心にあるピュア物欲
輝いていて
一秒ごとボタンを
ポチりたいnadokazuです。
というわけで、今回の駄文はこちら!
- 結論、「iGPSPORTS iGS800」の勝ち!
- サイコンを買うなら、Garmin Edge530でよくない?
- 不満はないけど、後継機を検討したい!
- Garmin Edge530を買い換えるなら、Egde1050が順当だよね!
- iGPSPORTSとBrytonが気になる!
- iGPSPORTS iGS800をポチってみた。
- Bryton S810をポチらざるを得ない、深刻な事情。
- 「iGPSPORTS iGS800」「Bryton Rider S810」のスペック比較と、個人的基準による勝敗判定。
- パッケージの豪華さ「iGPSPORTS iGS800の勝ち」
- 同梱品の内容「iGPSPORTS iGS800の勝ち」
- 表示セグメント数「互角」
- 経路情報を画面に常時表示させたときの表示セグメント数「互角」
- ナビの進路変更アラートのわかりやすさ「Bryton Rider S810の勝ち…?」
- 表示されるデータの桁数「iGPSPORTS iGS800の勝ち」
- 物理ボタンの数「iGPSPORTS iGS800の勝ち」
- タッチスクリーンロック/解除の手間「Bryton Rider S810の勝ち」
- 絶望メーターの腹落ち具合「iGPSPORTS iGS800の勝ち」
- センサーのバッテリー残量警告アラート「Bryton Rider S810の勝ち」
- 画面解像度「iGPSPORTS iGS800の勝ち」
- バッテリー容量「データ不足で比較できず」
- 日本語ローカライズ「Bryton Rider S810の勝ち」
- リアビューレーダーの表示「iGPSPORTS iGS800の勝ち」
- 走行データの管理と表示「サイコン単体では、iGPSPORTS iGS800の勝ち」。
- 見た目「Bryton Rider S810の勝ち(個人の感想です)」
- iGPSPORTSのスマホアプリは、かなりいい感じ!
- Brytonのスマホアプリは、なんだかマニアック!
- 未だにGarmin優位と感じる、 iGS800にもRider S810にも搭載されていない機能。
- Bryton Rider S810の、ちょっとモニョった体験。
- まとめ:ポチるなら、どっち?
- iGPSPORTSで選ぶなら「BiNavi」じゃないの?
結論、「iGPSPORTS iGS800」の勝ち!
あれこれ書いていたら、えらい長さになってしまったので最初に結論から。自腹で両機を購入して使い比べながら500km超を走りましたが、見出しの通り「iGPSPORTS iGS800の勝ち」です。以上!終了!
特に最新のファームウェア「V1.60」のアップデートが神。これで「Bryton Rider S810」に負けていた部分が、ほぼ皆無になっています。
個人的にはフカヤさんの取り扱いであるBrytonを応援したい気持ちもありますし、アプデが入って状況が変わったら手のひらひっくり返す気満々。ですが、現状だと超えられない壁を感じてしまっています。
以下、そんな結論に至ったグダグダな経緯です。
サイコンを買うなら、Garmin Edge530でよくない?
サイクルコンピュータは、GarminのEdge530をずっと愛用しています。オーバーナイトで走っても追加充電が不要なバッテリーの持ち(今でこそ当たり前ですがホンの数年前はロングライド時にGPSサイコンの途中充電は普通でしたからねぇ…遠い目)、レーダーやパワーメーター、さらに電動コンポとの接続などなど、そのスペックは「必要十分以上」。買ってからもう5年以上経つというのに、いまでも普通に快適に使えています。
不具合らしい不具合にも遭遇したことがなく、気になるのはロングライド中、ごくたまにセンサー(特にレーダー)と謎の切断が発生する程度。トラディショナルブランドのミドルグレードモデルとして、執筆時点でもカタログ落ちせずに販売が継続されているロングセラー機の実力は伊達ではありません。
ハードもソフトも、いい感じに枯れていて安心感抜群。そのうえ、みんなが使っていて関連情報がいくらでもある。Garmin Edge530こそ「間違いの無い1台」だと言えるでしょう。
それが今なら3万円代で買えちゃうんですってよ、奥様!
もう四の五の言わずに、Garmin Edge530でいいじゃん!終了!!
不満はないけど、後継機を検討したい!
