Ortliebのサドルバッグ、Micro Twoのレビュー記事です。筆者は近年「サドルバッグ」というものを多用していません。荷物が多い場合はバックパックやパニアバッグを使うので、小物ならそちらに入ってしまいますし、フロントバッグも使っているからです。工具類はツールボトル。
しかし最近ツールケースに入れていたチューブレスタイヤ用チューブ(パンク時用)を移動させる必要があり、眠っていたこのMicro Two(マイクロ2)を再び使ってみました。すると、オルトリーブ製品のちょっと不思議な魅力を再発見するに至ったのでした。
オルトリーブ最小のバッグ
筆者所有のOrtlieb Micro Twoには、よくわからない点があります。というのも、購入時この個体は「0.6L」とされていたのですが(型番は「F9651」)、現在オルトリーブ公式サイトを見ると「0.8L」と「0.5L」の2つのバリエーションが存在しています(写真からは外観の違いは判別出来ず)。筆者のものは多分「0.5L」ではないかと思います。同社製品としては恐らく最小のバッグです。
このサドルバッグ、あまりモノは入りません。外観・内容ともにミニマリスティックで(個人的には)カッコいいのですが、取り付けには専用のアタッチメントを必要とします。単純にチューブとタイヤレバー程度が入るミニマルなサドルバッグであれば他社からも魅力的な製品がいくつか出ており、Ortlieb Micro Twoには何ら特殊な優位性はないようにも思います(※防水ではあるけれど)。
実際、私がこの日にこのサドルバッグに入れていたのはグラベルタイヤのパンク時用のチューブだけ。この太いチューブとタイヤレバーは難なく入ります。CO2カートリッジも入れようと思えば入れられますが、この日はチューブだけ(工具類は他の車体と使い回しするツールケースに入っているので)。
このサドルバッグ、内部には凸部の大きいプラスチック・リベットがあります(写真下)。同社の「サドルバッグ2のL型」では、これは改善されているのですが、この突起による収納力低下が気になる方はホームセンターで低頭ネジを買ってきてDIYすると良いでしょう(私は特に改造していません)。
オルトリーブとミニマリスム
もともとあまり容量のあるサドルバッグではなく、太めのチューブを入れて若干余裕がある程度です。しかしバッグにせよ、メンテナンスに使う工具箱にせよ、自転車を置く空間であるにせよ、「ギチギチにモノを詰め込まない。少し余裕がある収納・配置のほうが良い」と最近は思っています。
自転車は元来「効率」が良い乗り物なので、自転車乗りのマインドは自ずと「最大効率」を求める傾向にあるような気がしているのですが、「マックスが10なら7〜8くらいの内容に留めておく」のもなかなか気持ち良いものです(中身が空洞によってガタガタ動かない限り)。
このOrtlieb Micro Twoは、単体で見れば大きいセールスポイントや独自の魅力のある製品ではありません。「ミニマル」という視点から見ると、よりコンパクトで軽量なサドルバッグは他にもあります。
しかし私が今回このMicro Twoをたまたま付けてみたのは、同社「サドルバッグ2」のミドルサイズモデルである1.6L版も持っていて、時々使っているからなのです。Micro Twoだけを見ると、このサドルへのアタッチメントは過剰なものです(アダプター込みの実測重量110g程度・アタッチメントのみで36g程度ではありますが)。
しかし必要に応じて極小から極大まで1つのアタッチメントで対応できるというのは大きい魅力ですね。オルトリーブには「全部これで揃えたい」と思わせる魅力があります(TOPEAKやBlackburnにもありますね)。
オルトリーブ製品全般に言えることですが「ものすごく手触りがいい」とか「超軽量で超多機能で超親切!」という感じはありません。むしろ「ほどほどの重さ、機能も最低限」なものが多いです。しかし「不思議な安心感」があります。筆者はサドルバッグ以外にもパニアバッグ等、いくつかのオルトリーブ製品を使っているのですが、同社のこの「ミニマル傾向」が気に入っています。
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