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Wahooが創業者らによる資本再構成で負債を一掃、倒産の危機回避へ

今年に入ってから会社の格付けが下げられ続け会社の存続が危ぶまれていたWahooですが、倒産の危機を脱したというニュースが昨日、複数の海外メディアで報じられました。

Wahoo KICKR 2018

Wahoo KICKR (2018) – photo by nadokazu

出典 Wahoo eliminates all debt with recapitalization
出典 Wahoo Fitness Founder Buys Company Back from Banks

以下、出典元の記事から要点をピックアップ。具体的な取引内容は明かされていませんが、創業者が複数の新規パートナーの協力を得て会社を買い戻したようです。

  • Wahoo Fitnessは新規・既存投資家からの資本増強により負債を一掃したと伝えている
  • 創業者のChip Hawkinsが資本再構成を主導した。内容は秘匿であるが、これにより同社は大きい現金の流動性を得られた
  • イノベーションへの投資や、提供する製品・サービスの幅を多様化させることで、会社の成長とカテゴリーにおけるリーダーシップを伸ばせるようになる
  • CEOのMike Saturniaは、これには数ヶ月間の激務とチャネル・パートナーからのサポートが必要だった。サプライチェーンや小売・流通パートナーに感謝したい、と語っている
  • 3ヵ月前にWahoo Fitnessは債務返済を求める15の銀行によって経営を奪われていた。さらに「パートナー」でありオーナーであるプライベートエクイティのRhone Groupが資本の再注入を拒んでいた
  • Chip Hawkinsは「3つの対等な関係のパートナー」とともに会社を買い戻し、もういかなる借金もなく、バランスシートは超健康な状態にあると語る。これにより製品開発に関する長期的な視点やスマートな広告活動を含む通常経営が可能になるという

経営悪化の影響で、Wahooはインドアトレーニング・プラットフォームの「SYSTM」やSpeedplayから買収したペダル部門を切るのではないか、との憶測が海外のWahoo製品愛用者のあいだで囁かれていました。

スマートトレーナー市場は完全に飽和してしまっており、なかでもWahooの製品群はプレミアム価格帯のものが多いため、Zwift Hubのような低価格トレーナーと戦っていく必要があります。製品ラインナップの見直しや、評価の高いカスタマーサポートによって埋め合わせされてはきたものの、製品の不具合発生率も抑えていく必要もあるのでしょう。

今回の資本再構成によって未来が薔薇色になったわけではなく、何らかの選択と集中は避けられないように見えます。どのような経営戦略を取っていくのか注目したいですね。

それでもひとまずホッとするニュース。「Garminオルタナティブ」として根強い人気を誇るWahooのサイコンも、当分は安心して買えそうです。

著者
マスター

2007年開設の自転車レビューサイトCBNのウェブマスターとして累計22,000件のユーザー投稿に目を通す。CBN Blogの企画立案・編集・校正を担当するかたわら日々のニュース・製品レビュー・エディトリアル記事を執筆。シングルスピード・グラベルロード・ブロンプトン・エアロロード・クロモリロードに乗る雑食系自転車乗り。

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