というわけで、「Garmin Edge530買っておけば間違いない」というのが結論。つまり愛用しているサイコンの買い換えを考える必要性なんて、これっぽっちもありません。
なんですが!私の耳元で、物欲の魔獣が囁くのです。
「やっぱり、画面は大きい方がいいよね?」
「物理ボタン操作もいいけど、タッチパネルが便利なの知ってるよね?」
「いまどきMicro USB Type-Bは、もう存在が許されないよね?」
などなど。それは、まさに悪魔の呟き。
でもまぁ、確かにGarmin Edge530をずいぶん長いこと使ってきました。そろそろ買い換えを考えても、許されるタイミングのはずです。それに「検討するだけ」ならお金はかかりません。考えるだけ考えて、別に買い換える必要ないじゃん!という結論に辿り着けばいいだけ。
そう、見るだけならタダですよ、タダ!!
Garmin Edge530を買い換えるなら、Egde1050が順当だよね!
こんな感じで後継機探しをはじめたのですが、そもそも最近のサイコン事情ってどうなっているんでしょう?Edge530が普通に使えすぎていて、情報収集の必要性を感じなかったので完全に浦島太郎になっています。なにがどうなってるのか、サッパリわかりません。
でも、大丈夫!
サイコン選びに迷える子羊が「絶対に間違いのない選択」をする方法が、ひとつだけあります。それは、
「Garmin Edge1050を買う」
以上!
なにしろトップブランドの、最新フラッグシップ機です。それだけで、もう心の中の購入満足メーターは最大値を振り切ります。
万にひとつ、いや那由他にひとつの可能性として、不満を感じる事象があったとしましょう。けれど「トップブランドのフラッグシップ機で不満を感じること」が、他のモデルで解決できるでしょうか?
仮に致命的なネガに気付いてしまっても「Garminのフラッグシップでコレなんだから、もうしゃーない!」と諦めの境地にすぐ到達できます。つまり、何があっても不満を感じることは実質「ない」と言えるのです。
よーし、じゃあGarmin Edge1050をポチるとしますか!
いち、じゅう、ひゃく、せん、まん、じゅうまん……じゅうまん!?
じゅうにまんろくせんはっぴゃくえんーー!!!!
買い換え検討は、即座に終了しました。
iGPSPORTSとBrytonが気になる!
そこで気になってくるのが、新興メーカー製の高コスパハイエンドサイクルコンピュータ。なにしろブランドを背負って立つフラッグシップモデルが、Edge1050の半額以下で手に入るのです。気にならないといえば、ウソにしかなりません。
そんな高コスパハイエンドサイコンを展開する2大ブランドといえるのが「iGPSPORTS」と「Bryton」でしょう(※根拠はありません)。個人的には無料で2台のサイコンをくれた大恩のあるCOOSPOさんも忖度して名前を挙げたいところですが、エントリーモデル中心のラインナップなので今回は選外。
▼ 参考記事



iGPSPORTS iGS800をポチってみた。
まずはiGPSPORTSのフラッグシップモデル(当時)、iGPSPORTS iGS800の販売ページを見てみました。
いい感じの大画面で、タッチスクリーン操作可能。バッテリー持続時間は、実に公称50時間で、コネクタはもちろんUSB-TypeC!パッと見のスペックは、Garmin Edge1050にすら肉薄しています。
「でも、お高いんでしょう…?」
と、思ったら!!Garmin Edge1050の半額どころか、3分の1に迫る価格。とんでもねーコスパの高さに、改めて驚かされます。
その直後、事件が起こりました。
何者かに、後頭部を物欲のグーパンで殴打されたのです。私は気を失ってしまい、気がつくと玄関で宅配便を受け取っていました。
Bryton S810をポチらざるを得ない、深刻な事情。
2025年の1月末のことです。創業110年の歴史を持つ自転車用品商社のフカヤさんが、業界向け展示会に一般人の参加枠を設けてくれました。
ありがてぇ…ありがてぇ…。発表前の新商品が見られたり、(ピーーーーー)社様から(ピーーーーー)なお話を聞けたりして非常に興味深かったです。
▼ 参考記事


自分みたいな底辺自転車乗りにとっては、実に希有な機会。そんな機会を設けてくださったフカヤさんの取り扱い商品を購入して、少しでも恩を返したい!そして、来年もぜひぜひ同じ取り組みをしてもらいたい!
