Zwiftから注目の新機能「ステアリング」についての案内メールが10月2日に届きました。下の記事でもお伝えしたように、9月中には一般向けに実装されると聞いていましたが切りよく10月ローンチにした感じでしょうか。
早速この新機能を試してみたので、必要な準備や試し方、実際に試してみた感想を書いてみたいと思います。
準備するもの
まず最低限準備するのは以下の3つです。
- スマートフォン(iOS/Android)
- スマホホルダー
- Zwift Companionアプリ最新版
ステアリング機能はスマホの加速度センサーを利用するため、スマホ及びCompanionアプリの使用が必須です。私はMac版Zwiftアプリ+iOS版Zwift Companionという組み合わせでうまく行きました。
スマホホルダーは下の記事で紹介した990円のノーブランド中華製品です。人気のTiakiaよりは固定力が劣るので室内専用にしたほうが良いですが、やや前方にスマホを固定できるので汗が落ちにくいというメリットがあります。
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MacのZwiftアプリ自体は起動時に最新版にアップデートされる仕組みなので特に何もする必要はありませんでした。
なお、他にあったほうが良いのは「フロントホイールの動きに合わせて左右に回転してくれるターンテーブルのようなもの」です。結果的にこれはなくともなんとかなりましたが、ハンドルを左右に切る時にフローリングの床だと「キュッ、キュッ」という音がうるさいので、夜だと響くかもしれません。あと床材にもダメージが大きいような気がしました。
動かないフロントホイールブロックを使用されている方は、あらかじめ外しておく必要があります。
最短距離でステアリング対応シングルトラックに向かう方法
Watopiaの”Muir and the Mountain”を選択
準備が出来たら早速Zwiftを起動します。まず”Watopia”を選びます。Zwift公式サイトによると、ステアリング機能を試せる”Titan’s Grove”近くのシングルトラックには”Muir and the Mountain”が最も近いようです。
私は最初”Sand and Sequoias”から”Titan’s Grove”を目指したのですが、ライド中にまったく何のメッセージも出ず、1時間弱無駄に走ってしまいました。確実に試してみたい方は”Muir and the Mountain”から始めるのが無難でしょう。
ライド開始後、10kmほどですぐに”Titan’s Grove”に入れます。
やがて”Winding Peak”と”?”の分岐に差し掛かります。ここで右の「?」を選択します。iOSのZwift Companionアプリでもルートを選択できます(※距離がおかしなことになっていますが、これは誤操作や機材トラブルのためCompanionアプリを再起動したためです)。
この「?」を選ばないといけないのが若干ややこしいですね。「新機能・ステアリング体験はこちら!」みたいなことは書かれていません。最初、どっちだろうと迷いました。
もし誤って”Winding Peak”を選んでしまった場合は、CompanionアプリのUターンボタンを長押しして、シングルトラックの少し手前に戻ってからふたたびUターンすると再度、進路の選択オプションが表示されます(戻る距離が短すぎると表示されないので注意)。
Zwiftアプリの細かい操作方法についてはなどかずさんの下の記事が詳しいので参考にされてください。
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シングルトラックが出現
さて、やがてシングルトラックが見えてきました!
おおおーっ!! ダートだ! 右側には誰かのMTBが!
「レッツゴー」をクリックしてスタート
次の瞬間、キタ、選択画面! Zwift Companionアプリだとこういうダイアログを操作できないっぽいので(私が方法を知らないだけで、やり方はあるのかも)、急いでペダルからシューズを外してバイクを降り、パソコン前にダッシュ。マウスですかさず右の「レッツゴー」をクリックします。十数秒しかない! これは、ここまでやって来た人はステアリングを試したいに決まっているのでデフォルトを「レッツゴー」にしておいて欲しいところ。
もし間に合わなかったり操作を間違えた場合は舗装路に戻されますので(経験者談)、その場合はUターンして再度このシングルトラックに向かう必要があります。
ロードバイクがフラットバーのMTBに変わる
いよいよはじまります… あっ、バイクがフラットバーのMTBになっています!!
