そのカーボンフレームでロードバイクの世界を牽引・席巻してきたフランスの老舗TIME。同社が2016年にロシニョールに売却されて以来、販売成績が奮わずブランドが危機にさらされていることは今年の3月にお伝えしました。
関連 TIMEの昨年の売上は約半分にまで減少、カーボンフレーム製造からの撤退も視野に
そして今月6月5日、TIMEの新しい運命が決まりました。フランスのE-BIKEスタートアップにTIMEの全てが売却されます。
WhatTTfornowなるE-BIKEスタートアップに全事業を売却
この件についてBicycle Retailerが簡潔にまとめています。
参考 Rossignol sells TIME brand to French e-bike startup
参考 Rossignol Group sells Time bikes to French start-up WhaTTfornow
- ロシニョール・グループはTIMEのバイクとペダルのビジネスを創業4年のE-BIKEブランドであるWhaTTfornowに売却すると発表した
- ロシニョールは2016年の買収以来、販売目標を達成できてこなかったTIMEのかわりに今後はFELTやロシニョールブランドの自転車で市場活動に集中していく
- 北米TIMEオペレーションの広報によると少なくとも売却が完了するこの夏の終わりまでTIMEのペダルやバイクは入手可能である
- プレスリリースによると売却は、スロヴァキア・ガジャリでのカーボンフレーム・フォークの生産やフランス・ヌヴェールのロシニョール工場で生産されるペダルの設計・マーケティングまでのTIMEの全ての活動を含む
- ロシニョールはヌヴェールの工場を保持したままWhatTTfornow向けにペダルを製造することになるようだ
これからのTIMEはどうなる?
半年や1年といった短いスパンでは、TIMEの既存のバイクやペダル等の製品の入手が難しくなるということは恐らくないでしょう。
しかしその後は何が起こるのでしょうか?
WhaTTfornowという会社はE-BIKEのスタートアップ。買収したTIMEのカーボン製造に関するノウハウの吸収にも興味はあるものと思われますが、どう考えてもTIMEというブランド、TIMEの看板を使いたいというのが買収の最大の動機ではないかという気がしますが、どうでしょうか。
下はWhaTTfornowのE-BIKE。バッテリーが格納されていそうなぶっといシートチューブが印象的です。
来年はちょっと早いかもしれませんが、2年後、3年後にはこのシートチューブにTIMEロゴがあしらわれたモデルがたくさん市場に現れたりするのかもしれないですね。
ところで「E-BIKEではない普通のロードバイク」はどうなるのでしょうか?
それは不明ですが、E-BIKEのスタートアップ企業が従来のTIMEユーザー向けにロードバイク新製品を開発・供給していく余力や興味があるかどうかと考えると…
ちょっと厳しいのではないでしょうか。私達がイメージする「TIMEの普通のロードバイク」は、2020年モデルが最後になるような予感がします。TIMEファンの方は最後の思い出に買っておいたほうが良いかもしれません。