という気持ちになるのは、人として当然の感情だと言えるでしょう(次はいちいちSNS掲載の確認は取らないで、撮った写真や聞いた話をリークしまくってやるYO…!)。
あとリアビューレーダーについてキッチリ比べようと思ったら、サイコンとレーダーはメーカーを揃えないとハンディキャップ戦になっちゃって公正な評価ができないですよね。
よろしいでしょうか?これは、決して何も考えずに物欲の衝動に身を任せた結果などではありません。
フカヤさんには、恩義があります。その恩に報いるためには、多少…いや激烈に…財布が軽くなる…というかマイナスになるのは、もはや致し方ないことだと言えるでしょう。
そのうえリアビューレーダーの公正な検証という「社会的使命」すらも、同時に果たせる。
▼ 参考記事


これは「誰かの役に立つかもしれない」という、切なる思いから始まった行動。私利私欲のためではないんです。人としての責務なのです。反論、ございませんよね?
「iGPSPORTS iGS800」「Bryton Rider S810」のスペック比較と、個人的基準による勝敗判定。
そんなわけで期せずしてiGPSPORTSのフラッグシップモデル(当時)と、Brytonのフラッグシップモデルを所有することになりました。
そうしたら、やることはひとつです。横並びで装着して、いろいろ比べながら走ってみました。執筆時点までの走行距離は、両モデルとも500km超。そこで感じた個人的に気になる部分を、個人的な基準で比べて、個人的に勝敗を判定しようと思います。
つまり、以下はn=1の妄想・妄言です。
パッケージの豪華さ「iGPSPORTS iGS800の勝ち」
iGPSPORTS iGS800 日本国内向け(たぶん)スリーブ+化粧箱
Bryton Rider S810 化粧箱
大事なのは中身。豪華で高そうな箱に入っていても、意味なんてありません。むしろ箱なんて簡素でいいから、中身に予算かけてよ!
と、思わなくもないですが、「豪華な箱を開封する」という体験は捨てがたいもの。そんな「パッケージの豪華さ」については、完全にiGPSPORTS iGS800が優位です。
メインビジュアルにクリス・フルームを起用したスリーブ(表面に製品写真がない!)は、おそらく日本国内向けの専用デザイン。化粧箱には厚みがあって、ひと昔前のアップル製品を思わせます。正面と左右に箔押し加工がされているほか、フタの開閉はマグネット固定式です。豪華すぎィ!
Bryton Rider S810のパッケージも、箔押しにPP加工と決して質素ではありません。けれど、iGPSPORTS iGS800のパッケージの豪華さには、さすがに追いついていない印象です。
同梱品の内容「iGPSPORTS iGS800の勝ち」
iGPSPORTS iGS800 シリコンカバー、マウント、USBケーブル、保護フィルム(貼付済み)、マニュアル
Bryton Rider S810 マウント、USBケーブル、ストラップ、マニュアル
iGPSPORTS iGS800にはサイコンと一緒に買いたいオプションが、概ね同梱されています。追加で購入する必要が、ほぼありません。そのうえスクリーン保護フィルムは貼付済みなので、気泡に怯えながら貼り付け作業する手間もなし!と、もう至れり尽くせり。
Bryton Rider S810の同梱品は、きわめて普通。可も無く不可もありません。
あ、でもUSB-CケーブルのコネクタがL字タイプなのは、地味に嬉しい。これは、なんかこう「わかってらっしゃる!」という感ありますね。
表示セグメント数「互角」
iGPSPORTS iGS800 最大12セグメント
Bryton Rider S810 最大12セグメント
1画面内で表示可能な項目数については、どちらも12セグメントで互角でした。さすがに全部を使って走ることは無いと思うので、あとは「どれだけ自分好みの画面に表示項目を整理できるか」がポイントになってくるでしょう。
両機とも表示項目と分割パターンは、スマホアプリから設定が可能。ですが、あらかじめ用意されたパターンの中からしか選べません。
自分は4セグメントを使ったグラフィカルな速度表示が、アナログメーターっぽくて大好物。で、その4セグメントをつかった大型の項目配置が、iGPSPORTS iGS800はセンター固定。
