GoPro純正のグリップ・アーム・三脚の「3-Way 2.0」を使いはじめたのでレビューします。初代「GoPro 3-Way」の後継製品なのですがそちらは現在カタログ落ちしているので、今後はこの「2.0」のみが流通していくものと思われます。
初代3-Wayと3-Way 2.0との最大の相違点は、GoPro本体をクイックリリースでマウントできるようになったこと。そしてマウント部はかなり自由度の高いボールジョイント雲台になっているところです。この機動性の高さが購入の決め手となりました。
グリップはかなり持ちやすい
筆者はこれ以前、歩行撮影時は1000円台の無名中華製スマホ自撮り棒の先端にGoProマウントを付けて使っていたのですが、グリップ(握り)の出来が悪く、より長時間快適にVlog撮影できるタイプの製品を探していたのでした。
3-Way 2.0はフル収納状態では太めのグリップですが、滑り止めも効いていてストレスなく持っていられます。展開すると三脚になる部分は平たい面に親指を沿わせて、残りの部分を包みこむように握ると絶妙なフィット感。持ちやすさは100点です。公式サイトには「人間工学に基づいたエルゴノミックデザインのカメラグリップ」という宣伝文句が見えますが、これは偽りなし。
こういうエルゴノミクスは案外馬鹿にできないもので、握っていてあまりに快適だったため筆者は初めて被写体の周囲をグルグル回って全方向から撮影する「オービットショット」で遊んでしまいました。撮影に集中できるとあれこれ試したくなってしまうんですね。機材にストレスがないとクリエイティビティが解放されます。
ミニ三脚としても便利
アームをフルに伸ばすと下の写真ような姿になります。三脚部の上からクイックリリースプレートまでは約34.5cm。アームとして使う場合の最大全長は50cm、三脚として使う場合は最長44.5cmという感じです。全体が軽量なのでGoProの重さで倒れないように重心は工夫する必要があります。
超ローアングル設定もできます。アーム部分を限界まで畳んでしまえば、食事時にテーブルに載せて料理を撮ったりもできます(GoProは最短撮影距離が長いので寄りすぎ注意ですが、ライド中の食事紹介などには十分)。道の表面スレスレを土埃をあげて走り抜ける自転車の撮影にも使えますし、夜景やキャンプ先での星景のタイムラプス撮影でも活躍します。
雲台が秀逸
GoPro 3-Way 2.0最大の目玉機能はクイックリリースマウントと一体化したボールジョイント。360度回転できる自由雲台になっていて、固定と解除はレバーでワンタッチ。GoPro本体がそれほど重くないので、見た目は華奢でも固定力は必要十分。なおボールジョイントと固定レバーのみ金属製になっています(他はプラスチック)。
実測重量は244gで、全長20cm。高さ4.5cm、幅2.5cmと十分にコンパクトなサイズで、嬉しいことにHero 9を装着したまま、Route Werksのハンドルバーバッグに収納できました。勿論空きスペースには小物を詰め込むスペースが十分残されています。NDフィルター、予備バッテリーに鍵と財布とスマホ、余裕です。
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唯一の欠点
使い勝手の面では個人的には満点を付けたいほど便利なグリップ兼アーム兼三脚です。ビルドクオリティ的に高級感のようなものはないのですが、軽量さと強度のバランスが絶妙で、三脚部も簡単に開いてしまわないよう底面にラバーが仕込まれていて、設計はかなりの工夫を感じます。
しかし9000円という実勢価格は、さすがに高価という印象です。すこぶる使い勝手が良く決してチャチなところもないのですが、個人的な感覚では3980円くらいだったら満点なんだけどなぁ、という感じです。しかし本当に良く出来ているので、開発費・ブランド料ということで納得するしかありません。
今後中華のサードパーティから類似品が出てくるかもしれませんが、デザインを細部まで完全に模倣でもしない限り3-Way 2.0の使い勝手には及ばないような気がします。勿論、3980円でこれを凌いでくれたらそれはそれで歓迎です(笑)。
筆者はたまたまAmazonのポイントが貯まっていたので気軽に買ってしまいましたが、そうでなかったら「三脚付き自撮り棒に9000円ってどうなんだ」と思ったに違いありません。しかし結果的には、良い買い物でした。悩んでいる方にはおすすめできる製品です。