ぼくは物欲星人のnadokazu。
自転車用品を購入するために、
旅をしてるっピ!
というわけで、本日の駄文はこちらだっピよ!
ブルベに衝動エントリー!こぼれたミルクは戻らない。
いきなりの自分語りですみません!実は「ブルベ」に、初めてエントリーしました。
ブルベとは、パーソナルカラーの元になる色分類で、青みよりの肌のこと…ではあるのですが、自転車絡みだと意味が変わります。
ブルベとはノーサポート・自己責任の長距離サイクリングイベントで、タイムや順位には拘らず制限時間内での完走を認定するものです。
私も自転車乗りの端くれですから、もちろんブルベの存在は知っています(主に2次元ちほーからの情報による)。
ですがエントリーしようなんて、これまで考えたこともありませんでした。
なにしろ走行距離は「最低200kmから」と、ロングすぎにもほどがあります。しかも普通の自転車イベントなら参加者は「お客さん」ですが、ブルベは根本から異なった自己責任が問われる世界(ですよね?)。本来であれば不勉強で無責任で底辺の走行スキルしか持たない、自分のような雑魚が参加していいものではない、と断言できるでしょう。
それなのに!
自分の経験値とか脚力とかを一切鑑みることなく、『よーし、パパ「ろんぐらいだぁすとーりーず!!」のイベントに参加しちゃうぞ!』ぐらいの、極めて軽い認識とノリでエントリーを完了させてしまいました。
そして数日後、エントリーリストに自分の名前が載っていることを確認してから、改めて思ったのです。
「ぼくは とんでもないことを してしまったっピ…」
真っ青になって衝動エントリーしたことを悔やみまくっても、覆水が盆に返ることはありません。
距離の暴力!走行200km。
これまで何度も申し上げているように、自分はどこに出しても恥ずかしい、へっぽこゆるポタガチ勢です。200km超の走行経験なんて自転車人生の中で、数回しかありません。
いや、だって「200km」って、明らかに頭がおk…普通の範疇から大きく逸脱した距離ですよね?
たとえば、アルプスあづみのセンチュリーライドの160kmコースを走り終えたあとで、「ゴールだと言ったな。あれは嘘だ。このまま木崎湖まで戻れ!」と言われる。
とか
霞ヶ浦をフルで一周して這々の体で土浦駅まで戻ったら、「岩瀬まで行って戻ってこなければ、電車には乗せないよ!行きな!!」と、追加走行を強制される。
もう想像するだけで恐ろしいレベルで、まさに地獄!100%の確率で人間性を喪失し、生命維持に明確な支障をきたす走行距離だと言えるでしょう。
しかも!
日本国内を200kmも走ったら、「峠越え」を避けようがありません。
つまり「ブルベ」とは、へっぽこ自転車乗りの視点だと
- あり得ない長距離を走って、体力に大ダメージ
- 峠越えがあるので、脚力に大ダメージ
- ゴールと違う方向に進むことを強いられて、メンタルにも大ダメージ
という致死量のダメージ要素がてんこ盛りされた、無理ゲーイベントなのです。
思い返せば、今を去ること10年以上前の2009年。千葉200のコースを、勝手にトレースして友人と走ったことがありました。そのときのmixiの日記を読み返してみると、いや、もう散々な目に遭ってます。
鴨川有料道路を登ってる途中に道路にへたり込んだり、脚が尽きて少しの坂でも自転車を降りて休んでからじゃないと進めなくなったり。丹原林道の登坂途中で精魂尽き果てて押し歩きしたときは、よくよく考えたら普通に遭難直前でしたね。ええ。
「ごめんなさい 3月末の自分さん
正気の沙汰じゃなくて ごめんなさい
無謀なエントリーして ごめんなさい
自分で自分に地獄を見せて ごめんなさい…」
時間内ゴールが無理でも、200km走れるようになっておきたい。
「アップダウンありまくりの200kmを、制限時間(13時間半)内で走破する」
どう考えても、自分の走行能力では無理だとしか思えません。
もう認定時間内の完走どころか、ゴールできずに途中で玉砕だって普通にあり得るレベルです。スタートする前から、やばいフラグがあちこちに立ちまくり。見えているのは、泣きながら輪行袋(ルビで「ルーザーズバッグ」)に自転車を詰める悲惨な未来だけです。
なんですが!