一方のBryton Rider S810は、上部固定です。このセグメントは、両機とも自由に位置を変更することができません。このあたりは「もうちょっと自由度があればいいのになぁ」と、思ってしまうところです。
あと、表示セグメントの設定はスマホアプリよりも、サイコンで直接操作した方が選択肢が多かったりします。ここも謎。
経路情報を画面に常時表示させたときの表示セグメント数「互角」
iGPSPORTS iGS800 経路情報+6セグメント
Bryton Rider S810 経路情報+6セグメント
サイクルボールやブルベ、それに各種のイベントなど「指定されたルートに沿って走る」サイクリングでは「正しいルートをトレースできているのか」が走行中いちばん気になるポイントです。経路情報を表示する画面にしておけばミスコースしていないかを常に確認できる状態で走れて、進路変更するポイントの接近も認識が可能。
自分の場合は、ブルベやサイクルボールではこの画面がデフォルトになっています。とはいえ、サイコンなんだから計測している走行情報も表示してもらわないと困ってしまう。
なので「経路情報と同時に表示できる走行情報の項目数」は、個人的にスペックとしてかなり重要視しているポイントです。
Bryton Rider S810は、経路情報と最大6セグメントのデータが表示できる仕様。もうちょっと地図の表示部分を大きくしてよ!とは思いますが、項目としては納得できる数です。一方ファームアップ前のiGPSPORTS iGS800は、経路情報と同時にできるのは2セグメントのみ。ここは、Bryton Rider S810に完全敗北していました。
なんですが、ここに神アプデが!
ファームウェアV1.60で、iGPSPORTS iGS800も経路情報と最大6セグメントのデータが表示ができるようになりました。しかも地図パートが大きく、残り距離や縮尺表示はそのまま。あと、地図が見やすい!
誘導のポップアップ表示で行き先が隠れて結局どっちに曲がるのか不明瞭になるところにだけは閉口していますが(消せないのかな、コレ…)、ほぼ個人的な理想を満たしています。あとはスマホみたいに、画面最上部に小さく現在時刻とバッテリー残量を表示してくれれば完璧に思えるのですが。
ナビの進路変更アラートのわかりやすさ「Bryton Rider S810の勝ち…?」
iGPSPORTS iGS800 進路変更カ所までの距離と曲がる方向、進路情報
Bryton Rider S810 進路変更カ所までの距離と曲がる方向、進路情報、簡易地図
iGPSPORTS iGS800もBryton Rider S810も、「アラートに表示された進路変更ポイントまでの距離」と「実際の距離」が整合している印象は非常に希薄です。進路変更する交差点に進入しているのに、あと数十メートル先だと表示されるケースも少なくない感じ。
なので「進路変更ポイントまでの距離と曲がる方向」だけの情報だと、複数の道が入り乱れる場所では「どの道に曲がれば正確なのか?」が、ものすごく判断しづらいです。
そんなときにありがたいのが、Bryton Rider S810の進路変更アラート。簡易的な地図も一緒にポップアップ表示されるので、視認している道路の線形と正しいルートを照合可能。距離表示が雑でも、どこをどう曲がればいいのか判断しやすいです。
もとはベクトルデータのはずなのに、なんでジャギっとるねーん!!と、思いっきりツッコミを入れたいところではありますが「経路情報表示なしの画面で走行しているとき」に進路変更するケースでは、もうBryton Rider S810が圧倒的に優位。
…と、思っていたのですが!このアラートが出るのって、「ここが進路変更ポイントである」とサイコン側で判定したときだけなんですよね。
実は「わかりにくい進路変更箇所でアラートが出てくれなかった」なーんてケースもあったりします。ダメじゃん!!!
じゃあ、やっぱり経路情報の画面を表示しながら走りたい!となると、こんどは地図情報が二重になってしまって、せっかくの情報量がむしろ邪魔になっちゃう。残念ーーーッ!!
