“nadokazu、自虐しろ。”
…ありえない…
この私が…
というわけで、本日の駄文はこちら!
キャリミの走行性能を、他の小径車と比べてみたい!
8インチホイールに、変速機構なしの駆動系。格納状態の比類無きコンパクトさと引き換えに、キャリーミーの走行性能は一般的な小径スポーツ自転車に及びません。
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とはいっても実際のところって、どんなもんなんだろう?
これからキャリミと共に自転車生活を送るにあたって、自分がほかに持っている自転車とどこまで走行性能が違うのか把握しておけば、プランニングはより完璧になるでしょう。
なので、実際に走って確かめてみることにしました。
そうだ りんりんロード、行こう。
行き先は、みんな大好き「つくば霞ヶ浦りんりんロード」。片道約40kmのド平坦が続く、旧筑波鉄道コースを一時停止以外はノンストップで往復走行します。
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過去にブロンプトンとDAHON K3で同じように走っていますから、割と客観的な比較データが取れるでしょう。
まぁ所詮n数が少なすぎて、単純比較でもそれどうなのよ?というレベル。検証でもなんでもないことは、元より承知の上。それこそ、ただの自虐行為でしかない。ですが「データがなんにも無いよりマシ」ではありますよね。
キャリミでりんりんロードを走ってみた【往路篇】
いつものように、上野駅6時4分発の常磐線に乗車します。快適な普通車グリーン席でグダグダしていたら、アッという間に土浦駅に着いてしまいました。
プレイアトレの入口は、桜の装飾が施されてイイ感じ。もうすぐ、ベストシーズンですよねー。
桜の季節のりんりんロードは本当に最高なので、関東在住の自転車乗りは全員行っておくべきだと強く強く主張したいです。
連絡通路の組み立てスペースで、ロードの皆さんが時間をかけて輪行解除しているのを横目に秒で組み立てを完了させます。折り畳み自転車で、上から目線になれる唯一の瞬間(私は最低の人間です)。
そうそう、キャリーミーはギア比が低め。今日は高ケイデンスでペダルをクルクル回す走り方になるはず。なので、サドルは普段より若干低めを意識してセットしました。
新川サクラ通りのりんりんロード入口でiPhoneのストップウォッチを起動させたら、いよいよノンストップ40km走行×2という人体実験サイクリングのスタート。これから数時間後には、間違いなくズタボロになる絶望の未来が確定しています。
そんな現実とはうらはらに、気分はウッキウキです。なにしろ空は雲ひとつない快晴で、ハーフフィンガーグローブでも全然大丈夫な気温。絶好のサイクリング日和です。
そして、どこまでも続く、相変わらずの平坦路。明るい日差しのもとで蓮根畑を眺めながら走っていると、多幸感に満たされます。りんりんロードって本当にイイ道だなぁ…という想いを、今日も上書きしました。
さてさてキャリミなのですが、案の定ペダルを必死に回さないとちっとも進んでくれません。とはいえ内装変速のブロンプトンのような、スピードが乗らない感じは皆無。踏んだら踏んだだけ、きっちりペダルが回ってくれます。
それだけにすぐ回しきってしまって、速度はあっという間に頭打ち。周りに誰もいないのをいいことに最高速にもチャレンジしてみましたが、自分の脚力だとサイコン読みで28km/hが限界でした。30km/hは、下り坂でないと無理!!
「高めのケイデンスでクルクル回し続けることを強制される」こと以外、ブロンプトンやDAHON K3と比べても、走っていて特に違和感はありません。
ハンドルやクランク、ペダル、サドルといったフレーム周りのパーツも十分な剛性感があるように思えます。少なくとも「ゆうみは跨がった瞬間に理解してしまった」レベルの貧弱さは皆無です。走り出したあとの直進安定性も、相当に普通。路肩の白線の上だって、特段神経を使うことなくトレースできてしまうのには驚かされました。
メインフレームもタイヤも駆動系も、あらゆるパーツが低い位置にある低重心な構造が効いているのでしょう。極小のホイールサイズを、ちっとも感じさせないです。キャリミの走行性能は決して高いとは言えませんが、その実力が確かなものであることはキッチリ感じ取れました。
特筆すべきは、極小径ホイールと低いギア比に起因するのであろう走り出しの軽さ。一旦停止からの再スタートでも、シッティングのままペダルを回してスムーズに加速が可能です。この発進加速の気持ちよさに、思わず脳内でドレミファインバーターの音がこだまします。
うおォン、俺はまるで人間京急1000形だ!
