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ブロンプトンをスーパーでショッピングカート代わりに使うのはアリかナシか(海外事例の考察)

ブロンプトンには「カートモード」と呼ばれる様態があります。リアホイールを折りたたみ、伸ばしたままのハンドルを引くことでコロコロと車体を転がせるモードです(ハンドルをたたんでバッグの取っ手を掴んで引くのもあり)。リアキャリアがあるモデルだとより転がしやすくなります(キャリアがない場合でもある程度は転がる)。

brompton shopping cart mode

image from reddit

海外ではこの「カートモード」のブロンプトンにバスケットバッグなどを付けて、スーパーでショッピングカート代わりに使う人が少なくないようですが、お店によっては断られることもあるそうです。

出典 My Brompton Grocery cart
出典 First retail conflict in a year of Bromptoning

称賛されることも怒鳴られることも

以下、海外掲示板に寄せられた体験談をいくつかピックアップ。

  • これをやって店員に怒鳴られたことがあります。ベビーカーや車椅子はOKなのに、この状態のブロンプトンを持ち込むと世界が爆発します
  • 私は折りたたみ自転車をカート代わりに使って店員さんに怒られたことは一度もないですね。興味津々で見る人が大部分で「それ自転車なんですか?」と聞いてきますよ
  • 私もです。大部分の人は怒るというより、それいいですねぇと関心を持ってくれます
  • カナダでは全く問題になったことがありません
  • 全く反応がないこともあれば、称賛されることもあります。しかし今日Kroger(アメリカのスーパーマーケット)で会計をしていたら警備員がやってきて「自転車を中に入れてはいけません」と言われました。ショッピングカートよりも小さくて、ホイールが4つあって自転車としては乗れない折りたたみの状態なのに!
    私「これは私のカートです」
    警備員「それは自転車です」
    私「自転車にもなりますが、いまはカートの状態です」
    警備員「次からは外に置いておきなさい」
    私「(ケンタッキー州サウス・ルイビルの屋外に置いておくことを一瞬考えてから)そうすることはないでしょうね」
    警備員「じゃあ次にやってきたら追い出すからな」
  • (上の人に)本部に連絡して、公式ポリシーを聞いてみると良いでしょう。イギリスではブロンプトン・オーナーに辛く当たるスーパーはTwitterで晒し者にされます

よくわからないものは禁止したほうが会社側はラク

この件を考えるにあたって「日本のスーパーマーケットでブロンプトンをカート代わりに使うのはアリかナシか」という問題はひとまず度外視。というのも、日本のスーパーは通路が狭い(ことが多い)。車椅子で通れない通路や、そもそもショッピングカートが使えないお店も多数あります。

一方で北米のスーパーはものすごくでかい(ことが多い)。例に出ているKrogerもショッピングカートが余裕ですれ違えるほど通路が広い。そういう店舗でブロンプトンのカート代わりの利用を禁じる「合理的な」理由はあるかと考えると、基本的には「ない」だろう、と私も思います。

ショッピングカートよりも小さい。タイヤが衛生的でない、というなら、ベビーカーや車椅子のホイールも同じことだし、そもそも徒歩の人のシューズのほうがより衛生的だ、という議論にもならないでしょう。

Krogerの警備員さんが「自転車だからダメだ!」と主張したことについて、掲示板では「power trippingという感じがするね」という意見があります。「power tripping」とは「無意味な命令を下すことで、自分が他人を支配しているという喜びを得る」こと。警備員さんとして、他人に命令し従わせることは「やりがい」に繋がるのかもしれません(承認欲求充足の一形態)。

他の可能性としては「自転車はどうするか」についての明確な規程がないため「決まりがないものは禁止したほうが楽だからそうなるのだろう」という論理も挙げられています。いちいち個別のケースを勘案して対応するのは面倒だから、よくわからないものは一律で禁止してしまったほうが良い。と考える企業は少なくないでしょう。

ブロンプトンの持ち込みを許可したら、今度はカゴ付きのクロスバイクを引き入れる人が現れてきて、その後はバックパックを背負ったMTBを引き入れる人が現れて… と、お店側からすると「どれはOK、どれはダメ」と説明するのが大変でしょう。だからまとめて禁止したほうが簡単。そういう論理はあるのだろうと思います。すると、これは別の意味で合理的な対応とも言えそうです。

もし店舗が「ダメ」といったら(そして警備員さんが会社に代わって禁止する権限を与えられているなら)それには従って、他の店舗を利用するしかないでしょうね(Krogerでも他の店舗ではOKのこともあるらしい)。日本なら「施設管理権」という法律になり、施設のルールには従う必要があります(施設側のほうが偉い)。

イギリスのスーパーでは全然怒られないというのは羨ましいですね(さすがお膝元)。日本のスーパーではどんなに通路が広いところでもブロンプトンをカート代わりに使うのは認められないだろう… と思ったのですが「いや、うちの近所のスーパーでは怒られません」という情報がありましたら、是非教えてください。日本にそんなスーパーがあったらすごいですね。

著者
マスター

2007年開設の自転車レビューサイトCBNのウェブマスターとして累計22,000件のユーザー投稿に目を通す。CBN Blogの企画立案・編集・校正を担当するかたわら日々のニュース・製品レビュー・エディトリアル記事を執筆。シングルスピード・グラベルロード・ブロンプトン・エアロロード・クロモリロードに乗る雑食系自転車乗り。

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