが、とっても固くて手元にある簡易なBB工具では外れません。原因はサビで固着してしまっているか、BBがバカ力で締められたか、ネジ山が整っていないシェル(フレームの塗料が残っていたり)にBBを無理やりネジこんだか、などが考えられます。

原因はさておき、なんとかして外さなければいけません。というわけで以前から気になっていた2つの工具を入手して使い勝手を試してみることにしました。

Park Tool BBT-59.2

現行のシマノのBBには2種類の外径があります。下の記事でも詳しく紹介しましたが、現行Dura-AceとXTRのBBが外径39mm。現行Ultegra/105/SLXグレードのBBが外径41mmです。

シマノの現行スレッド式ボトムブラケット(2019年現在)の着脱に必要な工具
現在発売されているスレッド式(BBシェルに溝が切ってあってねじ込むタイプ)のBBを選ぶ時、まずBBシェルのネジ山が「BSA」なのか、それとも「ITA」なのかを確認する必要があります。

今回私は外径41mmのシマノ互換BBを外す必要があったので、それに対応するPark Tool BBT-59.2というツールを購入しました。下の写真がそれ。なにか丼とかお茶碗みたいなかたちで可愛いですよねw ちなみにこう見えて非常に軽量です。

Park Tool BBT-59.2

外径39mmのBBを外すPark Toolの同じタイプの工具には「BBT-49」というものがあります

しかし可愛いだけでなく、この形状には意味があるように感じていました。まず深いのでBBワンをガッチリとホールドできて簡単にはずれないように見えますし、工具自体に幅があるのでハンドルを自転車本体から離して作業がしやすそうに思えました。

PARKTOOL(パークツール) ボトムブラケットツール 16ノッチ 外径41mmφ BBT-59.2
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BB工具は何もパークツールの製品でなくとも、シマノ純正のTL-FC37でもOKでしょう。ただ、Park Tool BBT-59.2はとにかく深くて「かかり」が良いのが素晴らしいです。

私はこれまでカンパニョーロのUT-BB13にTL-FC25のような樹脂製アダプターを挟んでBBの脱着をしてきたのですが、これが結構浅くて外れやすいのです。今回、固着したBBを外す作業では使えないだろうと思っていました。

SK11 ロングスピンナーハンドル

Park Tool BBT-59.2に合わせるハンドルとして、SK11のロングスピンナーハンドルを併せて購入しました。差込角9.5・全長380mmのロングモデルです。

SK11 ロングスピンナーハンドル 差込角9.5 全長380mm SFH3L

ペダルでもBBでも何でも、固くて外れないパーツについて言えることですが、ツールが長ければ長いほど少ない力で強大な力を発生させることができます。てこの原理です。外れにくい精度の高いヘッドと長いハンドルを組み合わせれば確実にパーツを外せるだろう、と踏んだのでした。

アームやハンドルが長い工具を使うと大抵の固着したパーツを外せますが、ネジの回転方向にはくれぐれも注意しましょう。強大な力で回せてしまうので、もし反対方向に何処までも回してしまったらパーツだけでなくフレームまでメキメキメキメキ…と破壊してしまうことになります

SK11のロングスピンナーハンドルはこんなふうにヘッドに角度を付けられます。このため自転車から身体がちょっと離れていてもハンドルを回せます。

Park Tool BBT-59.2

Shimano TL-FC36もオフセットしていますがさらに自由度が上がります。それにTL-FC36は樹脂製アダプターTL-FC25と合わせるのが前提。固すぎるBBには対抗できない恐れがあります。

SK11 ロングスピンナーハンドル 差込角9.5 全長380mm SFH3L
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簡単に外れた!

さて、結果はバッチリ。BBT-59.2をしっかりとワンに押し付けて、ロングスピンナーハンドルの端っこを持ってグ〜ッと力をかけたところ、他のツールでは外れなかったBBをすんなり外すことができました。BBT-59.2、ぜんっぜんズレません。素晴らしい。

深さのない外れやすいツール、柄が短いツールで固着したパーツを外そうとすると、工具が滑って外れた時に工具もパーツもダメにしてしまうことがあります。そういう場合は無理せずに、こういう作業性の良い工具を使ったほうがストレスがなくて良いと思います。

必ずしも高級な工具を買う必要はないと思いますが、やろうとしている作業に対してスペックの低い工具で無理に作業すると結局高く付くことになります(実際にいろいろ壊さないと身に沁みない内容かもしれませんw)。

シマノ ボトムブラケット SM-BBR60 BSA 付属/TL-FC25
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著者
マスター

2007年開設の自転車レビューサイトCBNのウェブマスターとして累計22,000件のユーザー投稿に目を通す。CBN Blogの企画立案・編集・校正を担当するかたわら日々のニュース・製品レビュー・エディトリアル記事を執筆。シングルスピード・グラベルロード・ブロンプトン・エアロロード・クロモリロードに乗る雑食系自転車乗り。

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