コードネーム、“nadokazu” ポチり狂う時間です。
このカートに入れた時点で、先生の負けですよ?
というわけで、本日の駄文はこちら!
KICKR STEERって、どんなアイテム?
Wahoo KICKR STEERは、バーチャルサイクリングサービス「Wahoo RGT(旧Road Grand Tours)」の最新バージョンで実装された、ステアリング機能の操作をサポートするためのアイテムです。
公式 Wahoo Fitness公式サイト Wahoo RGT
制御を担うのは、Wahoo RGTのスマホアプリ「Wahoo RGT Remote」。スマホに内蔵されたジャイロセンサーによって傾きを検出し、ゲーム内の挙動に反映させています。
KICKR STEER自体にコントローラーとしての機構は内蔵されておらず、言ってしまえば「指で押すと傾く機能を持った、スマホが載せられるトレイ」でしかありません。
とはいえ
- 上下左右の計4カ所にパドルが設置され、ブラケットポジションでも下ハンでも無理なく操作できる。
- スプリング機構が内蔵されているので、パドルから指を離せば水平に戻る。
- マウントはサイクルコンピュータのマウントを兼ねていて、本体部分はワンタッチで脱着可能。
という特長があります。
本品の仕組み自体は、極めてアナログで簡単。なので自作したり、雑に作ったりもできてしまいそう。ですが、そこはさすがにWahoo製品。KICKRブランドを冠するだけあって、いちいち細かく作り込まれているのが随所から感じとれます。
参考 Wahoo Fitnessオンラインストア Wahoo KICKR STEER
超快適!パドル操作でのステアリングコントロール!!
これまでのステアリングコントロールデバイスは、ハンドルを回したりボタンを押したりして挙動を制御していました。
けれど自転車で進路変更するときって、本来は「荷重移動によって車体を傾ける」という動作をしますよね。
なので「ハンドルを回転させる」でもなく「ボタンを押す」でもない、「傾ける」という操作での進路変更は非常に自然な感覚。挙動のさせ方として、とても納得感が高いです。
また特に優れていると感じるのが、「直進状態に戻す」という操作が不要なところ。
ハンドルの回転でステアリングを操作するデバイスだと
- ハンドルを回して進路を変える
- ハンドルを戻して直進状態にする
という、2つの操作を意識して行わないといけません。
でもKICKR STEERなら、進路を変えたあとパドルから指を離せば直進状態に復帰してくれます。傾きで制御する操作の自然さと相まって、すこぶる快適です。
ところで「ライド中の進路変更」って、そこまで楽しいですか?
Wahoo RGTではレースでも通常走行でも、ステアリング操作が常時可能になっています。進路を右に左に変えながら、車線幅を目一杯使って遊べてしまう。今までだと進路は完全にシステム任せだったので、これはかなり新鮮な体験です。
とはいえ無駄に進路を変えまくって喜んでいられたのは、ほんの数分だけ。慣れてしまうと、正直「だからどうなの?」という感覚しか残りませんでした。
そして! これだけのために!
商品価格は、実に7,500円(しかも半額セール価格で)!!
「造作のしっかりした、サイコンマウント兼スマートフォン用トレイ」の購入価格としてはちょっとお高い…と感じなくもないですが、耐え難きを耐え忍び難きを忍び感情を押し殺したうえで無理矢理納得すればギリギリ許容できる範囲。まぁ、なにしろ半額だし!(唇を噛みしめて血を滴らせてないとは言ってない)
だがしかし!
それに加えて送料が4,000円…!4,000円ですよ…!!
もちろん配送会社の皆様をリスペクトし、適正な配送料をお支払いすることに一切のためらいはありません。とはいうものの、わたくし普段はAmazonプライム送料無料の世界で生きております。送料だけで4,000円というのは、やはり悶絶級。こんな大金があったら、有償ジュエルを1,500個とデイリージュエルパックまで買えちゃいますよ?
それに、しばらく待っていたら国内代理店のインターテックさんが取り扱いを開始して、ミニマムな送料で入手できたかも!?
考えたくもありませんが、もしかしてこの買い物は…史上稀なレベルでの完全でパーフェクトな敗北…なの…では…?
ZWIFTの「Repack Ridge」で遊んでみた!
