UCIが安全面での理由からスーパータック・ポジションを禁止して以来、肘から先をドッカリ乗せられるエアロハンドルが出たり、クリス・フルームが「小指掴み」という新しいエアロポジションを開発したりと、UCIとプロロードレース選手やメーカーのあいだで「いたちごっこ」が発生しつつありますが、先日ここに新たな挑戦者が加わり話題になりました。
27-33cmのフレアハンドルで前方投影面積を極小に!
それがこちら! 狭い! そして目立ちすぎ(笑)
Like for narrower ❤️
RT to ban Dan 🚫 pic.twitter.com/4G72Xn25Te— Jacob Tipper ️ (@JacobTipper) April 19, 2021
この狭すぎるハンドルを掴んでいる選手はUCIコンチネンタルチーム・Ribble-Weldtite所属のダン・ビンガム。彼はイギリスのトラック世界選手権勝者・チームタイムトライアルのワールドメダリストで、Watt Shopというエアロパーツを手掛けるブティックブランドでチーフ・コンサルタントを務めるエンジニアでもあります。
参考 WattShop – High Performance Cycle Equipment
このハンドルは上27cm、下33cmのスーパーフレア仕様になっていて、ライドポジションはむかしよく街中で見かけた、ピストバイクを駆るメッセンジャーを思わせるほど狭いですね。前方投影面積の少なさで空気抵抗を軽減しようという試みです。この製品はWatt Shopによるプロトタイプで、近い将来市販される予定があるそうです。
前腕(forearm)がハンドルを支えているわけではないので、UCIが下の記事で紹介したような規則でこのハンドルを禁止するのは今のところ無理でしょう。ブレーキレバーもしっかり握れているので安全性の面でケチを付けることもできません。
が、UCIはこれまでにスピナッチバーをはじめ、幾度となくこうした新奇なパーツを禁止してきた歴史があり、これを黙認した場合これから次々と見慣れない・おもしろいパーツや乗車姿勢が現れてくるのは想像に難くないため、また新ルールで規制されそうな気はします。
下の記事で紹介したSpeeco ABBハンドルは現在UCIによる承認待ちだそうですが、これが認可されるかどうかで大きい流れが決まるかもしれません。
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