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ポンコツ自転車乗りが、シマノDi2搭載の折り畳み自転車を購入した結果【分不相応にもほどがある】

最弱と名高い自転車乗りである事に不満を感じつつも、お気楽スラムライフを満喫するnadokazuです。

というわけで、本日の駄文はこちら!

ポンコツ自転車乗りが、シマノDi2搭載の折り畳み自転車を購入した結果【分不相応にもほどがある】

素晴らしいぞ!シマノDi2!!

シマノの電動変速コンポーネントDi2は、本当に素晴らしい機材です。実際に使ってみて、その完成度の高さをつくづく思い知らされました。

Shimano Dura-Ace Di2 R9150

シートポストに内蔵された巨大なバッテリーから供給される余裕たっぷりの電圧(多分)で駆動された、トルクフルなモーター(推察)による変速は驚きのスピード。自分みたいなニブチンですら、eTapとの明確な違いを感じるレベルです。11速のR9150シリーズでコレですから「もっと速い」と言われている最新型の12速Di2は、どんだけなのでしょう。もしかして、光の速さを超えちゃってませんか?

Shimano Dura-Ace Di2 R9150

また、シンクロシフトも使い勝手が抜群。右レバーだけですべての変速が完了して、左レバーの操作に脳のリソースを割かなくていいラクチンさは思っていた以上でした。

「我がシマノの技術力は世界一ィィィィーーーーッ!」

「Di2はちょっと…」と感じる、自分勝手な事情。

な、ん、で、す、が!!以下に挙げる2つの条件が揃ってしまうと、お話がちょっと…いや、かなり変わります。

条件1:折り畳み自転車でちょくちょく輪行する。
条件2:乗り手がポンコツ。

まぁ、「条件1」はともかく「条件2」のほうは、普通の自転車乗りの方に当てはまることはありません。なので、この2つが揃っちゃうのは天文学的な確率。「滅多に無いこと」だとは思うのですが、揃っちゃったんですよね。自分の場合…。

駅ホームの輪行袋

そこで、いつも通り根拠データのn数は「1」ですが、「折り畳みならeTapのほうがイイんじゃね?」という勝手な持論を我田に引水しまくりつつ展開いたします。

折り畳み自転車で輪行するときの、Di2の不安ポイント(難癖じゃないとは言ってない)。

Di2は素晴らしいコンポーネントですが、「折り畳み自転車で輪行する」ときに不安ポイントが無いわけではありません。

不安ポイントその①シートポストを捻りまくると、コネクタが外れる?

自分の買ったTyrell FSXはR9150 Di2装備の限定モデル(ドヤ顔)だったのですが、納車時にショップでこんな注意を受けました。

「シートポストを上下させるとき、できるだけ左右に捻らないように」

これは「シートポストを捻ることで、内装されたバッテリーのコネクタが外れるリスクがあるから」とのことでした。

Tyrell FSX

折り畳み自転車で輪行するときに、シートポストの上げ下げは欠かせない工程。シートクランプを緩めたところで、すんなりは動きませんから捻るケースは結構あります。特に「乗車予定の電車が間もなく発車!」みたいな焦りまくったシチュエーションとかだと、容赦なくグリグリしちゃうでしょう。

一度や二度なら無視できる範囲でも、何度も繰り返すと負荷が蓄積して「走り出そうとしたら、変速しない!」という悲劇に見舞われる可能性だって出てきてしまうかも。うーむ、想像するだに恐ろしいですねぇ…。

不安ポイントその②細いエレクトリックケーブルが、あちこちに露出!

ブレーキケーブルやシフトケーブルって、普通の人間の力では引きちぎったりできない強度がありますよね。でもDi2のエレクトリックケーブルって、その辺の安心感がかなり希薄です。ディレイラーやシフターの周りに露出したケーブルの細さには、不安を感じざるを得ません。

Di2のエレクトリックケーブル

細いぶんだけ負荷には弱いはずですし、輪行中は何が起こるかわかりません。ついつい「何らかの拍子に想定外の力が加わったら…」という、怖い考えになってしまいます。さすがに千切れたりはしないでしょうが、極端な折れ曲がり方をしたり内部で断線しちゃったりはしないか。そんな不安が尽きません。

Di2のエレクトリックケーブル

特に折り畳み形態時は、ほぼノーガードで露出されちゃう部分もあったりするので、ビクビクしながら輪行することになります。

不安ポイントその③シートポスト内装バッテリーは、予備が用意できない!