後泊の宿を現地で予約しちゃっていますし、駐車場にはクルマも置いてあります。走り出したら、スタート地点への帰還は「必須」です。どれだけ時間がかかっても、どれほどツラい思いをしようとも、200kmを走破しなければなりません。
それに参加する前から
「完走は無理っピ もう諦めてるっピよ…」
という態度では、運営にご尽力されている皆さまに、あまりにも失礼というもの。エントリーした以上は、本番当日までに200km走れるようになっておきたいところです。
200km走れるようになる、たったひとつの冴えたやり方。
では、どうすれば200kmという、常軌を逸した距離を走れるようになるでしょうか?
その答えは、至ってシンプルです。
「200km走る」それだけ。
だってそうでしょう? いくら高負荷で100km走れるようになったとしても、200km走らなければ「200km走れるようになった」とは言えません。
200km走ることだけが、200km走れるようになるための、たったひとつの方法なのです。
すみません!すみません!粗大ゴミやテクトロのキャリパーブレーキを投げるのやめてください!
そんなわけで、意味ナッシングで無駄なあがきかもしれないけれど、月末のブルベまでに200km走ってみることが、自分の中で決定してしまいました。
200kmチャレンジは確定。じゃあ、どこを走る?
「200km走ってみる」と決めたのはいいですが、悩みどころは「それを、どこでどう実施するのか」という点。横浜から宇都宮まで往復すれば、ちょうど200kmになりそう。ですが、宇都宮か…
よみがえるハズレ餃子の記憶に、心の中に満ちていく黒いヘドロ状物質。宇都宮という場所に罪はありませんが、わざわざトラウマエリアに向かうのもなぁ…。
と、そこに…降りてきたぞ…天啓が!!
「DAHON K3で、りんりんロードを200km走ればいいじゃない!」
土浦駅(茨城県土浦市)から、岩瀬駅(茨城県桜川市)まで。片道約40kmの、つくば霞ヶ浦りんりんロード(旧筑波鉄道コース)。そこを2往復半すれば、ちょうど200kmになります。
▼ 参考記事
そして、あえてロードバイクではなく「DAHON K3」を使うこと。それこそが、プランのミソです。走行性能にハンデのある3段変速の小径折り畳み自転車を使うことによって、
- 平坦でラクチンなぶんはプラスマイナスゼロ(適当)。
- 信号ストップがほぼない分もプラスマイナスゼロ(雑)。
そのうえで、
- 一般車両が進入してこない安全な走行環境の担保。
が可能になります。
無謀な200km走行チャレンジを、自転車専用道で安全に実施。しかも小径車を使って、平坦コースでラクチンなぶんをキチンと帳消しにする。うーむ、我ながら完璧すぎるプランです。
え? ここまでの長文ぜんぶが「ネタ行為に強引な理由づけをしてるだけ」ですって?
「わ わかんないっピ…」
実際に行ってみた。
2022年3月20日。りんりんロード200km走行チャレンジの、決行予定日が来てしまいました。前日は夜に雨が降っていたので、朝は路面がウェット気味のはず。なので出発時間を少しずらし、なるべく乾いた路面を走れるように調整することにしました。
いつもは4時起床予定のところを、6時に起床して駅に向かいます。
別にスヌーズ切って寝過ごしてなんかいないし、ましてやキタさんやブライトさんの育成で夜更かししていたわけではありません。育成をいくら繰り返してもBランク止まりとか、意味わかんないんですけど!