なかなかピッタシいかないねぇ、サイコン(元ネタがわかる方は昭和世代)。
表示されるデータの桁数「iGPSPORTS iGS800の勝ち」
iGPSPORTS iGS800 斜度も小数点以下1桁パーセントまで表示できる
Bryton Rider S810 斜度は整数パーセント、ほかにも整数表示項目あり
iGPSPORTS iGS800では速度(グラフィック表示時)と斜度が、小数点以下1桁まで表示されます。
ですがBryton Rider S810は、速度(グラフィック表示時)と斜度のどちらも小数点以下1桁の数値を表示してくれません。
グラフィック表示時の速度はともかく「斜度」は、自分みたいな貧脚にとって生命維持に関わるきわめて重要な数値。より細かな数値で表示してもらえるほうが、絶対にありがたいです。
まぁ「泣きながら押し歩きする」という結果は同じですし、そもそも計測精度はどうなのよ?という点は不明瞭。さらにGarmin Edge530でも、斜度は整数パーセントでの表示です。「この小数点以下1桁の斜度表示、本当に意味あるの?」と問い詰められたら、間違い無く口ごもります。
でもでも!ここはミドルグレードモデルのBSC300Tでも小数点以下1桁パーセントで斜度を表示してくれる、iGPSPORTSを素直に褒め称えるべきですよね?
物理ボタンの数「iGPSPORTS iGS800の勝ち」
iGPSPORTS iGS800 6ボタン
Bryton Rider S810 4ボタン
iGPSPORTS iGS800は、本体左側に1、右側に3、下部に2の合計6ボタン構成。
キャンセル操作は左側、項目選択と決定は右側。計測開始/停止とLAPは下部。という感じで操作とボタン配置の役割分担がキッチリされていて、物理ボタンだけでの操作性も相当いい感じに思えます。かなり多機能なサイクルコンピュータですが、タッチスクリーンロック中でも物理ボタンでほぼすべての操作が可能です。
Bryton Rider S810は、左右それぞれ2ボタンの合計4ボタン構成。
「選択項目の切り替え」に割り当てられたボタンが無いので、物理ボタンだけ(タッチスクリーンロックの状態)だとサイコンの基本機能(計測スタート/停止、LAP、画面切り替え)ぐらいしか操作できません。まぁ全部の機能を物理ボタンで操作するのは、いくら操作性が高くても閉口モノなのでBryton Rider S810の割り切り方も全然アリでしょう。
あと物理ボタンの仕上げは、iGPSPORTS iGS800が「各ボタンの機能を示すアイコン」。Bryton Rider S810は、「すべてのボタンがスリット加工仕上げ」です。ボタンのアイコンを見ながら操作はしないし、滑り止め効果も期待できる。ここについては、Bryton Rider S810の考え方を推したいところです。
ちなみにGarmin Edge530は物理ボタン操作機なのに、項目選択と決定で右側ボタンと左側ボタンを行ったり来たりさせられて今でも戸惑います。Edge530さん、タッチパネル機のiGPSPORTS iGS800に物理ボタンの操作性で敗北してない?
タッチスクリーンロック/解除の手間「Bryton Rider S810の勝ち」
iGPSPORTS iGS800 ロック/ボタン押下1回+画面タッチ1回またはボタン押下4回 解除/ボタン押下4回
Bryton Rider S810 ロック/解除ともボタン押下1回
iGPSPORTS iGS800のタッチスクリーンロックは、電源ボタン長押し→「タッチスクリーンロック」をタップ(or物理ボタンで選択/決定)という操作。解除は電源ボタン長押し→「タッチスクリーンロックの解除」を物理ボタンで選択/決定という操作です。特にタッチスクリーンロックの解除には、別々の物理ボタンを計4回押下する必要があります。
Bryton Rider S810は、ロック/解除とも電源ボタン長押し1回のみ。「操作の手数」という視点だけだと、明らかにBryton Rider S810が優位です。
絶望メーターの腹落ち具合「iGPSPORTS iGS800の勝ち」
iGPSPORTS iGS800 長い登坂を、容赦なく長い登坂として表示
Bryton Rider S810 長い登坂を割と細かく区切って表示
iGPSPORTS iGS800は「iClimb Pro」。Bryton Rider S810は「Climb Challenge 2.0」という名称で、登坂に入ると両モデルとも斜度や残りの登坂距離を表示する専用の画面に切り替わります。坂が心底イヤで仕方がない自分みたいなダメ脚野郎にとっては、まさに「絶望メーター」以外のナニモノでもありません。
