最近あれ、おかしいな、と思ったことがあります。それはTacxのツール、自転車整備工具に関することです。これは私が所有している同社のブレーキシューチューナー。水色っぽい青色が印象的です。
この製品、最近どうも色が変わってグレーになったらしいのです。
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え、なんでだろう、と思いました。Tacxのツールは「水色または黒に水色の差し色」というイメージを持っていました。気になったので公式サイトを眺めてみると…青い製品が消えています。
調べていくうちにBicycle Retailerでこんな記事を発見しました。
Park Tool sues Real World Cycling over tool color
パークツール社、ツールカラーをめぐりリアルワールドサイクリング社を提訴
北米の小さい自転車工具メーカーが青色のツールを販売していたところパークツール社に訴えられた、という内容です。それによると「PANTONEカラーコード2935」とその周辺の12のカラーシェードはパークツールの商標権の一部になっているようです。
えっ色が商標権に含まれるの? と思って調べたら、こんな記事に至りました。
Park Tool ‘Blue’ Granted U.S. Trademark
パークツール「ブルー」は米国特許商標庁により認可
それによると米国特許商標庁は1931年以降、1,329の企業に対して色に関する商標権を認可してきた。そのうち967が現存する企業で、パークツール社はそのうちのひとつ。そして自転車産業界では唯一「色の商標権」を認められている会社なのだそうです。
つまり法律で確実に守られているので、少なくとも北米の会社は「パークツールっぽい青色」のハンドツール、測定器具、ポンプ、クリーニング用品を出せないようです。そしてパークツールは多くの企業と一応話し合いで問題を解決するものの、交渉が決裂したら訴える、というわけです。
上記の「Real World Cycling」という会社は訴えられたパターン(現在も係争中)。そして、これは想像ですがTacx社はパークツールとの協議の結果、青色の使用をあきらめた、という事情があったのではないか。
青色の自転車ツールはたくさんあります。Tacx以外にも、最近姿を見なくなったCyclus。そしてシマノ。シマノの工具もかなりヤバい。青いものがいっぱいあります。
そしてWiggleやCRCが展開するX-TOOLS。これはかなりパークツールに寄せてるけど、大丈夫なのか…
青色の自転車工具=高級品というイメージ
青色の自転車工具は高級品である、というイメージがあるのは間違いないでしょう。そして、そういうイメージはパークツールがつくったのは疑いようがないでしょう。パークツールの気持ちもわからないではありません。しかし色に商標権が認められていることには驚きました。起こっていることはスペシャライズド社による「Roubaix」商標と同じです。あちらは地名、こちらは色。
そういえばシマノはロゴが青色です。青色が入った工具もたくさん出していて米国法人もあるので、やはりパークツール社とは何らかの話し合いが行われたのでしょうか。
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