それはさておき、今日は品川駅からの乗車です。
ホームに降りる前に、もちろん駅弁売り場へ向かいます。ショーケースの中をのぞいてみると、あった!!牛タン弁当!! サクッと購入して着席したら、紐を引っ張り加熱開始。
ほどなくして、お弁当はホカホカになりました。
それではいただきましょう!蓋、オープン!!
あれ??? 仕切りで分かれて置かれているはずの牛タンが、ご飯の上に乗ってる!そして、厚切りだった牛タンが薄切りになってる!!
混乱する脳内。確かに思い返すと会計金額が、微妙に安かった気が。そうか、こっちの仕様への切り替えがあったから、前のときは欠品してたのか…!
突然の仕様変更にはビックリですが、まぁ肉汁をご飯が吸いまくってくれるので、この仕様でも無問題ではあります。そもそも、厚切りより薄切りの方が好みですし。
だがしかし!
牛タンの枚数がご飯に対して、微妙に不足気味。ご飯が余ることはないですが、余裕があるわけでは全然ない。ご飯を気持ち多めに食べ進めたり、唐辛子味噌を積極的に使うなど、気を使わないといけない感じでした。
そうこうしていると、電車は土浦駅に到着。スタート時点で2時間遅れなので、ゴール時刻は真っ暗闇になることがすでに確定。というか、日付が変わらないうちにゴールできるんだろうか…。
往路(土浦→岩瀬)1回目
もはや何度目かもわからない、見慣れた風景の中を進みます。早く走らないと、陽が落ちてしまう!そんな焦りから、ペダルを無駄に踏み込みたくなります。けれど、今日は以前と事情が違うのです。とにかく、脚力温存に努めないとやべーです。
自制…自制…心の中で呟きながら進みますが、それにしてもスピード遅すぎない? 沿道を注視してみると、いつの間にか木の枝が大きく揺れるレベルの向かい風が吹きまくっていました。
いつもの遅いペースよりさらに遅いスピードで進み、ようやく岩瀬駅に到着。
走行時間:2時間11分 平均速度18.32km/h
復路(岩瀬→土浦)1回目
普段なら、さあ折り返しだ!という気分になるのですが、今日はあと2回、ここに来る必要があります。そして「160km」という、たっぷり残った走行距離。絶望感が、もう半端ありません。
…このまま電車に乗って、帰っちゃおうかな。
という思いが胸の片隅をよぎりますが、そんなわけにもいきません。涙目になりつつ、1回目の復路スタートです。
走り出すと、猛烈な追い風。復路(岩瀬→土浦)は微妙な下りなので30km/hで巡航できた区間もあり、瞬く間に土浦まで戻れました。
走行時間1時間39分 平均速度24.24km/h
今日は間違いなく夜間走行があるので、プレイアトレ土浦の自転車屋さんでリアライトを購入して装着。
往路(土浦→岩瀬)2回目
まだ半分すら走り終えていないという、厳しすぎる現実に絶望しながら2回目のスタート。走り始めた直後は向かい風に苦しめられたものの、途中から無風になってひと安心。とはいえ、微妙に上りなのでスピードの乗りは全然です。
途中に1本だけ満開になっている梅の木があったのでサクッと撮影しつつ、ヘコヘコ走って岩瀬駅に2回目の到着。
走行時間:2時間13分 平均速度18.05km/h
復路(岩瀬→土浦)2回目
さあ、復路です。頼んだぞ、追い風!…と思ったら、吹いてきたのは猛烈な向かい風。アイエエエエ!ナンデナンデ??
踏んでも踏んでも、自転車が前に進んでくれません。つ、辛い…。
しかも、途中で休憩に入ったセブンイレブンでは、イートインを申告して10%の消費税を払ったのにイートインスペースが使用中止になってます。おいいいー!どゆことー!?