ですが「この先、どんな地獄が待っているのか」という絶望レベルを予め知っておくことで、少なくとも心の準備ができます。それに「このカーブの先で登坂が終わる…と思ったら、まだまだ続いてたー!!」という、根拠のない希望的すぎる憶測でむせび泣く悲劇の発生も回避可能。設定で切り替わらないようにすることもできるみたいですが、ここはデフォルトのままにしています。
そしてこの機能なんですが同じルートデータを読み込ませても、登坂箇所の数や登坂距離は異なる数値が表示されるので互いに独自のアルゴリズムで処理してる様子。
iGPSPORTS iGS800が「長い長い登坂を容赦なく長い長い登坂として突きつけてくる」のに対して、Bryton Rider S810は「長い坂を割と細かく区切って提示してくる」感じです。
悪夢の登坂地獄、サイクルボール伊豆いち(走行距離121.4km/獲得標高2,995m)のルートデータを読み込ませると、表示される登坂ポイントはiGPSPORTS iGS800が「9箇所」であるのに対して、Bryton Rider S810では「11箇所」。
数が多い分きめ細やか…というわけでもなさそうで、iGPSPORTS iGS800が登坂として認識しているのに、Bryton Rider S810では登坂扱いしていない箇所もありました。
実際に走ってみましたが、登坂の表示に違和感が少ないのは「iGPSPORTS iGS800」のほう。
Bryton Rider S810は、登坂が継続しているのに途中でわざわざ分割しちゃってる感じ。風早峠に向かう長くて斜度のやべー坂を登っている真っ最中なのに「登坂終了!」と表示されたのには、心の底から閉口しました。これiGPSPORTS iGS800を併用して表示させていなかったら「登坂終わったー!…それなのに、どうして坂が続くの?」と、絶望に身を焦がす展開ですよ!?
センサーのバッテリー残量警告アラート「Bryton Rider S810の勝ち」
iGPSPORTS iGS800 反応なし
Bryton Rider S810 eTapのバッテリー残量警告を表示
Bryton Rider S810で、eTapのバッテリー残量が少なくなった旨の警告画面が出ました。iGPSPORTS iGS800も接続していましたが、そっちはなんの反応も無しです。
そうなると、ここはBryton Rider S810に軍配を上げざるを得ません。iGPSPORTS iGS800は表示項目に「電動変速のバッテリー残量」があるので、そっちを使え!ということかもしれませんが、それで1セグメント埋める気にはなれませぬ。
画面解像度「iGPSPORTS iGS800の勝ち」
iGPSPORTS iGS800 320pixel × 480pixel
Bryton Rider S810 282pixel × 470pixel
iGPSPORTS iGS800の画面比率は2:3と、わりと一般的で安定感のある縦横比。一方のBryton Rider S810は、約6:10(=0.6:1)と縦長になっていて、縦横どちらも画素数が少なめ。iGPSPORTS iGS800との比較で、約2万1000ピクセルの差がある計算です。
あと、Bryton Rider S810の画面解像度は公式サイトに記載がなかったので、Y’s RORD船橋様のブログの記載を参照しました。
バッテリー容量「データ不足で比較できず」
iGPSPORTS iGS800 2050mAh
Bryton Rider S810 公開されていません。
iGPSPORTS iGS800のバッテリー駆動時間は、公称50時間超。Bryton Rider S810も、ほぼ同等の公称50時間(「超」が付かないだけ)です。
でもこれって測定条件をはじめとした、外部要因で影響受ける数字ですよね。それなら、より客観的な指標としてバッテリー容量(mAh)で比較がしたいところ。
で、調べてみたところ、iGPSPORTS iGS800は2050mAh。一方、Bryton Rider S810のバッテリー容量は非公開のようです。むむぅ…画面解像度もそうですが、ハードウェアスペックを公式のページでもうちょっとオープンにして欲しいなぁ。
日本語ローカライズ「Bryton Rider S810の勝ち」
iGPSPORTS iGS800 妙な日本語を見かける
Bryton Rider S810 妙な日本語をあまり見ない
ここ完全に「個人的な印象」にしか過ぎないのですが、iGPSPORTS iGS800を使っていると機械翻訳丸出しの日本語が目に付くことがあります。
一方Bryton Rider S810のほうは、妙な日本語をあまり見かけない感じ。フカヤさんが代理店に入っているので、ネイティブチェックが入っているのかも?
ただ、使われているのが日本語フォントじゃないので、微妙な違和感はありまくりです。フカヤさん!ここもなんとかして!!