などとアホなことを考えつつ走って、土浦駅から40km離れた岩瀬駅に到着。往路はケイデンス90〜100rpm、だいたい19〜21km/hというスピードでの巡航になりました。
速度はゆるポタ以下なのに、必死のペダリングを強いられる。当たり前ですが、この辺は極小径シングルである限りどうしようも無いところ。とはいえ20km/hで巡航できるなら、割と悪くないペースなのでは?
それを実現できる俺様の脚力も、捨てたモンじゃないよなぁ(ニチャア…)。
キャリミでりんりんロードを走ってみた【復路篇】
岩瀬で少しだけ休憩したら、すぐ復路走行に入ります。同じペースで走れば、トータル4時間程度で往復できちゃいそう。脚のライフにはまだまだ余裕がある感じだし、土浦までは微妙に下り基調です。実は大差が付かなかった、という結果だってワンチャンあるかもよ?
なーんてことを思った瞬間、向かい風に頬を張り倒されました。
この瞬間、私は宇宙の全てを理解したのです。
そうか…「今日はなんだか普段より調子よく進むなー!」とか思っていたら、単に「追い風に乗っていただけ」だったんですね…。絶望。
追い風という強力なバフを失い、向かい風の激烈なデバフを受ける。調子に乗って高ケイデンスでペダルを回し続けた疲労まで上乗せされて、タダでさえ低い自分のパフォーマンスは地の底にまで急降下しました。
ここからが
ほんとうの
地獄だ…。
低トルクでクルクル回したいのに、向かい風のおかげでペダルの重さが激増。ひと踏みするごとに、脚力がごっそり奪われます。疲労で踏み込みが弱まり、ケイデンスはガタ落ちで巡航速度も低下する一方…。
まさに、デス・スパイラルと言うほかない状況。へっぽこ脚なりに気持ちよく走れた往路の印象は、もはやどこにもありません。
スタンディングでトルクをかけて…とも思いましたが、そこは極小径車。バランスを取る難易度が、割と高めでした。安定して立ち漕ぎするには、ちょっと練習の必要ありかも。
結局いつものように、すべての感情を喪失してペダル踏みマシーン化。普段の数割増しの回転数でペダルを回してるのに、ちっとも前に進まない…向かい風つらい…。
ようやく土浦に戻る頃には、精魂尽き果てまくって脚のライフは完全にゼロ。昼食に向かう意欲もなく自転車を畳んで改札内に突入し、倒れ込むように普通車グリーンの座席にへたり込みました。
こんな結果でした!
つくばりんりんロードの旧筑波鉄道区間をキャリーミーで往復したところ、所要時間は約4時間46分で、平均速度は約17km/hという結果でした。
過去の結果は、
6速ブロンプトン(105クランク、デュラBBに換装済み)で、約3時間20分/約24km/h。
DAHON K3(ビッグアップル換装済み)で、約3時間30分/約23km/h。
DAHON K3(ノーマルタイヤ)でも、約3時間50分/約21km/hになります。
これまでの最遅記録に対して、所要時間で1時間近くの差。ブロンプトンと比較すると、実に1時間30分近くの差になりました。
80kmの高ケイデンスサイクリングを終え、真っ白な灰と化しました。座席に座って「これでようやく休める…」と思った、次の瞬間!!
ビキイイイイイ!!という脳内効果音と共に、大腿部に走る激痛。
脚が!!攣ったぁああああ!!ぐわああああああ!!
ちょっと脚を曲げた拍子に予想外の激痛に襲われて、落ち着いて座っていることすらままなりません。ドラッグストアで芍薬甘草湯を買って飲むまで、苦しみが続きました。
…終了!!!
まとめ
同じ距離を走るのに、ブロンプトン比で約1.4倍の時間がかかる。平坦路のりんりんロードでコレですから、アップダウンが加わると差は広がりこそすれ縮むことはないでしょう。いくら輪行がラクチンでも、走行性能の低さでそのメリットは雲散霧消してしまいます。
そうなると、さすがに「自分の脚力では、“走ることを楽しむ”という使い方での活用は難しい」と結論づけるしかありません。
だがしかし!
「ストップ&ゴーが、思いのほか苦になりにくい」
というのは、極小径車であるキャリーミーならではのストロングポイント。チョイ走りして一旦止まって、またまた次の場所に移動して…という感じで「止まる/走る」を頻繁に繰り返すような楽しみ方が、自分にとってはキャリミの得意分野になりそうです。
キャリミはブロンプトンやDAHON K3と比較して、ハッキリと遅い。そりゃそうです。ホイール径が段違いに小さい、別カテゴリーの自転車ですから。他と同じように扱うのは、そもそも無理があります。キャリミならではの特長をしっかり見極めて使ってあげることが大切なのだと、りんりんロードで80km走ってみて再認識しました。
というわけで、次は沼津の見どころをゆるっと巡る計画でも立てましょうかねー。