そしてセブンイレブンからの再出発後も、風の状況は一切変化なし。これ1回目の復路と本当に同じ道なのか!?というキツさです。
土浦に戻る頃には、とっぷりと陽が落ちてしまっていました。
走行時間:2時間25分 平均速度16.55km/h
往路(土浦→岩瀬)3回目
「あと40km走らないといけない…」という絶望。そして「岩瀬に着きさえすれば、終了できる…」という思いを入り交じらせながら、土浦のプレイアトレから3回目の出発。
りんりんロードは、漆黒の闇の中。誰もいない道で、ひとりペダルを回し続けます。追い風気味なので、160km走ったあとの脚でも20km/h近いアベレージが出せるのは僥倖でした。これで向かい風だったら、途中で諦めて土浦に引き返していたかも。
そして闇の中のりんりんロードで見えるのは、VOLT800が照らす範囲だけ…と思っていたら、車止めに取り付けられた巨大な反射板が
「うぉっ!まぶしっ!!」
と声が出るレベルで光りまくり。安心感極大。
普通の脚力を持ったライダーさんがロードで走る速度域でも、これなら安全に走行できるでしょう。この整備のされっぷり、実に素晴らしいです。土浦市とつくば市には、たっぷりとお金を落とさなければなりませんね。
そして残り20kmぐらいになって、ようやくゴールが見えてきた頃、ぽつ、ぽつっと顔にあたる水滴。Yahoo!天気をチェックすると「24分後に雨が降り始めます」というアラートが!
途中のセブンイレブンで、レインウェアを買っておいた方が? と思うものの、カバンの中に着替えはあるし、このまま行っちゃうことを決断。全力でペダルを踏んで、なんとか雨が降る前に岩瀬駅に到着できました。これにて200km走破実験終了です!
走行時間:2時間12分 平均速度16.55km/h
9時頃出発して、20時頃にゴール。トータルでは、11時間ちょうどぐらいですね。
DAHON K3はすばらしい。以上!
とまぁ、そんなわけで、なんとか200km走りきることができました。Stravaにログをアップしたら、Local legendになっていてビックリです。
これはひとえに、「DAHON K3(シュワルベ・ビッグアップル装着)の走行性能が、14インチ折り畳みとは思えないほどの高いレベルにあったから」と言うほかありません。
DAHON K3は200km走行をこなせてしまう、希有な実力を持った小径折り畳み自転車である。今回の実験によって、それは間違いなく証明できたと言えるでしょう。
そして、走行に最も影響するのは「風」だということを、改めて思い知らされました。往路・復路に関係なく、風の具合ひとつで、りんりんロードは神にも悪魔にもなります。
それにしても向かい風のトラウマを除くと、走行中の記憶が思いっきり希薄です。なぜでしょうか?
思い当たる点がひとつ。
一般車両の進入がなく、信号ストップもほぼゼロのりんりんロード。極めて安全性の高い環境ゆえに、通常の公道走行時に不可欠な「ルートをトレースしたり、周囲の状況に気を配る」といった部分に、脳内リソースがまったく割かれていません。
つまり、ほぼ全行程で「半分気絶しながらペダルを回すマシーンと化していた」だけ。
200km走れることは確認できても、そもそもの動機である「初参加する200kmブルベで、ゴールまで戻れるようになっておく」という点は何も検証できていません。ブルベの開催日までもう休日は無いので、追加検証も不可能。結局、当日まで何もわからないままです。
さらに!
平坦とはいえ、200km走り続けてズタボロ。帰宅後、布団に入っても「眠りたいのに、疲れて眠れない」という感じで、夜中に何度も起きてしまいました。そして翌日は肩、背中、腰、脚、腕だけでなく、全身がダルさと疲労感に苛まれます。風呂に入ろうが横になろうが、「ずっと不快」。これ、走ってるときよりツラいっピ。
おかげでタイ古式マッサージ代を、追加出費する羽目になりましたよ…。
というわけで、「DAHON K3で200km走ってみた結果」を、以下にまとめます!
貴重な休日を、まるごと消費。ただでさえ少ない体力と脚力は底を尽き、筋繊維も回復不能なレベルで崩壊。これだけの犠牲を出したにもかかわらず、得られたものは何ひとつない…。
人、それを「徒労」と言う!