タイヤ・チューブ製品レビュー

WTB Byway TCS 650bx47c ロードプラスを代表するグラベル・アドベンチャータイヤ

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WTB Byway TCS 650bx47cというタイヤを使いはじめたので軽く第一印象を書いてみます。いわゆる「ロードプラス」のタイヤです。タイヤ外径が700c x 30とほぼ同じでありながらエアボリュームが増えるので快適性が向上し、接地面も増えるのでトラクションも向上する、というコンセプトの製品です。

ロードプラス

まずロードプラスについてあらためて書いておきたいと思います(詳細記事はこちらにあります)。

Schwalbe G-One All Round (700 X 35C)とWTB Byway TCS 650bx47cの直径比較

上の画像は、Schwalbe G-One All Round (700 X 35C)とWTB Byway TCS 650bx47cの直径比較。数字は大体の実測で、うまく測れなかったので0.5〜1cm弱の誤差があるかもしれませんが、700 X 30Cではなく700 X 35Cと比べるとやや小さいのは間違いないです。

仮に左側が700 X 30Cのタイヤだった場合、直径は同じくらいになるはずですが、右の650bx47cだとリム内径自体が小さい分、タイヤが高くなり、かつ47cという太さのおかげでエアボリュームが増えるわけですね。フカフカで快適に… そしてグリップも高くなる、という考え方。下の画像を見ると一目瞭然ですね。

Schwalbe G-One All Round (700 X 35C)とWTB Byway TCS 650bx47cの直径比較

WTBの650bx47cラインナップ

もうひとつだけ前置きです。WTBの650bx47c(ロードプラス)タイヤのラインナップを整理してみます。現在、以下の4つのモデルがあります。

  • HORIZON…「地平線・水平線」の意
  • SENDERO…スペイン語で「小道・通路・トレイル」の意
  • VENTURE…「ちょっと危険のある冒険」の意
  • BYWAY…「脇道」の意
  • HORIZONはスリックで舗装路メインの人向き。SENDEROはMTBタイヤのような高くてごついノブが特徴。VENTUREはグラベル中心の人向き。BYWAYは舗装路とグラベルの割合が半々くらい、というか舗装路が多めでたまに荒れた「脇道(Byway)」に入っていく、という人に向いているタイヤ、と言えると思います。私が購入したのはBYWAYです。

    どれも各モデルの傾向をとらえた、いいネーミングのタイヤたちですね。

    WTB Byway TCS 650bx47c

    当然ながらチューブレスレディのタイヤです(WTBではTCS=Tubeless Comliant Systemという呼称になっています)。写真のタンサイドのモデルの他、ブラックサイドのものも今月末頃から出回るようです(ただブラックは重くなるらしい)。より丈夫なサイドケーシングへの要望があったのかもしれません。

    WTB Byway TCS 650bx47c

    空気圧の下限と上限は35-50 psi/ 2.4-3.5 BAR。ロードチューブレスでは5 BARくらいで乗るにようはなりましたが、クリンチャーやチューブラーでは7 BARが基準の私にとって上限3.5 BARという数字は異世界。というわけでまずはMAX 3.5 BARの状態で舗装路・砂利道・林道と走ってみました。すると…

    WTB Byway TCS 650bx47c

    エアボリュームの大きさは、わかる… でもちょっと固いかな?

    3.5 BARでも入れすぎかも

    3.5 BARは空気入れすぎではないか、と思い、出先で適当に空気を少し抜きました。するとトラクションがだいぶ増してタイヤの性格が変わってきました。もっと下げても良かったかもしれませんが、空気圧ゲージを持っていなかったのでとりあえずその状態でライド継続。

    WTB Byway TCS 650bx47c

    この日入ったとある道では、積もった枯れ葉が少し濡れていて、急な登りになった時「やべっ、この路面はノブがもっとないと無理だ!」と焦ったのですが、落ち着いてペダリングしていったらなんとかクリア。このBYWAYはトレッドのセンター部がスリックなのですが、やはり接地面が大きいこと、そして柔らかい土に埋まるとサイドのミニなノブが活躍してくれるのか、「コケる」と思ったところも行けてしまいました。

    WTB Byway TCS 650bx47c

    舗装路も、もちろん快適。アスファルトしか走らないのであればHORIZONのほうが走行抵抗が少ないはずですが、飛ばすわけでもないのでBYWAYでも全く困らない感じです。また割れて段差のある舗装路で、クリンチャーなら普段抜重するようなところをサドルに座ったままドッカンドッカン乗っても絶大な安心感があります(でも微妙に抜重したほうが疲労は少ないけど)。

    ただ個人的にはサイドノブがもう少し大きいのではと思いこんでいたこともあり、VENTUREも試してみたくなりました。

    速さよりも発見を優先する人向き

    グラベルロード向きのタイヤとしては他にSchwalbe G-One All Round(700x35C)を使っていますが、それに比べて舗装路でもっさりするというわけでもなく、かつ濡れた場所でもトラクション性の高さを実感できました。グリップは断然BYWAYのほうがいいですね。

    Schwalbe G-One All Round (700 X 35C)とWTB Byway TCS 650bx47cのトレッド面比較

    Schwalbe G-One All Round (700 X 35C)とWTB Byway TCS 650bx47cのトレッド面比較。余談ですがシュワルベのほう、結構走ってますがノブが減りません。長持ちタイヤかも

    グラベルをレース的にかっとばすような楽しみ方であればG-One All Round 700X35Cのほうが楽しいと思いますが、脇道にそれて「ここ、通れるかな?」という感じで新しい道を発見していくような楽しみ方であればこのBywayのほうが楽しい、と思いました(本当にネーミングがうまい!)。

    どんぐり

    もう秋だね!山サイクリング最高の季節の到来です

    空気圧はもっとずっと落としてもおもしろいような気がしますし、このトレッドでどの程度まで荒れた道に対応できるのかも知りたい。というわけでいずれまた使用感を投稿したいと思います。

    後日談:2.5 BARにしたらさらに良くなった

    この記事の下書きを終えた後に、2.5 BARで走りに行きました。すると…

    ロードプラス、楽しい!!

    と感動を覚えました。体重にもよると思いますが、60kg以下の人であれば3 BAR以上入れる必要はないような気がします。

    WTB Byway TCS 650bx47c

    楽しい。軽い。気持ちいい。これはちょっといいものを知ってしまった、という感じです。このサイズのタイヤが入る方は一度試してみてはどうでしょうか。

    著者
    マスター

    2007年開設の自転車レビューサイトCBNのウェブマスターとして累計22,000件のユーザー投稿に目を通す。CBN Blogの企画立案・編集・校正を担当するかたわら日々のニュース・製品レビュー・エディトリアル記事を執筆。シングルスピード・グラベルロード・ブロンプトン・エアロロード・クロモリロードに乗る雑食系自転車乗り。

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