登場当時は大きな話題になりましたが、今はもう誰も走っていないZWIFTのオフロードコース「Repack Ridge」。ここのルートだけは、スマホ(ZWIFTコンパニオンアプリ)でのステアリングコントロールが可能です。
自分はこれまでスマホをホルダーに取り付け、ハンドルを回転させて「Repack Ridge」で遊んでいました。KICKR CLIMBの底面にホムセンで買ってきたシートを貼って、滑りやすくはしていたものの、操作感はお察しです。ハンドルの回転は当然のように重いし、狙ったとおりのコースに全然行ってくれずにストレス溜まりまくり。操作性は「劣悪」としか言いようがなく、「ハンドル操作」の新しさだけは感じましたがサクッと飽きました。
そんな「Repack Ridge」ですが、ここでならWahoo RGT用のアイテムであるKICKR STEERをイイ感じで転用できてしまうかも?
ということで、一縷の望みをかけて試してみました。
ZWIFTコンパニオンアプリは縦画面専用なので、縦置きにしたスマホをゴムバンドなどで固定する必要があります。ちょっと…いや、かなり不格好ですが、なんとか実用レベル。
そして、久々に「Repack Ridge」を訪問。MTBに乗り換えて、さっそくコースインしてみましょう。
果たして、パドル操作で進路を変えることができ…ました!ZWIFTコンパニオンアプリ+KICKR STEER、思った以上にバッチリ動作してくれます。
しばらく走ってみましたが、こ、これは…た、た、たーのしー!!
KICKR STEERを使った途端に「ハンドルを回転させて進路を変える」のではなく「傾けて進路を変える」という、実際の走行感覚に近い操作感を持った自転車体感ゲームに早変わりしてくれました。
パドルの操作感は、すこぶる自然。それでいて、思い通りに進路が決まります。狙ったラインをバッチリトレースできて、ハンドル回転操作で感じていたようなストレスは皆無!
指定された走行ラインを通過するゲームでは、これまでどれだけ頑張っても「★5」が精々だったのに、いきなり「★9」を獲得して新しい機材をアンロックできてしまいました。
KICKR STEERの、素晴らしい操作性。そのうえKICKR CLIMBで路面に合わせた傾斜の変化までプラスされたら、それこそ旨さ倍付け!うずらの卵と豆板醤を加えた、ねぎトロ丼(ねぎ多め)の味わいです。
走っていて、ニヤつきがとまりません。このコース、こんなに面白かったのか!と感心することしきりです。
「ZWIFTが別モノのゲームになった!」と言っても、ちっとも大袈裟じゃない。個人的には、割と革命的なバーチャルサイクリング体験でした。いやマジで。
「Repack Ridge」には、ガッツリ登坂があります。それもあって普段は近寄ることのないコースでしたが、ステアリングコントロールの気持ちよさとKICKR CLIMBとの組み合わせが楽しすぎて、思わずぶっ続けで3周しちゃったほどです。
KICKR STEERはWahoo RGT用の機材のはずですが、むしろZWIFTの「Repack Ridge」で遊ぶのに最高の機材だとしか思えません。
まとめ
やべー…この買物は失敗だ!嫁様には秘中の秘に…!と思っていたら、ZWIFTのわずか1コースだけで「完全にモトとった!」と思えてしまいました。自然な操作感で、アバターを思いのままに動かせるステアリングコントロール、ムチャクチャ楽しいです。
そして、これまでシステム任せにしていた「走行中の進路を選ぶ」という操作には、バーチャルサイクリングのゲーム性を大幅にアップできる可能性が思いっきり秘められていることを思い知らされました。
たとえば
- マンホールのフタ:避けないと滑ってタイムロスする。雨天時と晴天時でロスする時間が異なるので、晴天時は避けずに突っ切る選択もあり。
- グレーチング:斜めに走らないとパンクして大幅タイムロス(運がよかったり斜めに走ればそのままクリアできる)。
- 水たまり:通過によって少し減速するものの、泥水を撒き散らして周囲のライダーから一定時間だけ視界を奪える。
ほかにも、路面の割れ・凹みなどのリアリティを高める障害要素を追加していけば、レース時の駆け引きにさらなる要素が加えられるでしょう。
それだけでなく「加速床」「妨害アイテム」などマリオカートっぽいアイテムが加わると、よりホビー方向な楽しさを深める発展だって容易に可能になります。
もちろん、これはコントローラーのサポート機材でしかない「KICKR STEER」だけで実現できるものではありません。バーチャルサイクリングのサービス提供をされている各社様におかれましては、ぜひぜひステアリングコントロールを核にした「レースの駆け引き」「ホビー要素」の両方向での機能追加を拡大していって欲しいものです。
スマホ+KICKR STEER。これって、もはやステアリングデバイスの完成形に近い!というのが、個人的な感想です。ここまで簡単な仕組みで快適なステアリング操作ができちゃうと、ハンドル回転式の高額なステアリングデバイスって、イラナイ子になっちゃいませんか??
▼ Wahoo KICKR STEERには関連記事があります。こちらも併せてどうぞ