リアビューレーダーの表示「iGPSPORTS iGS800の勝ち」
iGPSPORTS iGS800 オフセット
Bryton Rider S810 オーバーレイ
iGPSPORTS iGS800にリアビューレーダーをペアリングさせると、他の表示項目を少しだけ横にオフセットして、レーダー用の表示エリアが設けられます。リアビューレーダーの動作時にも、表示内容が隠れることはありません。
Bryton Rider S810は、リアビューレーダーの情報を発報時にオーバーレイで表示。なので、表示項目の一部が隠れます。
一時的にしか表示されない情報に、表示スペースを割かないという考え方は理解できるし全然アリ。
とはいえ、個人的には表示された内容を隠さない、iGPSPORTS iGS800の考え方が好きです。
走行データの管理と表示「サイコン単体では、iGPSPORTS iGS800の勝ち」。
iGPSPORTS iGS800も、Bryton Rider S810も、走行ログやトレーニングログの管理機能を持っています。遠征帰りにサイコンを見ながら、今日のサイクリングを振り返ってニヤニヤできちゃう。素敵!
スマホのアプリやStravaに転送されたデータを見ればよくない?とも思うのですが、サイコンだけにしか表示されない情報があったりするんですよね。このあたりは、iGPSPORTS iGS800のほうが項目が充実しているし、画面表示もいい感じです。
個人的な注目は、iGPSPORTS iGS800の「回復状況」。これってGARMINで言うところの、ボディバッテリー的なヤツですよね。
先日、淡路島を半周(66.54km/317mUP)しただけで「お前の身体は終了してるよ」的な表示をされたので、これアテにできないんじゃない?とは感じていますが、単純にオモシロいです。
Bryton Rider S810のほうもライドを振り返るデータ表示は可能ですが、項目数や内容、それに見せ方もiGPSPORTS iGS800には及ばない印象です。
見た目「Bryton Rider S810の勝ち(個人の感想です)」
iGPSPORTS iGS800 平面液晶、画面比率2:3
Bryton Rider S810 2.5D液晶、画面比率6:10
自分が最も重要視する評価指標である「見た目」については、Bryton Rider S810の見映えが頭ひとつ抜けていると感じます。
縦長の画面比率は、令和最新版スマホ的。液晶のフチがラウンドして盛り上がってる2.5D液晶と相まって、実にスタイリッシュです。2.5D液晶には保護フィルムが貼りにくいというネガがあるものの、見た目の良さの前には些事!
Bryton Rider S810の見た目に、iGPSPORTS iGS800の画面表示が組み合わされば「ぼくのかんがえたさいきょうのさいくるこんぴゅーた」になるんですけどねぇ。
iGPSPORTSのスマホアプリは、かなりいい感じ!
GarminやBrytonのスマホアプリは、サイコン用とリアビューレーダー用で別々になっていてファームウェアアップデートのチェックやデバイスの設定時にそれぞれのアプリを立ち上げる必要があります。
それに対してiGPSPORTSは、複数種のデバイスがひとつのアプリから管理可能。バッテリー残量の確認、各種設定の変更や、ナビゲーションデータや走行ログの転送、センサーの接続にファームウェアアップデートに至るまで、いちいち別アプリを立ち上げる必要がありません。画面デザインやUIも洗練されていて、非常に快適な使い心地です。
難点があるとすると、日本語が一部怪しいところと、サイコンで表示できるデータなのにアプリでは表示できないデータがある点。「回復状況」とか、アプリでも表示してくれればいいのにー。
あと、起動するたびに同社の最新モデル「BiNavi」のプロモーション画面を強制的に表示しやがる最低な仕様(しかも微妙にスキップを押すのを我慢できる時間で画面が切り替わるのが、実に小賢しい)について罵詈雑言を書き連ねたのですが、7月に入ってから出なくなったみたいなので以下1万2000文字ぐらいカットです。
Brytonのスマホアプリは、なんだかマニアック!
Brytonのサイクルコンピュータ用スマホアプリ「Active」は、下部にメニューを集約して機能を切り替えていくインターフェイスです。走行ログの管理、ナビゲーションデータの管理と転送。サイクルコンピュータの設定やセンサーとの接続など、ひと通りの機能は過不足なく揃っています。
画面デザインについてはiGPSPORTSのアプリに一歩譲りますが、項目の細かさが凄い。驚いたのがeTapをペアリングさせていたら、ギアの操作までを記録していたこと。前後ギアの変速回数や、どのギアを最も多く使ったかまで振り返ることができちゃいます。なんというマニアックさ!
