サイクリング中に野犬に追いかけられた経験のある方は少なくないと思いますが、海外掲示板Redditに寄せられた情報によると、犬は小型犬であってもスプリント時に時速20マイル(約32km/h)で走ることができるそうです。
出典 This is a thank you for to the reddit stranger who saved me from a terrible night
時速35km/h程度以上で数分間走り続けられるのなら危険を回避できるのかもしれませんが、地形や状況がそれを許してくれないこともあるでしょう。そして結局のところ、「より良い方法は逃げることではない」という意見を見かけたので紹介します。
逃げずに向き合ったほうが効果的
以下、スレ主氏の投稿です。
少し前にここで、サイクリング中に犬に遭遇したらどうすべきかというアドバイスを読みました。要約すると、犬に襲われた時は逃げずに、すぐに自転車を停めて犬を脅かして追い払うのがいい、という内容でした。
ちょうど1時間前、私は人気のない道をサイクリングしていたのですが、突然2匹の犬が現れて、全力で吠えながら全速力で追いかけてきました。一瞬、私は逃げようと思ったのですが、奇跡的なことにそのスレッドを思い出し、自転車から降り、犬に挑戦するかのように大声で叫び返しました。すると彼らは攻撃してくるのをやめ、走り去っていきました。アドバイスを投稿してくれた親切な人、ありがとう。
この内容については同意する意見が大部分です。
- 私はいつも、犬が絶対に追いつけないことが明白である時以外は止まるようにしています。停車することにより、犬はあなたを狩りやすい獲物と見なすのをやめ、威嚇するのをやめるからです。犬の多くは逃げていくものを追いかけるのが好きで、そうでない犬の多くは単に自分の縄張りから出ていってもらいたいのです。しかし複数の犬がいる場合は危険なので、背後でウロウロさせてはいけません
- ペダリング時の脚の動きが犬の「群本能(=herd instinct, 群れをなしたがる行動)」に火を付けます。多くの犬は攻撃したいわけではなく、私達を「正しい方向」に移動させたり、止まらせたいのです。故に、足首を狙ってきます。自転車から降りるか、ペダルをやめるだけで状況はかなり変わります。見覚えのない犬なら、自転車から降りて彼らの縄張りの外まで押していったほうが良い。しかし大部分の野良犬ではない犬の場合、ペダリングをやめて音で脅かすだけで十分です
- 私はいつも(過去2回の経験だけど)彼らから少し離れて、ボトルの水を(犬の)顔にかけるよ。すると犬の動きは止まる。これも良い方法だし、スレ主さんの方法ほど勇気は必要としません
- しばらく前に犬に追いかけられました。頭は「逃げろ」と命じました。しかしその先は行き止まりに。私は12kgある自分の自転車を頭の上に持ち上げて、叫びながら犬を威嚇しました。すると泣きながら逃げていきました
- 良いアドバイスですね、犬の99%は虚勢を張っています。攻撃的な個体なら、追いつかれた時に噛んでくるでしょう。止まって、犬に向き合って叫んだ時のほうが、逃げ切ろうとした時よりもうまく行きました
- 多くの人が停車して犬に向き合うことについて書いていますが、大事なことを1つ忘れています。自分と犬のあいだに自転車を置くようにしましょう! 犬の99%はあなたが立ち向かってきたら止まりますが、全力で向かってくる1%の犬とのあいだにバリアが必要です
- ひとつ付け加えるなら、犬をなだめすかすような、遊んであげる時のような声で話しかけると大体いつもうまくいきます。例えば「いい子だね〜!」と呼んだりするのです。すると大体いつも犬の攻撃性が薄れます。叫ぶと攻撃性を高めてしまいます。「どの子がいちばんいい子かな?」みたいなことを言うと、犬は動きをとめて、困惑してあなたを見ることがよくあります
犬に襲われた時にやるべき6つの行動
以上の情報を総合すると、もしライド中に野良犬や凶暴な犬に追いかけられ場合に取るべきベストな行動は、
- まずは自転車を止めて、降りる
- 複数の犬に追いかけられている場合は、背後に回り込ませない
- 犬と自分のあいだに自転車を置いてバリアにする
- 遊んであげるような優しい声で話しかけてみる
- それでも攻撃性が弱まらない場合は、こちらも本気で威嚇する
- ボトルの水を顔にかけるのも効果的であるので必要ならやる
ということになりそうです。いずれにしても「逃げる」のは犬の追跡・攻撃本能を刺激するだけでなく、追いかけてくる犬を気にしながらスピードを出して走ると別の事故に遭遇するリスクもあるので、やめておいたほうが無難と言えるでしょう。
現在、コロナ禍もあって人気の少ないグラベルや林道に走りに出かける方も多いと思いますが、万一野犬に遭遇した際は参考にしてみて下さい。
なおクマに遭遇した場合の対処法はまた違ってくるので、ご興味のある方は下の「クマと遭遇した場合にやるべきこと・やってはいけないこと」という記事も併せてお読みいただければ幸いです。