Di2はFD/RDを、1個のバッテリーで駆動します。

「前日に充電したつもりが、きちんと充電されてなかった」
「輪行袋の中でシフターが押され続けて、バッテリー残量が尽きた」

などなど、何らかのトラブルに遭遇してバッテリーが切れたら、そこで完全に試合終了。詰みです。特にシートポスト内装タイプのバッテリーは、充電するしか復帰方法がありません。

Di2のバッテリー

「専用ケーブルを持ち運んでモバイルバッテリーから充電する」といった方法もあるようですが、それだって充電には時間を奪われます。輪行旅行の走行時間は、限られているというのに!

というわけでDi2はシステム的に「折り畳み自転車での輪行用途では、見逃せないリスク要素が多い」と思えてならないのです。

Di2が「輪行向きじゃない」と感じる、最大の要因とは?

あーだこーだと理屈をつけてリスク要素を挙げつらってきましたが、よく考えたら全部運用でヘッジできちゃいます。というか普通の自転車乗りの方が普通に使っていれば、本来は意識する必要すらない。「丸ごと無視でオッケー!」と、断言できる。そんな程度のものです。

だがしかし!

何より大きな問題が、「乗り手」の方にありました。

なにしろ私「自転車乗りとしてのスペックの低さ」については、誰一人として追従を許しません。坂がダメ。平坦がダメ。フィジカルがダメ、メンタルもダメダメ。すべてが雑&適当なのでシートクランプのボルトは破断させちゃうし、チェーン交換すらマトモにできた試しがありません。

シートクランプと破断したボルト

歴代生徒会長どころの騒ぎではない、圧倒的なポンコツ具合。こうなると、もはやダメ自転車乗りというか、むしろダメ人間?ホモサピエンスを名乗れるだけの、基本性能を有していなくない?

あれ?なんだか、ものすごく絶望的な幻日…もとい現実を目の当たりにしたような気がしますが、解決策なんてあるのでしょうか。

SRAM eTapが、すべてを解決する…!

不都合な真実からは目を逸らし、すべての責任を機材になすりつける。我ながらつくづく最低ですが、考えれば考えるほどDi2での輪行には不安しかありません。

解決策は、ただひとつ。
コンポーネントの見直しです。

そこで!

眩しい光を放つのが、スラムのワイヤレス電動コンポーネント「eTap」でした。

ワイヤレス、つまりケーブルの不安レス!

なにしろワイヤレスですから、そもそもシフトケーブルがありません。不安を感じる要素のひとつが、跡形もなく消え去ります。

SRAM eTap

輪行移動中の勝手なシフトが発生しない!

さらに輪行移動の最中はバッテリーを取り外しておけるので、「輪行中にシフターが押され続けて勝手に変速した挙げ句バッテリーが切れる」というDi2輪行でありがちらしいトラブルにだって遭遇のしようがありません。

ダブルバッテリー!つまり、常に予備がある!

eTapはFD/RDを、それぞれ1個ずつのバッテリーで駆動させる方式。言ってしまえば、常時予備バッテリーを携行しているのと同じです。仮に片方が残量ゼロになったとしても、付け変えてディレイラーを動作させられます。それにeTapのバッテリーはコンパクトなので「追加の予備バッテリーを持ち運ぶ」という運用だって、苦労レスで実施可能です。

eTapのバッテリー

結論。自分みたいなポンコツにこそ、スラムeTap!

ケーブルの心配は、100%しなくていい(そりゃワイヤレスですから)。そのうえ電動コンポの生命線であるバッテリー絡みの心配ごとも、ほぼパーフェクトに潰しておける。

ポンコツ自転車乗りが折り畳みロードバイクで使うなら、やっぱりスラムのeTap!