ちなみに画面左下にずっと”Steering Sensitivity”(ステアリング感度)というスライドバーが表示されていますが、今回ここをいじる余裕はありませんでした。また、デフォルトの状態で不満はない動作でした。
言い訳ではないですが、スクリーンショットなどを撮っていると容易にコースアウトします。でも… おもしろい!! 思ったよりもずっといい感じにバイクをコントロールできます。
試しにどこまでもコースアウトしてみました。草原のはるか彼方への脱走を試みたのですが、システムによって無情にも拒否されました。あまりに大きくコースを外れると押し返されるような動作です。あっちの世界のマトリックスはまだ構築されていないのでしょう(笑)。
気持ちいい下り、キタ! ライン取りに興奮します。ハンドルを回しまくるのでタイヤが床と擦れてキュッ、キュッ! と悲鳴を挙げます。なるべく抜重します。ラインがいいと”NICE LINE”という表示が出たりします。完全にテレビゲームのようです。
落ちたら確実に命がない感じの板橋。これもスクショ撮影中にコースアウトしてしまったのですが、「GAME OVER」とか「残りライフ表示」などは出ません(出たら面白いんだけどw)。落ちないようになっています。そりゃそうだwww
このシングルトラックの距離は約2マイル(3km強)。いい景色ですね! 前半は下りメインで、後半は上りメインです。
ハンドリングがひどすぎると”A BIT ROUGH”というアラート表示が出ます。コースアウトしたり障害物にヒットすると若干スピードを落とされる感じです。すごくおもしろい。思っていた以上に完成度が高い印象を受けます。
最後は登り! 結構登らされます。最大17%くらいでした。これもライン取りによって勾配が変わったりするので、ステアリングのおもしろさがよくわかる設計だと思いました。
なんか頂上っぽいのに着いた!
ステアリング機能体験はここで終了でした。画面上にフィードバックのお願いが出てきます。上段に書かれているのは「ステアリングはどの程度うまく行きましたか?」、下段に書かれているのは「Zwiftでのハンドル操作にはどの程度興味がありますか?」という質問です。5段階で回答しましょう。フリーアンサーの入力も可能です。
フィードバック画面の先は、ステアリング機能がOFFになりました。アバターが自分のコントロールを離れ、機械的に決められた道を走りはじめるのがなんとも不思議というか、寂しい感じがしました。そのまま舗装路へと合流します。そして日常へーーー(というかWatopiaは日常ではないw)
おもしろさは確実に倍増
このステアリング機能、予想・期待していた以上におもしろかったです。上半身を使うこと、バイクをコントロールすることの楽しさをあらためて実感しました。また、特にキャリブレーションをしなくても違和感のない、ちょうどいい感度でアバターが反応してくれたのも好印象。
ステアリングが加わるだけでZwiftが「漫然とペダルを回す」という行為ではなくなり、必要な集中力が一気に倍増します。
集中力が倍増するということは、Zwiftの世界への没入感も倍増するということです。Zwiftがいきなりシューティングゲームになったような感じです。ぼんやりしている暇などありません。心拍もおのずと上がります。
この新機能、これからどのような展開を見せるのか楽しみです。様々なオフロードコースが増えていくのか。それともロードバイクで走る従来のコースがステアリングに対応していくのか。
たぶん両方だと思いますが、フル実装には相当なプログラミングや検証が必要でしょう。まずはMTBer向けのオフロードが充実していくのかな。これはZwiftユーザーを増やすために絶対に必要なキラー・フィーチャーだろう、と思いました。舗装路でも峠のダウンヒルはもっとずっと面白くなるでしょう。
余談ですが、他のライダーがチャットで「サムスンのスマホだとステアリングが効かない」というようなことを話していました。まだまだベータ版のところがあるらしく、思うような動作にならない場合もあるかもしれませんが、Zwifterの方は是非試してみてはどうでしょうか。