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クリス・フルームが久々に動画更新 Factor Hanzō / Withings ScanWatch / BKOOL / メンタルヘルスについて語る

クリス・フルームがYouTubeチャンネルに新しい動画(再生時間9分)を出しています。ツール・ド・フランス期間中は定期的に舞台裏を紹介したい、と言っていましたが、落車もあって結果的に動画は2本。久しぶりの更新となりました。

以下、発言のダイジェスト版(抄訳)です。全部で8つのトピックについて語っています。

  1. (ツール・ド・フランスでの落車について)初日の落車の時はたぶん60km/h以上出ていた。脚の上を誰かのバイクか何かにぶつけて、立ち上がることさえできなかった。シャンゼリゼのパヴェでは肋骨がまだ痛かったけれど、痣だらけでも完走することが自分にとってはとても大事だったし、これに向けてリハビリしてきたこともありツールを終えられて嬉しかった
     
    ツール・ド・フランス2021第1ステージで2回の大規模落車 フルームも巻き込まれ継続を名言せず・落車原因となった女性は行方不明
    昨日のツール・ド・フランス2021第1ステージで大規模な落車がありました。この結果、現時点で4人のライダーがリタイアとなり、第2ステージ不出走になるライダーはもっと増えそうです。 「じいじ」と「ばあば」は君を誇りに思うか 最初の...
  2. 最終ステージ前のタイムトライアルではFactor Hanzōという新しいバイクをテストした。今回はいつものTTバイクのようには使いこなせなかったが将来的には限界まで駆使して良い結果を出したい
  3. みんなに感謝したい。特にツール・ド・フランスの路上で応援してくれた人達。プロトンの最後にいたのにこれほど応援されたことはない。過去に勝利したツールでもこれほどの応援を受けたことはなかったと思う
  4. 今年のツールではWithings ScanWatchで睡眠をトラッキングした。バッテリーが3週間持つから毎日充電しなくていい。ツールの落車付近では睡眠が本当に乱れていたのがはっきりわかる。最高のパフォーマンスのためには睡眠が決定的に大事だから、最適な睡眠を取るのはこれからの課題だ
  5. BKOOLと最近パートナー契約を結んだ。とてもリアルな素晴らしいインタフェースのあるプラットフォームですごく楽しい。これから何週間かグループライドをやるから参加したい人はチェックしてみてほしい
  6. ツールの後はドイツでメディカルテストを受けた。胃腸の問題があって食べ物をきちんと消化できていなかった。ツールのような自分を限界まで追いやるレースでは全てを完璧に吸収して消化することが大切なんだ
  7. このあいだテレビに映った。面白い話になったけど、ちょっと裏道を走りに行ったんだ。路上では普段誰にも会わない。あの日はチームジャージが全部汚れていたから、ブラックのジャージを着て行ったらフランスのテレビクルーに止められた。火災のリスクがあるから通行止めだって。普通のジャージを着ていたし、報じたジャーナリストもスポーツジャーナリストではなかったから自転車ツーリストとして紹介された。その後「テレビで見たぞ!」と何千ものメッセージが来た。フランスありがとう
     
    あのスーパーサイクリストがテレビで名もなき一般人として紹介される
    今日はミニおもしろニュースをご紹介します。まずはフランスのテレビ局France 2の次の映像をご覧下さい。 "Ce randonneur à vélo" Euh c'est juste Chris Froo...
  8. 他に話さないといけないと思っているのは、プロスポーツのメンタルヘルスについて。アスリートは超人(superhuman)でないといけないという期待を持たれていると思うが、全てのアスリートは感情面や、向けられる批判の扱いについては必ずしも超人ではない。ソーシャルメディアやその他のメディアで向けられる罵詈雑言と格闘するアスリートが増えている。面と向かい合っていたり、町中やスーパーマーケットで会った時は言わないようなことを言われる。
     
    今年はオリンピックがあってこの問題がクローズアップされたけど、このプレッシャーに悩むアスリートは多い。アスリートは実際のアスレティックな能力によって評価されるべきであって、余計な批判に耐えたり、それに対応する能力があるかどうかというのは必ずしもメインではない。国やチームを代表して戦っている時は最高のパフォーマンスを出そうとしているのだから、悪口を言う前に2回考えてみてほしい

気になるところを見ていくと、ツールのTTステージで使っていたバイクはFactor Hanzō(ハンゾー)と言うんですね。これはどう考えても伊賀出身の忍者、初代服部半蔵に由来するものでしょう。タイムトライアル中の選手は確かに身を低くして疾走する忍者を思わせるものがありますね。なかなか良いネーミング!

動画中でちらっと見えるBKOOLの映像は確かにかなりリアルですね。Zwift的なアングルや画角でアバターがより現実に近い感じで臨場感が高そうです。BKOOLは以前スマートトレーナーも出していましたが、ハードウェア部門はやめてしまい、現在はソフトに注力しています。フルームと組むあたり、かなり本気かも。

▼ 下の記事でなどかずさんによるBKOOLの使用感が読めます

増補版:ZWIFT以外のバーチャルサイクリングサービスを、わかる範囲でまとめたまとめ。
本記事の掲載内容は2019年2月時点のものです。現在のサービス内容とは異なります。 「VirtuGO」はサービス終了となりました。 「Road Grand Tours」は、大規模なバージョンアップが行われています。以下の記事...

Withings(国内では「ウィジングス」として販売されていますがフルームは「ワイジングス」と発音)のヘルストラッカーも良さそうで興味があります。アナログウォッチ風なデザインなのが面白いですね。

▼ Withings ScanWatchはサイズ38mmと42mmがあります。42mm版は外側に秒針目盛りがあるのですが、フルームが使っているものも42mmのブラックのようです(何種類か持っているのだろと思いますが)。

現在は体調も良いらしく、元気そうなフルームの姿を見られて嬉しいですね。彼の動画は編集も巧みでテンポも良く、飽きずに見られるものが多いので興味がある方はチャンネル登録してみてはどうでしょうか。

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マスター

2007年開設の自転車レビューサイトCBNのウェブマスターとして累計22,000件のユーザー投稿に目を通す。CBN Blogの企画立案・編集・校正を担当するかたわら日々のニュース・製品レビュー・エディトリアル記事を執筆。シングルスピード・グラベルロード・ブロンプトン・エアロロード・クロモリロードに乗る雑食系自転車乗り。

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