Di2完成車を買った直後だというのに、一歩も後戻りできない感情が炸裂してしまいました。

予算ゼロで、eTap一式を確保せよ!

そうは言っても、予定にはなかった完成車とオプション一式を買った直後です。もうやめて!財布のライフは完全にゼロよ!

▼ 参考記事

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そんな状況下で、eTap一式を手に入れる方法がひとつだけありました!

うちのロードバイクには、SRAM RED eTapが装着されています。それを容赦なく引っ剥がして、Tyrell FSXのDi2と取っ替え引っ替えすればいいのです。

Look 675

これなら必要なのは、工賃だけ。タダでeTapが手に入るのと完全に同義じゃないですか!

▼ 参考記事

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というわけで「換装の相談」をするために、いつもeTapについてお世話になっているショップに足を運びました。

あ…ありのまま今
起こった事を話すぜ!

「おれは手持ちのロードバイクからeTapを外して、
FSXに換装してもらう
“相談”をしたと思ったら、
いつのまにか
“追加でeTap一式を買っていた“」。

な…何を言っているのか
わからねーと思うが、
おれも 何をされたのか
わからなかった…

頭がどうにかなりそうだった…
催眠術だとか超スピードだとか、
そんなチャチなもんじゃあ
断じてねえ

もっと恐ろしいものの片鱗を
味わったぜ……

全財産、死す!

12速化は、諦めました。

「eTapにするんだったら、この際12速化を…」という思考が、無かったわけではありません。なんですがシマノ11速からeTap12速への換装は、敷居がちょっと…いやべらぼうに高すぎました。

たとえばシマノ11速 → eTap11速なら、左右のシフターとディレイラーの交換だけで済みます。ですが12速化しようとすると、それらに加えて

  • クランク、クランクセット
  • チェーン
  • スプロケ
  • リアホイールのフリーボディ

の交換まで追加で必要になります。当然のことながら、そのぶん予算も爆発的に増加しまくりです。12速化は、秒で諦めました。

新品の11速eTapは、入手が難しい。

11速eTapは、すでにディスコンになっています。新品は、流通・代理店の在庫分しかありません。自分が購入したときは、すでにシフターは代理店在庫なし。FD/RDだけ僅かに在庫あり、という感じでした(FDはラス1だったらしいです)。

SRAM Red eTap

在庫なしのシフターについては12速AXS用がファームアップデートで11速対応になるので、FORCE AXSのシフターを手配することになりました。

FORCE AXSのシフター

今からだと、もう11速eTapは新品の入手がほぼ不可能に思えます。12速eTapのハードルがどえらく高いことを鑑みると、オークションサイトでなるべく状態のいい中古11速eTapを入手する、というのが現実的な落としどころかもしれません。

まとめ:eTapは快適で最高です!

というわけで、なんとか無事にTyrell FSXの11速eTap化は完了。ロードと折り畳みで操作系が統一できたので、乗り換えるたびに意識を切り替えつつ変速する必要も無くなりました。たいへん快適なワイヤレス電動変速生活を、謳歌しまくっております。

ま、おかげで無一文ですけどね!

SRAM Red eTap

それと本稿をお読みの方に、心からのお願いです。

「フレーム買いして、最初っからeTapで組んでもらえばよかったんじゃねーの?」

というツッコミだけは、なんというかこう…手心というか…お願いですから勘弁してください(袖をかほにおしあててさめざめとぞ泣きゐたる)。

著者
などかず

美味しくご飯を食べることをモチベーションにペダルを回し、機材の性能に頼り切って「頑張らないことを頑張る」物欲系へっぽこ自転車乗り。リアルで自転車に乗れない週末にはZWIFTで合計100km以上のバーチャルライドを欠かさないものの、脚力や走行スキルについての言及は意図的に避けている模様。愛車はLOOK675、ブロンプトンCHPT3 V2、タイレルFX(これだけとは言ってない)。

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