ちなみに悪夢の登坂地獄、サイクルボール伊豆いち(走行距離121.4km/獲得標高2,995m)を走ったときに最も多用したギアは、当然インナーローdeath!!
未だにGarmin優位と感じる、 iGS800にもRider S810にも搭載されていない機能。
1点だけあります!それは、ギアの警告音。Edge530にeTapをペアリングしていると、ギアが最トップ/最ローに変速されたとき「これ以上変速できないよ!」ということを、アラート音で知らせてくれます。
登坂中にこのアラートを聞かされると「もうギアを軽くできないのか…」という絶望に襲われますが、画面を見ずともギアポジションがわかるという、ありがたい機能でもあります。
iGPSPORTSもBrytonも、この機能だけはありません(…よね?)。どうして?実装するの、割と大変なのかな?
あとリアビューレーダーのほか、スピードセンサーやケイデンスセンサーなどのバッテリーのバッテリー残量警告についても、発報頻度を高く感じたのはGarminです。
Bryton Rider S810の、ちょっとモニョった体験。
何も考えずにGarmin互換のアタッチメントに装着して使っていましたが、フカヤさんのブログによるとBrytonのマウントはGarmin互換ではなく「あくまで独自規格」とのこと。


株式会社 フカヤBLOGより引用
そんなわけでマウントをGarmin互換タイプに変換するパーツが、公式販売されています。レコメンドされていたので何も考えず一緒にポチったのですが、これ「Sシリーズに対応」という記載なのにBryton Rider S810には非対応じゃん!Amazonの販売ページに、大きく注意書きしてよーー!!
ちなみにBrytonのグローバルサイトではRider S810用の「Conversion Kit V2」がシレっと掲載されていますが、日本語サイトではヒットせず。もしかして、国内未販売なの?


Brytonのグローバルサイトより引用
別にマウント交換しなくても装着できることはできるので、購入費用以外に大きな実害はありません(開封しちゃったから返品できなくなったので、欲しい方いたらDMください。あげます!)。とはいえ、これはちょっと…かなり…残念なユーザー体験でしたね。
まとめ:ポチるなら、どっち?
正直、微差しかないです。どちらを購入しても、後悔はしないでしょう。一長一短があって、どちらにも軍配は上げられません。
…と書くつもりでした。
なんですがiGPSPORTS iGS800のV1.60バージョンアップで、Bryton Rider S810に負けていた「経路情報表示時のデータ項目数」などが互角になりました。
しかも「地図が見やすい」「絶望メーターの腹落ち具合」「斜度が小数点以下1桁まで表示できる」という、個人的高ポイント部分の優位まである。というわけで、Bryton Rider S810に大規模アップデートがなければ
iGPSPORTS iGS800とSR miniの組み合わせが、現時点の個人的ベストチョイスです。
そして、そんな両機を使いまくってからも「間違いのない選択」だと、断言できちゃうのがGarmin Edge530。未だ色あせない性能、痒いところに手が届く機能。枯れたモデルになって、増していく一方の信頼感。やっぱGarmin Edge530でいいじゃん!と、心の底から思えます。
iGPSPORTSで選ぶなら「BiNavi」じゃないの?
iGS800をポチってから販売された、iGPSPORTSの新型「BiNavi」。画面の表示も洗練されてるし、価格も安い。いまはなんだか、「BiNavi」のほうがフラッグシップ扱いになってるみたいです。
「こっちのほうがよくない? 」
「iGS800と比べてみたくない?」
と、物欲の魔獣が耳元で24時間囁き続けています。正直、気になって気になって仕方ありません。
でもでも!マップ+6項目のデータ表示が可能になった、iGS800の満足度は非常に高いのです。そしてなによりiGPSPORTSアプリの「BiNavi」プロモーション画面強制表示の記憶が脳裏に残り続ける限り、「BiNavi」をポチるつもりはありません!
プライムデーで大幅割引になっても、ポチりません!
実はずっとカートに入ってますが、ポチりません!
私は、決して屈しない!!
止めて…誰か…この手を…止めて…。